一戸建ての防犯対策(立地・家まわり・窓・玄関)

我が家をねらう侵入犯罪を防ぐ

住まいの防犯大研究

  • 住まいのタイプ別、防犯の心構え
  • 最近の侵入犯罪の傾向は?
  • ドロボーの心理と行動パターンを読む
  • 我が家の防犯力をチェック!
  • 【一戸建て編】
  • 【集合住宅編】
  • 防犯力を高めるポイントとは

2013年10月7日 更新

我が家の「弱点」と「対策」を知る【一戸建て編】

盗みのプロは、住まいのココを見ている!

ドロボーは、個々の住まいの弱点を探して侵入のチャンスをねらっています。だからどんなに「うちは大丈夫」と思っていても、ドロボーから見ればスキだらけなんてことも……。

ですからまずはドロボーの目線になって、我が家の弱点をチェックしてみましょう。これから家を建てる人や購入予定の人も、ドロボーの心理と行動パターンを想定しながら侵入対策を行ってください。日頃からの対策と心構えが「防犯力の高い住まい」をつくります。

「立地」の弱点と対策
「家まわり」の弱点と対策
「窓」の弱点と対策
「玄関・勝手口」の弱点と対策

立地
ドロボーが見る「立地」の弱点とは?

ドロボーは「監視性(人の目)はないか」「侵入経路が確保されているか」「逃走経路はあるか」といった点に着目して、盗みのターゲットとなる住宅を探します。

幹線道路から1本入った裏道にある
幹線道路沿いにある住宅なら、人目につきやすいため犯行には不向きですが、1本裏道に入れば人通りはほとんどありません。さらに犯行後に幹線道路へ出てしまえば、人混みにまぎれることができます。
裏道
家と家の間隔が密集している、または袋小路になっている
一見、人目につきやすいようですが、門や塀などで見通しが悪くなる傾向にあり、監視性が低くなっています。
近所づきあいが少なく、地域のつながりが薄い
共働き世帯が多い地域や、新興住宅地などで近所づきあいが少ない地域は、人の目が届きにくくなりがち。ほかに、ゴミ出しのルールがきちんと守られていない地区も監視性が低いと考えられます。
「立地」の侵入対策はこちら!

これから土地探しをする人は、上に挙げたような弱点が少ない場所を選ぶことで、犯罪が多いとされる地域を避けることができます。けれども既に決まった土地で家づくりをする場合や、家が完成してしまった場合は、立地面の問題はどうすることもできません。そのような時は、ドロボーの侵入経路を予測した上で、窓や玄関などの対策を立てていきましょう。

ドロボーは住民同士のつながりが強い地域を避ける傾向があります。近所の人と挨拶を交わしたり、井戸端会議で情報交換したりすることも、立派な侵入対策になります。

家まわり
ドロボーが見る「家まわり」の弱点とは?

防犯のために良かれと思って設置した設備が、死角になったり、侵入の足場になったりして、結果的に住まいの防犯力を低下させているケースもあります。

高い塀や植栽がある
塀や植栽によってドロボーの侵入を妨げる効果があると思いがちですが、1度乗り越えると人目を気にする必要もなく、絶好の隠れ場所になります。
低い門扉
外からちょっと手を伸ばしただけで解錠できるような低い門扉や、そもそも門扉がない場合、すぐに侵入できてしまいます。
駐車スペース
門扉や塀があっても、駐車スペースがオープンになっていると、そこから簡単に侵入が可能。駐車スペースの屋根が2階への足場になることもあります。
「家まわり」の侵入対策はこちら!

