2015年9月10日 更新
名前に「介護付き」とあるように、個々のケアプランにもとづいた介護や生活援助、機能訓練などのサービスが受けられる生活の場です。民間の施設ですが、都道府県より「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた事業者が運営する特定施設です。
「一般型」と「外部サービス型」 介護付き有料老人ホームは、提供される介護のタイプによって「一般型」と「外部サービス型」の2種類があります。どちらも施設内で介護を受けられるという点では同じですが、「一般型」では施設のスタッフが直接介護を行い、「外部サービス型」では施設より委託を受けた外部の事業者が介護を行います。
「介護型」と「混合型」 入居者の受け入れ体制については、要介護者のみを受け入れる「介護型」と、介護を必要としない自立~要支援者でも入居できる「混合型」があります。「混合型」の施設に自立~要支援者が入居すると、元気なうちは身の回りの簡単なお世話や生活相談といったサービスを受け、介護が必要になったら、その時の要介護度に応じた介護を受けます。
主な設備について 共用のリビングやレストラン、浴室(機械浴室)、トイレなどがあります。それ以外の設備は施設によって異なり、例えば「混合型」のように自立~要支援者の割合が多い施設の中には、豪華な大浴場やレクリエーションルーム、フィットネスルームといった共用設備を備えているところもあります。
居室のようす
有料老人ホームの居室は個室で13㎡以上の面積があり、洗面所やトイレ付きであることが基準となっています。「介護型」の場合は広さや付帯設備より介護のしやすさが優先される傾向にあり、トイレや洗面所はあっても、浴室は共用設備を利用するケースが目立ちます。
自立者も多い「混合型」では、居室内に浴室やミニキッチンを備えるなど付帯設備が充実しているところが多いようです。
介護 | 有 | 食事 | 有 |
生活支援 | 有 | 緊急時の対応 | 有 |
要介護者が安心して暮らせるように、介護や生活支援、食事、緊急時の対応といったサービスが整っています。介護付き有料老人ホームには看護師の配置が義務付けられており、看護師による朝夕の健康チェック(体温・血圧測定など)や健康相談といった健康管理もあります。長期にわたる入院などで退去する場合を除けば重介護状態になっても介護が受けられ、施設によっては看取りまで行うところもあります。
入居一時金 | 数百万円~数千万円 |
月額利用料(居住費、管理費、食費、光熱水費、介護費用(※)など) | 12万円~30万円 |
その他の費用(必要に応じて)外部サービス利用型の場合は介護費用(介護保険の自己負担分)など |
※外部サービス利用型の場合は介護費用は含まれない
施設の立地、設備、サービス内容によって、かかる費用に幅がありますが、目安は入居一時金が数百万円~数千万円、月額利用料が12万円~30万円といったところです。入居一時金とは一定期間の居住費などを入居時にまとめて支払うもので、これにより月額利用料を抑える仕組みになっています。
また最近では、入居一時金が不要で、居住費を月々支払う月払い方式を採用している介護付き有料老人ホームも見られます。この場合は月額費用が比較的高めに設定されているようです。
介護費用については、「一般型」の場合、介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスの対象となり、介護保険の支給限度額を超えるサービスや適用外のサービスのみ自己負担となります。また「外部サービス型」は、入居者が個別に利用した介護サービス分の費用を支払います。
年齢 | 65歳以上 |
要介護度 | 自立・要支援・要介護 |
認知症 | 対応可 |
※詳しい入居条件は施設により異なるため、直接お問い合わせください。
介護付き有料老人ホームの場合、入居希望者が施設に問い合わせをして必要書類の提出やスタッフとの面談を行い、入居条件が折り合えば契約、入居となります。
入居にあたっての条件も、「混合型」のように自立~要介護まで幅広く受け入れるなど基本的に入居しやすいのですが、人気の高い施設には希望者が集中し、なかなか空きが出ないという場合も。このほか、施設よって独自の入居条件を設けているケースもあります。
介護付きに限らず、有料老人ホームは立地や設備、サービス内容、費用などの幅が広いため、自分の個性やライフスタイルに合ったところを吟味しないと入居してから後悔することがあるかも知れません。
また、費用が高いからといって必ずしも自分に合った設備やサービスがあるとは限らないので、施設でどんな生活を送りたいのか、じっくり考えて検討するようにしましょう。
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