防音室のある家|我が家で趣味を楽しむ!|住まいの情報ナビ|E-LIFE不動産情報

2015年6月23日 更新

防音室のある暮らしを楽しもう!

ご近所に騒音で気兼ねすることなく、自宅で楽器を演奏したい、ホームシアターで映画を鑑賞したい、オーディオルームで音楽を聴きたい…そんな憧れも、防音室のある家なら現実のものになります。
一般的に住宅の防音工事には費用がかかると言われています。けれども必要とする防音レベルや演奏する楽器などによっては、簡易タイプの防音室や、吸音材・遮音材を導入するなどして比較的リーズナブルに防音効果が得られる場合もあります。

防音室の基礎知識

防音室と言えば、かつてはプロの音楽家やお金持ちなど限られた人たちの住宅にあるものというイメージがありました。けれども最近になって、趣味として楽器や音楽を楽しむ人が増えてきたことや、ホームシアターやオーディオ関連機器の普及が進んだことなどから自宅に防音室を設置する人が増えています。
防音室が広まった背景には、ご近所付き合いも影響していると言えるでしょう。会話や電化製品の音、楽器の演奏などといった生活音の音漏れは、ご近所トラブルの火種となる可能性があります。隣近所の騒音が気になっていても、トラブルに発展するのをおそれて我慢しているという人もいます。
せっかくの趣味なのですから、ご近所に迷惑をかけることなく楽しみたいものですね。あなたの趣味とご近所への配慮を同時に叶えるためにも、住宅の防音について学びましょう。

住宅の防音とは?

生活をしていれば、ある程度の音が出るのは当然です。その音を小さくしたり、外部に漏れないようにすることを「防音」と言います。
防音の基本は「吸音」と「遮音」です。その違いは次のとおり。

吸音 吸音材と呼ばれる柔らかな素材(グラスウールやロックウールなど)を使い、室内で発生した音を吸収して、音を小さくします。

遮音 室内で発生した音を室外に漏らさない、また室外の音が室内に入らないようにするために、遮音材をドアなどの隙間に詰めて音をシャットアウトします。

この「吸音」と「遮音」に加えて、ピアノやドラムなどの楽器演奏を行う場合はピアノの打鍵音やペダルを踏み込んだ時の振動、ドラムを叩いた時の振動からも階下などに音が伝わるため、振動を吸収する床材などを使用して音漏れを防ぎます。

防音室をつくる目的あれこれ
  • 楽器や歌のレッスンルームとして
  • ホームシアターとして
  • オーディオルームとして
  • 音楽スタジオ、ミニコンサートホールとして
  • ……など

時間や音量を気にせずに、音楽などの趣味を楽しめる防音室。家の構造にかかわる設備だけに、新築やリフォームをきっかけに防音室をつくろうと思う人が多いようです。

気になる音は、どれくらいの大きさ?

音の強さや大きさをあらわすには、「dB(デシベル)」という単位が使われます。楽器の演奏やホームシアターの場合、音源からどれくらいの大きさの音が出ているのでしょうか。

音の大きさの目安

音の大きさの目安/イラスト

遮音性能について

音源と、それが聞こえる場所の間に壁などの遮蔽物があると、音が小さく伝わります。これを「遮音」と言い、遮音の性能は「D値」という値で示されます。
例えば下の図のように左の部屋でピアノを100dBで演奏していたとして、右の部屋で50dBの大きさで聞こえる場合、左の部屋の遮音性能は100dBから50dBを引いた数値の「D-50」となります。

遮音性能について/イラスト

ピアノなど特に大きい音に対する遮音性能のレベル

ピアノなど特に大きい音に対する遮音性能のレベル/イラスト

一般的に、防音のピアノのレッスンルームの場合「D-50(小さく聞こえる)」から「D-60(ほとんど聞こえない)」レベルの遮音性能があると安心とされています。ただし実際の遮音性能は、音を出す時間帯や地域の住宅事情によってまちまちです。

空調はどうするの?

密閉性の高い防音室は、夏場などは室温が高くなりがちです。防音室を一から施工する場合、構造的にエアコンの後付が難しいため、施工段階でエアコンのダクト用の穴とコンセントを設置しておきましょう。後述のユニットタイプの防音室でもほとんどの場合はエアコンの設置が可能ですが、製品によっては設置できないものもあるのであらかじめメーカーや販売店に問い合わせてください。

どうやってつくるの?