室内にいると、家まわりの弱点はなかなか目に入らないもの。外から家のまわりをグルリと1周して、問題がないかチェックしましょう。

高い塀や植栽は避ける
コンクリートブロックの高い塀、背の高い植栽や庭木があると、死角になってドロボーの隠れ場所になりがち。塀は低めで、見通しが良い柵などを設置すると良いでしょう。庭木は適度に剪定してください。
門扉を高く、錠が開けにくいものにする
門扉は簡単に乗り越えられない高さが必要。門扉によっては外側から手を伸ばすだけで解錠できるものもありますが、ドロボーの侵入を防ぐためには、簡単に開けられない錠にする必要があるでしょう。
侵入の足場になるようなものを置かない
窓の近くに物置や脚立など、侵入の足場になるようなものが放置されていないでしょうか。ドロボーを寄せ付けないためには、家まわりをスッキリ整理することが大切です。また、駐車スペースの屋根から2階に侵入するケースもあるので、2階のベランダや窓への足がかりにならないような配置にしましょう。
死角には防犯カメラが有効
周囲から目に付きにくい場所があれば、防犯カメラを設置します。監視カメラは本物とダミーの場合がありますが、「しっかり見張っている」という防犯意識の高さをドロボーにアピールすることができます。防犯カメラはネットや家電量販店などで購入できます。
防犯カメラ
駐車スペースにシャッターやゲートを
駐車スペースがガラ空きでオープンな状態ですと、そこから敷地内の侵入が可能になります。できればシャッターか、専用のゲートでシャットアウトしましょう。
防犯砂利やセンサーで歩きにくく
庭や敷地内の通路に、歩くと音を立てる防犯砂利を敷き詰めたり、植木鉢を配置したりして歩きづらくして、ドロボーが侵入しにくい環境を整えましょう。人が近づくとパッと明かりが灯る防犯センサーも、ドロボーを寄せ付けにくくします。
窓
ドロボーが見る「窓」の弱点とは?

一戸建ての場合、窓からの侵入はガラスを破るケースが約6割。破ったガラスの穴から手を差し込めば、クレセントなどの締め金具はすぐに開けられます。

錠がクレセントなどの締め金具
正確に言うと、クレセント、ねじ締まりなどの締め金具は、鍵をともなわないため「錠」ではありません。簡単に開閉ができる締め金具は、ドロボーが侵入するのも簡単です。
1ロックで補助錠がない
錠が1つだけなら、ガラスを破る場所も1ヵ所で済み、比較的簡単に侵入することができます。最近のサッシは補助錠付きの製品も少なくありませんが、面倒だからと言って使っていない人も多数。これでは錠が1つしかないのと同じことです。
割れやすいガラス
一般的なフロートガラス(板ガラス)は衝撃に弱く、簡単に割れてしまいます。フロートガラスの3倍の強度を誇る強化ガラスも、ドライバーなどの鋭利なもので突くとあっさり割れてしまい、フロートガラスと大差はありません。針金入りのガラスは頑丈そうに見えますが、これは防災ガラスで、火災時の延焼を防止するためのもの。これらのガラスの防犯力はほとんど期待できません。
割れやすいガラス
「窓」の侵入対策はこちら!

サッシ窓に多いクレセントは、もともと気密性を高めるための締め金具であって、防犯性は低いです。ドロボーが簡単に窓を破壊してクレセントを外してしまわないように、しっかり対策をとりましょう。また、当たり前のことですが、どんなに小さな窓であっても、無施錠のまま外出するのは絶対にNGです!

補助錠を付ける
どんな窓でも、手軽に防犯力を高めることができる方法です。補助錠とは主錠のほかに補助的に取りつける錠前のことで、カギを使って解錠するものや、ツマミを回すものなどがあります。価格は1,000円程度からとお手頃で、両面テープで簡単に取りつけ可能な製品も。補助錠があれば、ドロボーがガラスを破ってクレセントを外しても、もう1ヵ所ガラスを破る必要があるため、手間がかかって侵入をあきらめる可能性が高くなります。
防犯ガラスや防犯フィルムを使用する
「ガラス破り」には、バールでガラスを破る「打ち破り」、ドライバーでサッシ枠の隙間をこじ開ける「こじ破り」の2タイプがありますが、いずれもの破り方にも強いとされるのが「防犯ガラス」です。防犯ガラスは複数のガラスの間に特殊な膜を挟んだもので、破壊するのに時間がかかり、また派手な音が出るため、一般的な窓ガラスより防犯力が高くなります。
防犯ガラスは一般的なガラスより3~5倍ほど高値になりますので、もしもリーズナブルにガラスの防犯力を高めたい場合は、窓に貼りつけて破られにくくする防犯フィルムを使用しましょう。
面格子を取り付ける
浴室やトイレなどの小窓を、換気のために開けているという家庭は多いのではないでしょうか。実は、このような窓もドロボーの侵入口となります。また、あかり採りのルーバー窓なども、ガラスを外されやすく防犯力は低め。
そこで、侵入防止のために面格子を取り付けると良いのですが、ネジで外付けするタイプのものは簡単に外されてしまいます。ネジの頭をつぶすか、サッシと一体になったタイプ、ステンレス製で溶接接合したタイプなどを選びましょう。
窓まわりの視界を遮らないようにする
ドロボーは、人目につきにくい窓をねらって侵入します。植栽や庭木で見えにくい窓、物置の影にある窓などは要注意。このような窓がある場合、植栽などを剪定するか、ガラスを破った時の衝撃や振動でアラーム音が鳴るような防犯センサーを取り付けると効果的です。
植栽や庭木で見えにくい
玄関・勝手口
ドロボーが見る「玄関・勝手口」の弱点とは?

