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2015年6月23日 更新

我が家で盆栽を楽しもう!

小さな鉢の中に、美しい自然の風景が広がる「盆栽」。
かつては高齢者の趣味の代名詞とも言われていた盆栽ですが、最近では比較的簡単に育てられる「ミニ盆栽」の登場により、自然を身近に感じることができるアートとして、またはお部屋を彩るインテリアとして若い世代や海外の方にも人気があります。

盆栽の基礎知識

盆栽を始めようと思っても、「敷居が高そう……」「枯らしてしまうのでは?」などと躊躇してしまう人も多いことでしょう。
けれども、接ぎ木や挿し木の状態からスタートするとリーズナブルに盆栽を始めることができますし、基本的なお手入れさえすれば、取り返しのつかない失敗をすることは少ないでしょう。初心者から上級者まで、さまざまな楽しみ方があるのも盆栽のメリットです。

素材の選び方

盆栽となる樹木のことを「素材」と言います。素材選びは自分の好きな樹種、長く育てたいと思った樹種から選ぶのがベストですが、葉の色つやがよく病気や害虫の痕跡がない健康な素材かどうかを見極めて選びましょう。初心者なら、一般的に育てやすいとされる樹種を選ぶことをおすすめします。

ホームセンターで購入する 盆栽コーナーで販売されている素材は、一般的な盆栽の樹形ではない未完成の状態、つまり「接ぎ木」や「挿し木」であることがほとんど。この状態から鉢に植え替えて、本格的な盆栽の樹形に育て上げていきます。完成まで時間はかかりますが、比較的リーズナブルな値段で入手でき、素材の成長を確かめながらお手入れの方法などを学んでいくことができるでしょう。土選びやお手入れなどで不明な点があればスタッフに相談を。

インターネット通販で購入する 完成品の盆栽のみならず、種や苗木、接ぎ木、挿し木など、さまざまな育て方に応じた素材があります。ただし購入前後の相談などのフォローが受けにくい場合もあり、初心者は避けた方がよいでしょう。

園芸店・専門店で購入する ホームセンターで販売されている接ぎ木や挿し木より、もう少し盆栽の完成形に近い形の「仕立て素材」を購入できます。仕立て素材は既に基本的な樹形の骨組みが整っており、骨組みに沿って樹形を育てあげていくため、完成までの時間の短縮が可能。スタッフも園芸や盆栽のプロなので、樹種の特徴や購入後のお手入れのアドバイスなど、きめ細かなフォローが期待できます。

基本の流れ

①樹種を選ぶ基本の流れ/イラスト
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②水やりを行う
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③肥料を施す
①樹種を選ぶ

育ててみたい盆栽の樹種を選びます。植物には成長期や休眠期などの生育サイクルがあるため、適切な時期に正しいお手入れを行い、木の成長をうながします。樹種ごとに、いつ、どんな作業が必要か、素材を購入した店舗のスタッフに確認しましょう。

ゴヨウマツの年間作業カレンダー(例)

※お住まいの地域により、適切なお手入れの時期は異なります。詳しくは最寄りのホームセンターや園芸店・専門店スタッフにお問い合わせください。

②水やりを行う

適切な水やりの頻度は樹種により異なりますが、多くの場合、春と秋は1日1回、夏は朝夕に2回、冬は2~3日に1回を目安に行います。盆栽は鉢が小さく水が乾きやすいので、1回の水やりで鉢底穴から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。この時に1晩汲み置きした水を使うと、水温と外気の差が少ないため根への負担が少なくなります。

③肥料を施す

盆栽で使われる肥料は、主に「固形肥料」と「液体肥料」の2種類があります。

固形肥料

玉肥とも呼ばれ、骨粉や米ぬかなどの有機物を配合した玉状の肥料。土の表面に置くことで、水やりをするたびに養分が水に溶けて土の中にじっくりと浸透していきます。
植物の成長期にあたる春と、冬に向けて栄養を蓄える秋に月1回、肥料を施しましょう。なお、鉢の表面に苔がある場合は、苔に肥料が触れると枯れてしまうため、鉢の縁にあたる苔の一部をはがしてそこに肥料を置きます。

