2016年4月7日 更新
空き家の管理やトラブル対処、活用法など、空き家に関する相談ができる窓口や主なサービス事業者には次のようなものがあります。
一人であれこれ悩むより、専門家のアドバイスによって解決策が見つかることも多いものです。また、対処が早ければ早いほど費用や手間などの負担が軽くなります。空き家で困ったことがあれば、できるだけ早く相談しましょう。
- 空き家のある自治体の相談窓口
相談できる主な内容
管理 | 調査 | リフォーム | 解体 | 売却 | 賃貸 | トラブル 対処 | 相続 | その他 |
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補助金など助成制度 |
※「空き家バンク」利用による売却・賃貸の相談ができます
空き家問題が起こったらまず相談したいのが、空き家のある自治体の役所などに設置されている空き家相談窓口です。相談は無料で、所有者が遠方に住んでいる場合などは電話による相談も可能です。
自治体で行っている空き家対策や、補助金などの助成制度、空き家バンクの手続きや相談ができるのも、自治体の空き家相談窓口になります。
相談内容によっては自治体が提携する専門事業者を案内してもらえます。「どこに聞いたらよいかわからない」という場合も、とりあえず問い合わせてみましょう。
- 不動産会社
相談できる主な内容
管理 | 調査 | リフォーム | 解体 | 売却 | 賃貸 | トラブル 対処 | 相続 | その他 |
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不動産のプロということもあり、空き家の売却・賃貸など「手ばなす」「活用する」対処法について詳しい知識やアドバイスが得られます。また、住宅管理のノウハウを生かして空き家の劣化の度合いなどを調べる調査や管理代行サービスを行う会社もあります。リフォームや解体に関する相談も、グループ会社や提携する専門事業者と協働できるので安心です。
大手の不動産会社では、空き家の売却・賃貸などに関する無料相談窓口を設置するケースが増えています。もしも所有者が遠方に住んでいても、全国に支店があるため最寄りの支店で相談できるメリットがあります。
一方、空き家がある地域の不動産会社なら地元のネットワークに精通している強みがあります。ただし会社によっては空き家の対処法に不慣れな場合もあるので、相談時の対応や説明などから、安心して依頼できる会社かどうか判断するとよいでしょう。
- 空き家問題に取り組むNPO法人や一般社団法人
相談できる主な内容
管理 | 調査 | リフォーム | 解体 | 売却 | 賃貸 | トラブル 対処 | 相続 | その他 |
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増え続ける空き家に対応するために、全国で空き家問題に取り組むNPO法人や一般社団法人が増えています。
その取り組みは、空き家の管理やトラブル対処についての無料相談から、その地域独自のニーズに応じた活用法の紹介など。空き家を専門的に取り扱っているだけあって、空き家問題に悩む所有者にさまざまな解決の糸口を提案してくれます。
ただし活動範囲が地元の狭い範囲に特化していることが多いため、このような団体が空き家のある地域で活動を行っているかどうか調べてみなければわかりません。
- 空き家管理代行サービス事業者
- 依頼できるサービス…空き家の調査や管理代行
空き家の所有者に代わって建物の劣化の度合いを調査したり、定期的に空き家を巡回して通気・換気などの管理サービスを行う事業者が増えています。空き家管理代行のために会社やNPO法人などを立ち上げたケースもあれば、不動産会社や警備会社がサービスの一環として管理代行を行うケースもあります。
ただし、劣化が激しく修繕が必要な場合や、庭木の本格的な剪定などは、通常サービスの対象外となり、追加サービスを注文したり、専門業者に依頼したりする必要が生じます。
- 建物の劣化のチェック
- 通気・換気
- 通水
- ポストの整理
- 簡易清掃
- 簡易除草・庭木の確認 など
- 荷物整理業者(遺品整理業者)
- 依頼できるサービス…荷物整理
荷物整理業者は、空き家に残る生活用品や家電、家具などの荷物をまとめて必要なものと不用品を整理して、不用品の処分や買い取りを行います。
荷物整理業者を選ぶ際は、廃棄物の処理や古物商の許認可をとっているか、または許認可のある業者と提携しているかを確認しましょう。
- リフォーム業者
- 依頼できるサービス…建物のリフォーム
リフォームを手掛ける会社は大手の住宅メーカーや地元の工務店などさまざまですが、工事の実績が豊富で、工事内容や質問に対して丁寧に説明してくれるかどうかが、よい会社を見分けるポイントとなります。
また、リフォームは水まわりの工事だけで約200万~、大規模リフォームとなると約1000万以上の費用がかかることも。事前に数社から見積りをとり、工事内容と価格に納得のいくところと契約しましょう。
- 解体業者
- 依頼できるサービス…建物の解体
空き家の解体は、建物の構造や立地、道路幅などによって作業の手間と費用が大きく変わってきます。そのため解体するにあたってどのような工程が必要で、いくら費用がかかるのか、きちんと見積もりを出して説明してくれる業者を選ぶようにします(ただし地盤など解体してみなければわからないことも多く、追加料金が発生する可能性もあります)。
ほとんどの解体業者は法律を守って良心的に作業をしていますが、中には不法投棄を行うなど悪質な業者も存在します。極端に費用の安い業者には注意してください。
- 土地活用にかかわる運営会社
- 依頼できるサービス…コインパーキングやトランクルームなどの経営
空き家の解体後にコインパーキングやトランクルームの経営を考えている場合は、事前に運営会社に問い合わせて経営形態や運営・管理の方法、初期費用などについて相談を行います。運営会社によって経営形態やサポート内容が異なりますので、なるべく数社に問い合わせて比較・検討を行いましょう。
- 庭の管理・剪定業者
簡単な除草程度であれば空き家管理代行サービスにお願いできますが、草木の繁茂や落ち葉の飛散、隣家への木の枝の越境などがあれば、定期的に庭のメンテナンスを行ったほうがよいでしょう。
造園業者や植木屋の多くは、空き家の庭の管理や剪定サービスを行っています。庭の広さや草木の状態によって料金が変動するため、まずは相談してみることです。
Q1. 田舎で築年数が古く、売ることも貸すこともできない空き家。どうすればよい?
A1. 売却や賃貸に出そうとしても、立地や築年数がネックになって住む人が見つからない、リフォームもできないという空き家は少なくありません。このような場合の最善策は、とにかく定期的に管理を行い、特定空き家に指定されないように維持していくこと。管理の費用と手間はかかりますが、やむをえないと考えましょう。
Q2. いずれ空き家を処分しなければと思っていても、思い出がつまった家と別れられません。
A2. 空き家は劣化が進みやすいため、対処はスピード勝負。とはいえ、気持ちにも時間が必要ですから無理に焦らなくて大丈夫です。今は空き家の管理を続けながら、気持ちが落ち着くのを待ちましょう。空き家の写真を撮影しておくと劣化の状態をチェックできる上、処分後も写真を見返して思い出に浸れます。
Q3. 空き家の所有権を放棄することはできる? 自治体への寄付は可能?
A3. 現行のルールでは、所有者の意思で空き家の所有権をすることはできません。また、空き家を手ばなす選択肢として、かつては「自治体に寄付する」という方法もありましたが、最近ではよほど好条件の物件でもない限り、寄付を断られるケースが多いようです。空き家の処分で困ったことがあれば、自治体の空き家相談窓口に相談しましょう。
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