プロにおまかせする 高い技術とノウハウを必要とする防音室は、専門の会社に設計・施工をお願いするのが一番。楽器や音響機器を購入した店舗や、趣味仲間に相談するなどして防音室の設計・施工を行う会社を紹介してもらうとよいでしょう。
防音室の目的や広さ、音を出す時間帯などによって必要とされる防音レベルも価格も異なるため、依頼前に必ず相談をして、見積もりを出してもらいます。価格の目安は、防音レベルや建物の構造などにもよりますが1坪あたり100万円~です。
新築であれば建物の設計担当者と防音室の担当者が打ち合わせを行い、スムーズに施工ができるよう段取りを組むことができますが、既存の住宅でリフォームをする場合は、住宅の構造や防音室にリフォームしたい部屋の階数、収納スペース、配線、補強工事などにより制約が生じる可能性もあります。

防音室を依頼する時にまとめておくこと

  • □防音室をつくる目的
  • □使用する楽器やオーディオ機器などの種類
  • □希望する広さ
  • □音を出す時間帯
  • □地域の住宅事情
  • □その他の希望

ユニットタイプの防音室を利用 組み立て式の防音室を購入して設置する方法です。防音室は約1帖のコンパクトなものから、ピアノを設置できるものまでサイズ展開が多彩で、価格はコンパクトサイズで1ユニット約30万円~。室内への後付けが可能で、ユニットを持ち運べば引っ越し先でも利用することもできます。
 ただ、ユニットタイプの防音室なので一から設計して施工した防音室と比較すると防音レベルは低くなります。販売店によっては簡易防音室のレンタルやリースを行っている場合もありますから、防音レベルが十分かどうか確かめるために、購入前に試してみることをおすすめします。

DIYで音漏れ対策をする 防音室は新築またはリフォーム時に設置するのが一般的ですが、求められる防音レベルがそれほど高くない場合は、DIYで音漏れを防ぐこともできます。
例えば・・・・・・・・・

  • 窓をふさぐ
  • 柔らかいクッション材をドア枠とドアの隙間に敷き詰め、ドア枠からの音漏れを防ぐ
  • 床をクッションフロアにする。または防音マットを敷く
  • 壁に防音効果のあるボードなどを貼り付ける

このほか、窓を二重サッシにしたり、防音カーテンを取り付けたりするのも音漏れ対策に効果があります。
DIYで音漏れを防ぐ方法は、費用の面ではリーズナブルですが、どうしても防音レベルに限界があります。費用だけを考えてDIYを選んでしまうと、後から騒音が問題になってリフォームの必要に迫られるなど、かえって高くつく可能性もあるので注意してください。

賃貸で防音室をつくる場合は?

最近はリフォームOKの賃貸物件も増えているので、大家さんの認可さえあれば、防音工事をして防音室をつくることは可能です。ただしマンションやアパートの場合は上下左右の居室に振動音が伝わりやすく、戸建てより音が漏れやすいので、施工会社と綿密に相打ち合わせをする必要があるでしょう。 ユニットタイプの防音室なら比較的手軽に設置できますが、サイズによっては既存の壁などを傷つけてしまうおそれもありますから、事前に大家さんに相談してください。

防音室のある暮らし

防音室があっても油断は禁物!

防音室を手に入れたからと言っても、いつでも好きなだけ音を出してよいとは限りません。前述のように、防音レベルによってはどうしても音が漏れてしまうため、静かな住宅地や深夜などには、隣近所の迷惑になるおそれもあります。
どんなに対策を行っても、どのレベルの音を「騒音」と感じるかどうかは人それぞれです。防音室があっても油断せずに、音を出す時間帯などには十分に注意をしましょう。

ステップアップのコツ

ホームシアターなら「遮光」も大切

ホームシアタールームの遮光が十分でないと、光漏れが気になるもの。そこで、遮光性能があるカーテンを取り付けて部屋に光が差し込むのを防ぎましょう。 遮光カーテンは1~3級の等級があり、完全遮光が求められるホームシアターなら遮光率100~99.9%の遮光1級のものがおすすめです。遮光率が高くても、カーテンサイズが合っていないと隙間から光が漏れてしまうので、サイズはきちんと計測しましょう。

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最終更新日 2024年10月30日