2015年9月10日 更新
介護保険施設の一つで、病気などで入院した高齢者が、退院後に自宅で自力で生活することが難しい場合に入居し、リハビリや介護、医学管理下のケアなどを受ける施設です。「老健」と略されることもあります。
介護施設ではありますが、介護と医療の両方のサービスが充実しています。医師や看護師、薬剤師、リハビリ技師などが配置されており、入居者の療養と自宅復帰に必要な機能回復を支援しています。
入居期間について 自宅へ復帰することを目的とした施設なので、特別養護老人ホームのように最期まで入居して看取り介護を受けることはできません。入居期間は原則3カ月間ですが、実際には退去しても家族からの介護が受けられないなど自宅での生活が困難であることから、特別養護老人ホームに入居できるまで介護老人保健施設で待機している人もいます。
主な設備について 共用の食堂やリビング、トイレ、浴室(機械浴室)のほか、リハビリを行う機能訓練室、診療室などがあります。
居室のようす 多くは多病室(4人部屋で、ベッド周りがカーテンで仕切られている型式)になります。トイレや浴室は共用になります。
介護 | 有 | 食事 | 有 |
生活支援 | 有 | 緊急時の対応 | 有 |
介護や生活支援、リハビリ、医療管理下のケアや健康管理などのサービスがあります。
特にリハビリに力を入れており、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が入居者の心身の状態を見ながら機能回復を支援しています。
入居一時金 | 無 |
月額利用料(居住費、食費、生活費、施設サービス費(介護保険の自己負担分)など) | 7万円~16万円 |
介護老人保健施設には入居一時金がありません。月額利用料も、リハビリや医療があるため特別養護老人ホームより若干高いとは言え7万円~16万円と、民間の介護施設よりは比較的安くなっています。なお、居室タイプや要介護度によっても利用料が異なるほか、所得に応じた利用料の軽減措置もあります。
年齢 | 65歳以上 |
要介護度 | 要介護 |
認知症 | 対応可 |
※詳しい入居条件は各施設やお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
入居希望者は各施設やお住まいの市区町村の介護保険窓口で申し込みをします。複数の介護老人保健施設に申し込みをすることもできます。
入居の決定は申し込み順ではなく、施設側が申込者の要介護度、介護や機能訓練の必要性、その他家庭的な事情や経済的事情なども考慮して入居を決定します。
介護老人保健施設の場合、入居期間の目安が3ヵ月間なので特別養護老人ホームのように入居するまでに何年も待つことはありません。地域により差はあるものの、入居基準を満たしていれば数ヵ月で入居できるケースが多いようです。
介護老人保健施設は「病院と自宅の中間施設」です。病後の高齢者が自宅復帰を目指す施設であることから、あらかじめ退去後のことも考えておく必要があります。
施設では入居期間の目安である3ヵ月ごとに、退去か入居継続かを判定します。退去となれば自宅で訪問などの介護サービスを受けることになるか、家族による介護が難しければ、別の介護老人保健施設へ移り住むことになります。
コラムを探す
新着コラム
最終更新日 2024年10月30日
- 購入を検討している物件を現地でチェックする「物件見学」は、家探しの重要なステップの一つ。物件見学時にきちんと確認したいポイントを押さえて、家選びを成功させましょう!
- 災害は、ある日突然やってきます。いざというときにペットと自分を守れるように、飼い主さんができる「日頃の備え」と「災害時の行動」を学んでいきましょう。
- 注文住宅を建てる上で、大切にしたいのが「土地選び」。土地選びで失敗しないための準備や物件情報の見方、現地見学のチェック項目など、知っておきたいポイントをまとめました。
- 共働き家庭が主流となった今、親世帯と子世帯が同じ家に住む「二世帯住宅」を選択する人が増加中。気持ちよく暮らすための間取りから、相続時のアドバイスまで、二世帯住宅を成功に導くポイントを紹介します。
- 新築や賃貸物件の広告に、新たに掲載されるようになった「省エネ性能ラベル」。それぞれの項目の意味と見方を理解して、物件の比較・検討に役立てましょう!
- 侵入犯罪を防ぐ家のポイントや、暮らしの心構えなど、大切な我が家を守るために実践したい防犯対策を紹介します。