2016年3月10日 更新
もしも災害が起こったら、なによりも自分の安全を確保することが大切です。
けれども災害の発生直後は慌ててパニックになったり、逃げようとしてかえって危険を招いたりする可能性も。できるだけ落ち着いて行動できるよう、日頃から災害時の危険について知り、身を守る方法をイメージしておきましょう。
自宅で揺れを感じた場合
揺れの感じ方…
歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。
屋内や屋外の状況…
屋内にある電灯などの吊り下げ物が大きく揺れ、棚にある食器類が音を立てる。 |
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【揺れ方の目安】(気象庁WEBサイトより抜粋)
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- 机の下などの安全な場所に避難する
自宅で気を付けたいのは、家具などの転倒、落下による負傷です。地震の揺れが激しいと大型の棚やタンスが倒れてくる、固定していないテレビなどの重い家電が飛ぶ、壁のタイルや窓ガラスが破損し落下するといった危険があります。揺れを感じたら、すぐに丈夫な机の下にもぐり、机の脚をしっかり握るなどして身の安全を守りましょう。身近に机がない場合は、物が少ない廊下に避難するか、手元にあるクッションやカバンなどで頭を保護してください。
- キッチンで揺れを感じた時
キッチンはガスコンロなどの火元や、食器、油、調味料などの割れ物や液体などが密集しており、危険の多い場所です。キッチンにいる時にグラッときたら、キッチンから離れるか、ダイニングテーブルの下にもぐって落下物から身を守ってください。かつては調理中に地震が起きたら真っ先に火の始末をすることが大事とされていましたが、最近では地震発生とともにガスの供給が自動的にストップするため、無理をしてすぐにスイッチを切る必要はなくなりました。まずは自分の安全を優先して揺れをやり過ごし、揺れがおさまってからスイッチを切りましょう。
- 揺れがおさまったら
建物がゆがんでドアが開かなくなるのを防ぐために、ドアを開けて出口を確保します。この時、足元にガラスなどが飛び散っていないか確認し、厚底のスリッパなどで足を保護しながら移動しましょう。避難などで家を離れる時は必ずブレーカーを落として通電火災を防ぎます。マンションの場合、地震直後はエレベーターが動いている可能性もありますが、余震の恐れもあるので利用を控えましょう。
自宅以外で揺れを感じた場合
- ビル街を歩いていたら
オフィスなどが集まる高層ビル街、雑居ビルに挟まれた繁華街など、高層の建物が多い場所では窓ガラスや看板の破片、壁のコンクリートやタイルの破片、室外機などが頭上から落下してくるおそれがあります。落下物が多い場所には近寄らず、上着やカバンで頭を保護しながら新しい建物の中に避難してください。
- 住宅街を歩いていたら
ブロック塀や石垣が倒れて下敷きになったり、瓦や壁の破片が落下して怪我をしたりするかも知れません。すぐに建物から離れて、揺れがおさまるのを待ちましょう。
- デパートやスーパーで買い物をしていたら
すぐに陳列棚や大型家電など重量のある商品から離れて、なるべく広い場所で揺れをやり過ごします。また、頭上から照明やパネルなどの吊り下げ物などが落下する可能性もあるので、カバンや買い物カゴで頭を保護してください。地震の揺れによってパニックになった買い物客が出口に押し寄せるおそれもありますが、状況がわからないまま店外に出ると、かえって危険ということもあります。落ち着いて係員や館内放送の指示に従って行動しましょう。
- 電車や地下鉄に乗っていたら
地震が起きると、電車や地下鉄は自動的に急停車します。車外に投げ出されないように、つり革や手すりなどにしっかりつかまりましょう。座席に座っているか、網棚の近くにいる場合は、網棚からの落下物から頭を守るために手元のカバンなどをかぶってください。揺れがおさまったら、係員による安全確認が行われ、安全と判断された後に避難開始となります。避難の際は、係員の指示に従って冷静に行動しましょう。
- 車の運転をしていたら