ドロボーが真っ先にチェックするのは「入口のドアが外から見えるかどうか」。外からの監視性が低いドアほど標的にされやすくなります。特に勝手口は人目につかない場所にある場合が多いので注意!

鍵穴が縦で「くの字」になっている
ピッキングに弱い「ディスクシリンダー」というタイプの錠です。最近はピッキング被害が少なくなったとは言え、この錠があると、ドロボーは「この家は防犯意識が薄い」と判断します。
1ロックで補助錠がない
主錠が1つだけのドアは、錠を破る時間が短時間で済むため、ピッキングやサムターン回しなどでの侵入が容易になります。
ドアとドア枠の間に隙間がある
古い外開きのドアの場合、ドアとドア枠の間から錠のカンヌキが見える場合があります。この隙間からバールを差しこむと、簡単にドアをこじ開けることができます。
「玄関・勝手口」の侵入対策はこちら!

よく「玄関は家の顔」などと言いますが、家人の防犯意識も玄関にあらわれます。ドロボーにねらわれるスキなどない玄関を目指しましょう。

補助錠を付ける
窓と同様、玄関や勝手口のドアも補助錠の取り付けが有効です。錠が増えると、それだけ侵入に手間がかかるため、ドロボーがあきらめる可能性が高くなります。加えて、複数の錠があるドアは防犯意識の高さをアピールすることにもつながります。「1ドア2ロック」は防犯の基本!補助錠を忘れずに取り付けましょう。
補助錠
ドアやドア付近のガラス窓に注意
飾りガラスのあるドアや、ドアの近くにあかり採りのガラス窓がありませんか?ガラス窓があると、玄関まわりが明るくなる効果がありますが、ドロボーが窓ガラスを割って、手を差し入れて錠を外す可能性もゼロではありません。対策として、窓から手を入れても届かない場所に補助錠を付けましょう。
ドア枠の隙間にはガードプレート
ドアとドア枠の間に隙間があり、錠のカンヌキが見えるようなドアは、こじ開け防止のために「ガードプレート」を取り付けましょう。ガードプレートはホームセンターなどで3,000円~程度で入手でき、取り付けも簡単です。
勝手口もきちんと施錠を
玄関の侵入対策は万全でも、キッチンにある勝手口は無頓着という人もいます。勝手口は家事の合間に出入りしたり、ゴミ出しや換気のためについつい開けてしまいがち。けれども無防備な場所ほどドロボーにねらわれやすくなりますから、勝手口も玄関と同様に「1ドア2ロック」で、目を離す時は常に施錠しましょう。

一般家庭でも注目が高まるホームセキュリティ

ホームセキュリティといえば、かつては会社などで利用するものというイメージでしたが、最近では一般の住宅にも普及が進んでいます。ホームセキュリティサービスに加入した住宅に、空き巣や強盗、ガス漏れなどの異変が起こると、センサーが察知して警備会社に通報。すぐに警備員が住宅に出動します。

料金は住宅の規模やオプションなどにより異なりますが、我が家に合ったサービスと料金を比較するために、契約前には複数社から見積もりをとって比較すると良いでしょう。侵入などの犯罪から身を守るためには「防犯のプロ」に依頼するのも一つの方法です。

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最終更新日 2024年10月30日