2015年9月10日 更新
その名のとおり、高齢者を対象にした分譲マンションです。バリアフリーの建物内に高齢者向けの設備やサービスが充実しており、高齢者が暮らしやすい住環境が整っています。
特に共用設備は、物件により内容は異なりますが、レストランや大浴場、フィットネスルーム、シアタールームなど豪華さを売りにしているところが少なくありません。サービスもコンシェルジュによるフロントサービスから日常の細やかなサポートまで、至れり尽くせりの施設が多数あります。このような便利な設備やサービスは金額面に影響するため、シニア向け分譲マンションの購入費用や管理費は、一般的な分譲マンションより割高になっています。
優雅なシニアライフを送りたい高齢者におすすめ シニア向け分譲マンションは、自立~軽介護の身体状況で、優雅なシニアライフを送りたいと考えている高齢者から特に注目を集めています。施設の多くは入居者の年齢を「60歳以上」「65歳以上」などと定めていますが、中には年齢制限がなく、家族と同居可能という場合もあります。
所有権のある「資産」を手に入れる 経済的に余裕のある高齢者が、優雅に過ごすための場と言えばシニア向け分譲マンションや有料老人ホームなどが挙げられます。
どちらも入居にあたり多額の費用が必要ですが、有料老人ホームの入居者が購入できるのは施設の利用権に留まり、資産価値はありません。けれどもシニア向け分譲マンションは入居者に所有権があり、売却・賃貸・相続も可能な「資産」です。
入居者のニーズを形にする「コーポラティブハウス」も
最近では、より自分のライフスタイルに合った物件を求める高齢者のニーズから、入居者自ら物件を一から企画する「コーポラティブハウス」型のシニア向け分譲マンションも登場しています。
コーポラティブハウスとは、複数の入居希望者が集まって自分たちの理想とする住宅について話し合い、専門のプロデュース会社のサポートを受けながら、必要な設備やサービスのある住宅を共同でつくりあげていくものです。
入居希望者の話し合いからスタートするため、入居するまでに数年ほど(平均的な期間は約2年)かかりますが、「ライフスタイルに合った住宅がつくれる」「居住者同士の連帯感が生まれ、入居後もお互いに支え合える」「共同でつくるため一世帯当たりの費用が割安になる」といったメリットがあります。
介護が必要になったら 介護が必要になっても生活を続けることはできますが、シニア向け分譲マンションには介護が付いていないため、外部の事業者と契約することになります。ただし重介護の状態になれば住み続けるのが難しくなる可能性があり、その場合は介護付き有料老人ホームなどへの住み替えを検討します。
主な設備について 施設により設備は異なりますが、共用のリビング、レストランをはじめ、趣味の活動などを広げる娯楽室やアトリエ、大浴場、フィットネスルーム、シアタールームなど、優雅なシニアライフを満喫できる設備が用意されています。
居室のようす 居室の設備やグレードは施設ごとにさまざまです。広さも1LDK~3LDKと幅があり、ライフスタイルや同居の家族の人数によって選ぶことができます。
介護 | 無 | 食事 | 有 |
生活支援 | 有 | 緊急時の対応 | 有 |
安否確認などの見守りサービスや、掃除や洗濯などをサポートする生活支援サービス、緊急時対応サービスなどがあります。フロントにコンシェルジュが常駐し、日常の生活相談や来客対応を行うところも少なくありません。設備と同様にサービスも施設により異なるため、検討中の施設のサービス内容をしっかりチェックすることが大切です。
購入費用 | 2,000万円~1億数千万円 |
管理費・修繕積立金 | 月5万円~ |
その他の費用(必要に応じて) | 介護費用(介護保険の自己負担分) 食事代などオプションのサービス費用など |
購入費用、月額費用は施設により異なります。物件にかかるお金はもちろんですが、固定資産税や不動産取得税といった税金も発生します。
年齢 | ※施設により異なります |
要介護度 | 自立 |
認知症 | 不可 |
※詳しい入居条件は各施設にお問い合わせください。
入居希望者は各施設に直接申し込みをします。必要書類の提出や運営事業者との面談などを行い、入居が決定します。
また、住宅ローンを利用する場合は、別途金融機関の審査が必要になります。
高齢社会と言われる現在、高齢者のための設備やサービスが整ったシニア向け分譲マンションは高い資産価値があると言われますが、一方で、いざ売却や賃貸に回しても思うように買い手や借り手がつかないリスクも考えられます。それでも管理費や固定資産税などを支払わなければならないので注意しましょう。
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