運転中に揺れを感じたら、すぐにハザードランプを点灯して減速します。揺れが強いとハンドルをとられて慌てやすいのでハンドルをしっかり握り、車を路肩に寄せましょう。停車後はカーラジオやテレビで情報収集を行い、周囲の状況を確認します。避難をする時は車検証と貴重品を携帯し、緊急車両の移動を妨げないようにキーをつけたまま車を離れましょう。
緊急地震速報とは、地震の発生直後に各地の震度などを気象庁が予測し、揺れの到達前に可能な限り素早くテレビやラジオ、携帯などを通して発表される速報のことです。緊急地震速報から地震の揺れの到達までは数秒から長くても数十秒程度ですが、机の下にもぐる、安全な場所に移動する、ガスコンロのスイッチを切るといった行動をとり、揺れに備えることができます。いざ緊急地震速報が出た時に慌てないように、速報から地震の到達までにとるべき行動を日頃からイメージしておくとよいでしょう。
- 気象や避難に関する情報に注意する
台風や大雨による風水害は、大抵は事前に気象情報などから災害の危険をある程度予測できるため、地震のようにいきなり危険に見舞われることは少ないとされていました。けれども最近は都市部におけるヒートアイランド現象の影響などから集中豪雨や局地的大雨が頻繁に発生し、いきなり浸水や土砂災害に巻き込まれるケースも増えています。風水害から身を守るには、気象情報をチェックし、台風や大雨の日は自治体からの避難勧告や避難指示などのアナウンスに注意してください。
- 避難の目安とは
一般的に、浸水などの危険がある地帯では時間雨量30mm前後で避難準備を行い、時間雨量が50mmを超えると、浸水や土砂災害などの危険が増加するといわれています。実際の避難の目安は、お住まいの場所の地形や総合雨量などにより異なりますので、それぞれの自治体の避難情報に従ってください。
1時間雨量(mm) | 降り方のイメージ | 災害発生状況 |
---|---|---|
20以上~30未満 | 傘をさしていても濡れるくらいの強い土砂降り | 側溝や下水、小さな川が溢れ、小規模の崖崩れが始まる。 |
30以上~50未満 | バケツをひっくりかえしたように降る激しい雨 | 山崩れ・崖崩れが起きやすくなり危険地帯では避難の準備が必要。都市では下水管から雨水が溢れる。 |
50以上~80未満 | 滝のようにゴーゴーと降り続く非常に激しい雨。傘はまったく役に立たなくなる | 都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある。マンホールから水が噴出する。土石流が起こりやすい。 |
80以上 | 恐怖を感じるくらいの猛烈な雨。傘はまったく役に立たなくなる | 大規模な災害が発生するおそれがあるため、厳重な警戒が必要 |
【雨の強さと降り方】(気象庁WEBサイトより抜粋)
- 避難情報を確認する
台風や大雨の時に、テレビやラジオで「避難準備」「避難勧告」といった用語を耳にしたことがあるのではないでしょうか。似たような用語でわかりづらい点もありますが、災害のレベルを判断する上で貴重な情報ですので、きちんと意味を理解して避難に役立てましょう。
レベル | 発令時の状況 | 具体的な行動 |
---|---|---|
避難準備 | 被害が発生する可能性が高まった状況 | 高齢者や障がい者、乳幼児など避難に時間がかかる人は避難を始め、周りの人はサポートを行う。 通常の避難ができる人は、気象情報に注意しながら避難準備を始める。 |
避難勧告 | 被害が発生する可能性が明らかに高まった状況 | 通常の避難ができる人は、最寄りの避難場所への非難を始める。 |
避難指示 | 被害が発生しそうな兆候があらわれるか、または被害が発生し始めた状況 | 避難中の人は、すぐに避難を完了する。屋外が危険な場合は、自宅や近くの建物の2階などに避難する。 |
【避難情報のレベル】
- それでも逃げ遅れたら、とにかく高い場所に避難する
万一、避難のタイミングが遅れて屋外に危険が迫っている場合、そのまま外に出るのは危険です。一刻も早く建物の2階など少しでも高いところに避難してください。
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