液体肥料

液体肥料には即効性があるので、すぐに栄養を補いたい時に使用します。1週間に1回を目安に、原液を水で既定の濃度に薄めて与えてください。

初心者の方は……

リーズナブルな「ミニ盆栽」がおすすめです。ミニ盆栽は高さ約10㎝以下の小ぶりな盆栽で、和風インテリア感覚で室内などに飾ることができます。初めは手軽なミニ盆栽からスタートして、水やりや肥料などのお手入れ方法を学んで少しずつステップアップしましょう。

初心者向けの樹種

松柏(しょうはく)盆栽 ゴヨウマツ、クロマツ、アカマツ など
マツをはじめとする常緑の針葉樹類を総称して「松柏盆栽」といいます。常緑樹なので1年を通して緑を楽しむことができ、比較的丈夫な樹種が多いため初心者にもおすすめです。

花もの盆栽 ウメ、サクラ、ツバキ など
「花もの盆栽」とは、樹形のみならず、花を観賞する楽しみがあるウメやサクラなどの盆栽です。季節を感じるインテリアとして、リビングや玄関に飾っても。

実もの盆栽 サクランボ、ピラカンサ、カマツカ など
花もの盆栽と同様、実がなることで季節を身近に感じることができる盆栽。花と実の両方を観賞できる樹種も多く、1年を通して変化を楽しめます。

雑木盆栽 モミジ、ケヤキ、ブナなど
モミジやケヤキなど、主に雑木林や森林に育つ樹種の盆栽が「雑木盆栽」です。多くは落葉樹のため、鉢の上で季節ごとに葉の色が移り変わるようすを眺められます。

盆栽を楽しむ家

新築の家でガーデニング

通常、盆栽は日当たりと風通しのよい屋外で管理します。少なくとも1日2~3時間以上、できれば半日以上、午前中に直射日光が入る場所に盆栽を置きましょう。
ただし日差しの強い真夏は葉や根の負担を軽減するために木陰に移したり、すだれや遮光ネットで日よけをします。冬場は寒風の当たらない温かい軒下などに鉢を移動させて枝枯れを防いでください。
盆栽を床の間などの室内に飾って鑑賞する場合もありますが、室内に置くのは2~3日が限度。その後は夏場なら3日ほど、冬場なら1週間ほど屋外で日光に当てるようにしましょう。

ここに注意アスファルトやコンクリートの地面に盆栽を直接置くと、照り返しの熱や寒さが盆栽の負担となり、害虫が侵入するなどトラブルの原因に。そこで木製の台で盆栽コーナーをつくり、盆栽を設置するようにします。通気性や採光性をよくするために、台にある程度の高さを持たせたほうがよいでしょう。腰程度の高さなら日々のお手入れが楽になります。

新築の家で盆栽

設計段階で、庭やベランダの一角に盆栽を置くスペースを確保します。午前中を中心に半日以上直射日光が当たり、夏場に厳しい西日が差さない場所を選んでください。また、盆栽を飾る床の間をしつらえたり、リビングから庭の盆栽コーナーが見えるレイアウトなどにすると、より身近に盆栽を楽しめます。

今住んでいる家で盆栽

庭やベランダで盆栽を管理しやすい場所が確保できればベストですが、もし適当な場所がなくても、季節や時間帯に応じて日当たりや風通しのよい場所へ盆栽を移動させれば問題ありません。その場合は、持ち運びしやすいミニ盆栽を選ぶとよいでしょう。

ステップアップのコツ

「植え替え」にトライ!

盆栽を植えっぱなしにしていると、小さな鉢の中で根が伸び放題になって窮屈になり、通気性や吸排水性が悪くなってしまいます。そこで必要になるのが「植え替え」です。植え替えは古くなった根を切り、新芽の発芽をうながしてリフレッシュさせること。鉢から木を取り出して根の状態をチェックし、傷んだ根を切り取ってハサミで一回り小さくカットします。
植え替えの目安は2~3年に1度で、多くは春先に行います(樹種により植え替えに適した時期は異なりますので、購入した店舗に問い合わせてください)。植え替え後は水をたっぷり与え、根付くまでの期間は肥料を与えないようにしましょう。

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最終更新日 2024年10月30日