2015年6月23日 更新
屋外にいながら、部屋の中で過ごすように家族や友人と食事をしたり、プライベートでゆったりお茶を飲んだり……日常のさまざまな場面のアクセントになる憩いの場がウッドデッキです。
新築やリフォームでウッドデッキを希望する人は多いものですが、使用する目的や家族のライフスタイルに合ったものを選ぶことで、ウッドデッキのある生活がより快適に、より楽しくなります。
「ウッドデッキが欲しい!」と思ったら、まずはウッドデッキでどんなことをしたいか、目的を明確にすることから始めましょう。
使用する目的によって、ウッドデッキに求められる広さや場所、木材などは変わってきます。あなたや家族が思い描くウッドデッキは、どのようなものでしょうか?
リビングの延長として リビングから直接出入りできるウッドデッキを設けることで、リビングに奥行きが出て開放感がアップ。ウッドデッキにテーブルやチェアなどを置くと、太陽の光や風を感じながら食事などが楽しめるアウトドアリビングになります。
隠れ家のような趣味のスペースとして 家屋と独立させて、庭の片隅につくるウッドデッキは隠れ家のようなプライベート感が漂います。室内ではできない日曜大工をしたり、読書にふけったりするなど趣味のスペースとして活躍。
ガーデニングデッキとして ウッドデッキにプランターや植木鉢を置けば、季節の彩り豊かなガーデニングデッキに早変わり。手軽に植物のお手入れをしたい人や、庭の草むしりなどの作業が面倒という人にもおすすめです。
バーベキューデッキとして バーベキューが趣味なら、ウッドデッキにバーベキュー炉を設置してはいかがでしょうか。家族や親しい友人を招いて、気軽にバーベキューを楽しみましょう。
子どもの遊び場に 家屋につなげてつくったウッドデッキの場合、子どもがのびのび遊んでいる最中もパパやママの目に届くから安心。ある程度の広さと強度があれば、家庭用プールや滑り台などを設置することもできます。
ペットの運動場に ペットを庭で遊ばせたいけれど、泥んこになるのは避けたい……そんな飼い主さんの願いに応えてくれるのが、ペットの運動場にもなるウッドデッキ。ペットのシャンプーや、ちょっとしたブラッシングをする時などにもおすすめ。
家屋と連続させて設置する
リビングなど家屋の一部とつながっているウッドデッキは、室内からそのままウッドデッキに出てくつろぐ、物干し台を置いて洗濯物を干すなど、家屋と庭の中間スペースとして活躍します。
さらにウッドデッキを部屋の床の高さに近づけて設置すると部屋の狭さをカバーする効果があり、床下を収納スペースとして活用することも可能。部屋から階段を使って数段低い場所にあるウッドデッキなら庭の景色を存分に楽しめます。
家屋から独立して設置する 昔の日本の家の「離れ」のように、家屋と離れた場所にウッドデッキをつくることもできます。日常とは少し離れて趣味にうちこんだり、バーベキューなどのアウトドアライフを楽しんだりしたい人におすすめです。
ウッドデッキの材料は大きく分けて「天然木」と「人工木」があり、天然木はご存知のとおり、自然の木を生かしたもの。人工木は樹脂と木粉を混ぜ合わせたもので、次のような特徴があります。
天然木 | …木の種類や気候、メンテナンスにもよるが、一般的にウッドデッキ材として使用されるもの(ベイマツ、ベイヒバ、ウリンなど)は耐久性が高い |
人工木 | …製品によって天然木と同じくらいの耐久性を誇るものも |
天然木 | …木目の美しさや、柔らかな肌触りは木ならでは。ただし自然のものなので見た目が均一ではなく、カタログと実物に違いが生じることがある。また、年月の経過により曲がりやそりが発生する |
人工木 | …天然木に近い見た目のものから、表面がツルッとしたものまでいろいろな製品がある。曲がりやそりが少なく、仕上がりが均一なのでカタログと実物の違いも少ない |
天然木 | …腐食や害虫を防ぐために、2~3年に1度は塗装が必要。水が溜まっている状態だと木が腐食しやすいので、くぼみに水が溜まった場合は拭き取るなど、こまめなお手入れをするとよい |
人工木 | …天然木のような塗装は不要で、基本的にメンテナンスフリーを売りにしている製品が多い。ただし汚れの拭き取りや掃除など、最低限のお手入れを忘れずに |
天然木 | …経年により、白っぽい色あせやヒビ、ささくれなどの劣化は避けられない |
人工木 | …経年により多少の色あせはあるが、天然木よりは劣化のスピードがゆるやか |
天然木 | …断熱性があり、真夏の直射日光を浴びてもデッキ表面の照り返しが少ない |
