2016年3月10日 更新
地震後、今いる場所が危険と判断された場合や安全かどうかわからない場合は、二次被害を防ぐため安全な場所に避難をします。
自治体では災害に備えてさまざまな避難場所や防災設備を用意しているので、状況に応じて利用しましょう。お住まいの地域のどこに避難場所や防災設備があるか、それらを利用するためにどのような経路でたどり着くのか、日頃から自治体が発行している避難所マップなどを見て、実際に確かめることが大切です。
- 津波の危険がある時は
地震後に津波注意報や津波警報が発令された場合、もしくは沿岸部など津波の危険がある場合は、とにかく一刻も早く、少しでも高い場所に逃げのびてください。津波の危険がある地域には、「津波避難場所」や「津波避難ビル」を示す標識が設置されています。標識がなくても、高台、学校、そのほか自治体が「津波一時避難場所」に指定した高層ビルやマンションなどに避難しましょう。
津波は一度だけではなく複数回にわたって押し寄せ、第一波より第二波のほうが高い場合もあります。また、当初に発表された津波の到達予想時刻を過ぎてから津波が襲来することもあるので、安全が確認されるまでは避難を続けましょう。
東日本大震災より以前には、津波からの避難方法は原則として「徒歩」と定められていました。理由は、津波から逃れるために車を利用すると、渋滞や地震による道路の損傷などが障害となってスムーズな避難が難しくなるおそれがあるからです。
けれども東日本大震災の浸水地域では、車での移動が日常的であったり、徒歩での移動が困難な高齢者なども多く、6割近い人が車で避難していたことがあきらかになりました。そこで現在、国は車を使った避難を一部認める方針に転換しています。
車で逃げのびられるかどうかは地形などに大きく左右され、「これなら安心」という結論は出にくいのが実情です。ただ、例え車を使っても道路状況などによっては徒歩を選択せざるを得ない場合もあるので、徒歩で最短時間に避難できるルートを考えておきましょう。
- 津波の危険がない場合は
自分や周囲の安全を確認した上で、自治体が指定する避難場所へ移動します。避難場所は、被害の状況などに応じて次のようなものがあります。
※避難場所の名称は自治体により異なります。自治体の災害情報サイトなどで名称を確認してください。
- 主な避難場所
本格的に避難を開始する前に、一時的に近所の人たちが集まって被害のようすをみたり、災害情報を集めたりする場所です。主に学校や公園などが一時避難所に指定されています。
広域避難場所(避難場所)地震による火災や有毒ガスから身を守るための場所で、主に大規模な公園や広場、大学のキャンパスなどが指定されています。
指定避難所(避難所)災害の影響で自宅に住めなくなった時などに、復旧までの一定期間、避難生活を行う場所です。主に学校の体育館や公民館などが指定されています。
上記の避難場所へスムーズに移動できるよう、自宅や通勤・通学経路から避難場所へのルートを確認し、実際に歩いて行ってみましょう。道路が火災などで通れない可能性もあるので、できれば2つ以上のルートを考えておくとよいでしょう。
地震はいつ起こるか分からないため、日中、家族が別々に行動している時に避難が必要になるかも知れません。それぞれが単独でも避難場所にたどり着けるよう、避難場所へのルートを家族で確認し、連絡方法や集合場所を決めておきましょう。災害時には電話による連絡がとりづらいため、NTT災害用伝言板(web171)などネットを使った連絡手段を利用するようにします。
※ネットを使った連絡手段については「災害時のネット活用法」で紹介しています。
- 災害時に役立つ設備や施設をチェック
自治体が備えている防災設備や施設は、災害時の心強い味方になります。ただし、どこになにがあるかわからないのでは、せっかくの設備や施設も宝の持ち腐れ。自治体の災害情報サイトなどを見て事前に調べておきましょう。
- 主な防災設備と施設!
救護所(災害時緊急医療救護所) 応急手当てを中心とした医療救護活動を行う場所で、災害発生後から約72時間、指定避難所に開設されます。救護所では、多数の負傷者がいる場合にできるだけ多くの命を救うためにトリアージ(負傷者の重症度に応じて、治療の優先順位を決めること)を行い、より高度な医療救護が必要な負傷者を災害拠点病院や災害拠点連携病院へ移送します。 | 災害拠点病院/災害拠点連携病院 救護所で治療が必要と判断された負傷者が移送される医療機関です。災害拠点病院は主に重症者の治療を、災害拠点連携病院は中等症者の治療を行います。 |
防災備蓄倉庫 救助に必要な資機材や医療救護セット、非常食、生活用品などを備蓄している倉庫です。防災備蓄倉庫は主に一部避難所や指定避難所などに設置されていますが、どこにどのような物資が何日分備蓄されているかどうか、自治体の災害情報サイトなどで確認しておく必要があります。また、倉庫にある非常食などの備蓄品は、基本的に災害によって家を失った人のためのものなので、各家庭で約3~7日分の食糧や水、生活用品を備蓄しておきましょう。 | 給水拠点 災害により断水した場合に水を確保できる場所で、浄水場、災害用貯水タンク、災害用井戸などがあります。自治体によっては車両(給水車)による給水や、消火栓に仮設の蛇口を設置して給水をするところも。 |
災害対応自動販売機 普段は通常の自動販売機ですが、災害などで停電した時に専用キーや無線通信によって非常用電源に切り替わって、無料で商品が提供される機能がついており、避難中の水分補給に役立ちます。災害対応自動販売機には、目立つ場所に「災害救援ベンダー」などの表示があります。 | 災害時帰宅支援ステーション 災害によって公共交通機関が不通になると、多くの人が徒歩で帰宅をしなくてはなりません。そんな時、自治体と提携しているコンビニ、ガソリンスタンド、飲食店などが「災害時帰宅支援ステーション」として、水道水やトイレ、災害や道路状況に関する情報などの提供を行い、帰宅者を支援します。 |
津波避難施設 津波から逃れるために、緊急避難することができる建物や構造物です。津波避難ビル、津波避難タワー、津波避難シェルターなどがこれに当たります。また、自治体によっては沿岸部にある高層ビルやマンションと連携して、津波の危険がある時に「津波一時避難場所」として地域に開放するケースもあります。 |
※このほか、公衆電話、消火栓、公衆トイレなどの場所などもチェックしておきましょう。
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