災害後の生活~在宅で避難をする~|「防災力」を高めよう|住まいの情報ナビ|E-LIFE不動産情報

2016年3月10日 更新

災害時の“行動” 災害後の生活~在宅で避難をする~

自宅がひとまず住める状況で、在宅の生活に大きな不安や困難がない限りは、災害後も住み慣れた自宅で過ごす「在宅避難」を選択します。在宅避難は、避難所で集団生活を送るよりプライバシーが守られている一方で、自宅の場所によっては支援物資の配給や給水拠点が遠いなど不便な点もあります。

在宅避難の注意点とは

  • 在宅避難には何日分の備蓄が必要?

詳しくは「家庭でできる災害対策&リスト」で紹介しますが、災害直後は支援物資が届かないことを考えて「少なくとも3日分、できれば7日分」生きのびるための食糧や水を用意します。このうち3日分は避難所などに持ち出すための「非常用持ち出し袋」の中に入れておきましょう。
ただし災害直後からすぐに非常食に手を伸ばす必要はありません。定期的に自炊をする家庭の冷蔵庫には、大抵の場合1~2日分の食材が眠っているといわれていますから、まずは冷蔵庫の中身を整理して、食材がどれくらいあるかチェックしてください。食べる順番は、冷凍食品や傷みやすい食材を優先して、常温保存のきく食材は後回しにします。災害直後はまだ水道が通っている可能性があるので、お風呂やバケツにできるだけ水を汲んでおきましょう。これらの水はトイレの排水などに利用します。

  • 在宅避難で役立つ主な備蓄品
食糧少なくとも3日分、できれば7日分を用意する。災害発生後しばらくは電気・ガス・水道がストップすると考えて、調理せずに食べられる乾パン、缶詰、レトルトなどを中心に。
少なくとも3日分、できれば7日分を用意。目安として1人あたり1日3リットルの水を備蓄する。
加熱調理器具・燃料卓上コンロや七輪などを用意する。燃料(ガスボンベ、炭など)も忘れずに
災害用トイレ市販品があるが、なくても下記の方法で代用できる
水を入れる容器ポリタンク、バケツなど。給水拠点から自宅まで水を運搬する時にこぼれないように、蓋付きのものを用意しておく
台車、カート水汲みなどに使用する
その他救急セット、携帯ラジオなど
  • 貴重な水を無駄にしない

私たちの生命維持と生活になくてはならない水。その水が、災害によって断水するとたちまち生活に支障が出てしまいます。
日頃から水を備蓄しておくことが第一ですが、それだけでは足りないので、災害時にはポリタンクなどを持って給水拠点へ水汲みに通います。10リットルのポリタンクを満水まで溜めると重さ10キロにもなるので、水汲みの時は台車やカートが欠かせません。苦労して運んだ水を大切に使うためにも、次の点に注意しましょう。

  • 水の節約方法
食器はラップをかけて 食事をする時は食器にラップをかけて、その上から料理をよそいます。食べ終わったらラップを取り除いて捨てれば、食器洗いが不要に。ほかにも小鉢程度の量ならアルミホイルで器をつくる、汁物なら牛乳パックを切って使うといった方法もあります。
 ラップやアルミホイルなどがない場合は、食べた後の食器についた汚れをティッシュで拭き取ってから、スポンジで洗います。洗い水はアミでこしてバケツにとっておき、トイレの排水などに使用しましょう。
  調理は「蒸し煮」がおすすめ 冷蔵庫に残ったキャベツ、カボチャ、ブロッコリーなどの野菜やキノコ類は、少量の水で「蒸し煮」にすると、水と燃料の節約になります。この時、鍋のスペースに余裕があれば、肉や白身魚にオイルをふってアルミホイルで包んだものを入れ、ホイル蒸しをつくることもできます。
ウェットティッシュを活用する 災害時は感染症が流行りやすいため、こまめな手洗いが推奨されています。けれども断水で水が使えない時は、ウェットティッシュを持ち歩いて必要な時に手を拭きましょう。拭いた後のティッシュはそのまま捨てずに、机やテーブルを拭いてから、床の気になる汚れも拭きとるなど無駄なく使い切ります。ウェットティッシュを人差し指と中指に巻き付けて歯をこすれば、歯ブラシの代用にもなります。   雨水を溜めて生活用水に 雨が降ったら、バケツやペットボトル、ガムテープで補強した段ボールにゴミ袋をかぶせたものなどを総動員して雨水を溜め、生活用水に回します。
トイレをどうする? 下水道が復旧するまでは、トイレでの処理も大きな問題です。災害直後なら緊急的な措置としてお風呂の残り湯で排水することもできますが、復旧に時間がかかると、貴重な水をトイレの排水に回すことは難しくなるからです。さらにマンションなどの集合住宅では、損傷した配管に排水すると汚水が階下で溢れてしまうおそれがあるため、トイレの排水そのものが全面禁止になるかも知れません。
災害時にトイレを確保するにはどうすればよいのでしょうか。
  • 災害時にトイレを使う方法
市販の災害用トイレを使う 市販の災害用トイレは、給水シートや高分子ポリマーの入ったビニール袋を便座にかけて用を足し、使用後はビニール袋の口を縛って捨てるタイプのものが一般的です。もしも自宅の便座が破損などで使えない時は、段ボールやバケツを便座の代わりにして災害用トイレを使用します。   ゴミ袋と新聞紙で自作する 自宅にあるゴミ袋と新聞紙を使って災害用トイレを作ることもできます。作り方は、便座や段ボールにゴミ袋をかけて、ゴミ袋の中に四つ折りにした新聞紙1枚を敷き、さらにその上に新聞紙1枚を細かくちぎったものを入れれば完成です。使用後は消臭剤をふりかけ、ゴミ袋の口を縛って捨てます。
溜めた水を使って直接流す 雨水や、洗顔をした後の残り水などを溜めておいて、トイレの使用後に直接排水します。マンションの場合は、汚水が階下で逆流しないように、共通の配管が損傷していないか確かめた上で排水を行ってください。
ただし少量ではうまく流れず、詰まりの原因となるため、1回の排水で10リットル程度の水が必要です(きちんと流れたら「ボコッ」という音が聞こえるので、それまで水を流し入れます)。残り水とはいえ、使用する水の量がかなり多いので緊急的な措置と考えたほうがよいでしょう。
  成人用紙おむつを使う 成人用の紙おむつは、吸水性や消臭性にすぐれており、肌ざわりも快適。長時間使えるタイプのものもあります。また、配給などで屋外に長時間並ぶ時などは簡単にトイレに行くことができず、仮設トイレも混雑していることが多いので、成人用紙おむつを装着していれば安心です。

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最終更新日 2024年10月30日