人工木 | …断熱性がないため、冬はデッキ表面が冷たくなる。また、夏は日光の照り返しで熱くなるので素足で歩くと火傷をすることも |
天然木 | …木の種類にもよるが、基本的に人工木よりリーズナブル |
人工木 | …製品により価格帯はさまざまだが、天然木より割高の場合が多い |
天然木にも人工木にも一長一短があり、どちらがよいかは人それぞれ。耐久性や劣化具合についても、環境やメンテナンスに左右されることが多いためどちらか一方がすぐれていると言い切ることはできません。
どちらにしようか迷った場合は、ウッドデッキの施工会社などに相談して、お住まいの地域やライフスタイルに合っているのはどちらか、アドバイスを受けるとよいでしょう。
プロにおまかせする
新築の場合は、建物の施工をする会社にウッドデッキづくりの相談を。このほかにウッドデッキの施工を専門に行う会社や外構・庭づくりの会社などに直接相談してお願いすることもできます。ウッドデッキは建物や庭との調和も大切ですので、設計段階からそれぞれの分野の会社に協働してもらいます。
なお、ウッドデッキの相談や依頼時には、上記で紹介したようなウッドデッキの使用目的や設置場所の希望を明確にしておくとよいでしょう。その際、雑誌の切り抜きなどを持参するとイメージが伝わりやすくなります。
DIYでつくる 自分で設計図を引いてウッドデッキづくりにトライすることもできますが、DIYの初心者の方なら、ホームセンターなどで販売されているDIYのウッドデッキ組み立てキット(1坪約5万円~)がおすすめです。
ウッドデッキのある屋外は、日差しや風雨にさらされる過酷な環境。そのため日常的にお手入れやメンテナンスをすれば、ウッドデッキをより長持ちさせることができます。ウッドデッキのお手入れ方法をマスターしましょう。
日常の掃除(天然木・人工木) デッキ表面についた砂ぼこりや汚れはホウキを使って掃き落とします。雨水などがデッキ表面に残っているとカビやシミ、腐食の原因となるため、デッキ全体に水を流してデッキブラシで軽くこすり、水気を拭き取ります。
汚れがひどい場合(天然木・人工木) 水で濡らした雑巾を軽く絞り、汚れを拭き取ります。それでも落ちない汚れは、家庭用の中性洗剤をスポンジなどにつけてこすり取ります。金属製のブラシなどは表面を傷つけてしまうおそれがあるので控えてください。
コケやカビのようなものが生えたら(天然木・人工木) 水で濡らしたデッキブラシを軽くこすって落とし、残った水気を拭き取ります。
季節ごとのお手入れ(天然木・人工木) デッキ全体に水を流してデッキブラシでこすって汚れを落とします。自動車用の高圧洗浄機を使用しても構いません。お手入れ後、デッキ表面に水気が残っていると傷みにつながるため、きちんと水気を拭き取るようにしてください。
ウッドデッキの塗装(天然木) 天然木のウッドデッキを長持ちさせるには、2~3年に1回、塗装をすることが大切です。塗装は温かくて雨が少ない春や秋に行うとよいでしょう。
ウッドデッキをつくったら、家族の趣味や楽しみに合わせたアクセサリーを配置してみましょう。
テーブルやチェアなどの家具、屋外ライトなど、こだわりが詰まったアクセサリーがあればウッドデッキの完成度もアップします。
アクセサリー例
ウッドデッキで食事やお茶を楽しみたいなら欠かせないのがテーブルとチェア。風雨にさらされやすい環境下のため、防腐・防サビ性能をチェックしましょう。
100Vタイプのライトは電気工事の視覚が必要ですが、ワンポイントを照らす12VタイプやソーラータイプのライトであればDIYで取り付けが可能です。アンティークな雰囲気のランタンや、マリンランプ、形や色がユニークなイルミネーションなど、さまざまな種類があります。
強い日差しを遮ることで、ウッドデッキで過ごす時間を心地よいものに。家具とのバランスによってカフェ風、リゾート風などのコーディネートも可能。
アウトドア気分を満喫するならこれ。お昼寝や読書タイムに重宝します。
ウッドデッキでくつろぎたいけれど、近所の目が気になる……という人におすすめです。目隠し効果のあるフェンスやラティス、トレリスなどを設置して、プライバシーを守りましょう。ツル性植物を絡ませてグリーンカーテンにする、ハンギングプランター(壁にかけたり吊るしたりするプランター)を取り付けるといったアレンジでナチュラルな雰囲気も楽しめます。
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