2015年7月10日 更新
熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃以上の夜のこと。近年はヒートアイランド現象の影響もあり、都市部を中心に熱帯夜が増えています。暑さのあまり寝付けないとエアコンのスイッチを入れたくなりますが、エアコンの風を長時間浴びると健康に影響が出るだけでなく、電気代も心配……。そんな眠れぬ夜をのりきるアイデアを紹介します。
人は眠りにつく時に、体温が下がっていきます。熱帯夜は暑さのせいでなかなか体温が下がらないため寝付きにくいのですが、寝る前に一時的に体温を上げることで、その後、スムーズに体温が下がりやすくなり、快眠につながります。
眠りにつく1~2時間前に入浴 寝る1~2時間前にお風呂に入って体を温めると、布団に入るタイミングで一気に体温が下がるため眠りやすくなります。暑い日のお風呂はシャワーだけで済ませたくなりますが、しっかりと体温を上昇させるためには湯船に浸かるのがコツ。少しぬるめの38~40℃のお湯を湯船にはり、みぞおちから下の半身だけ20分程度浸かる半身浴なら、体の芯から温まって体温が上昇しやすいでしょう。
軽いストレッチを行う 眠る直前に布団の中でストレッチを行います。ストレッチの効果で全身の血行がほぐれて体温が上がり、心身もリラックスして眠りにつきやすくなります。ただし体を動かしすぎてしまうとかえって眠気が遠のいてしまうので、ストレッチは無理せず5分程度で済ませましょう。
暑さ対策に欠かせないエアコンや扇風機ですが、長時間の使用や、風の直当たりなどが原因で体調を崩してしまうことも。眠りやすく、体の負担も少ないエアコンや扇風機の使い方は次のとおり。
エアコンの使い方 寝る時に効率よく体温を下げるために、エアコンは布団に入ってから3時間ほどタイマーで運転するのがおすすめ。温度の目安は日中より少しだけ温度が高い27~29℃に設定し、送風口は水平にして風の直当たりを避けます。夜中に暑くて目が覚めてしまう人は、エアコンのタイマーが切れるのと入れ替わりに扇風機が送風を開始するようタイマーを設定しましょう。
扇風機の使い方
エアコンなしで扇風機だけ使う場合は、布団に入ってから3時間ほどタイマーで運転します。扇風機の風が直接体に当たらないように上向きにして、「首振り」モードで室内全体の空気をかきまぜるようにすると快適です。
エアコンと扇風機を併用する場合は、エアコンの真下に扇風機を設置し、首は上向きに。こうするとエアコンの冷えた空気が室内全体に行きわたります。
心地よい眠りを誘う習慣は、夜だけのものではありません。1日の生活習慣そのものを見直すことで、結果的に夜に眠りやすくなることも多いのです。
睡眠リズムを一定にする 睡眠が不規則になると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするなど睡眠トラブルが起こりやすくなります。日頃から、寝る時間と起きる時間が一定になるようリズムを整えましょう。休日前の夜更かしや休日の寝だめ、朝寝坊なども避けてください。
朝起きたら朝日を浴びる 朝起きたら、30分以内にカーテンを開けて室内に朝の日差しを取り込みましょう。朝日を浴びると乱れがちな体内時計がスッキリ整って夜に眠りやすくなるほか、脳がスッキリ目覚めて気持ちよく1日をスタートさせることができます。
昼寝は午後3時までに 暑さで疲れた体を休めるには昼寝が有効ですが、夜の眠りに影響が出ないよう、昼寝は午後3時までに、20分以内で済ませましょう。昼寝の前にカフェインを含むコーヒーなどを飲むのもおすすめです。カフェインは摂取後30分ほどで効き目があらわれるため、スッキリと目が覚めます。
夕食は寝る3時間前までに 遅くまで飲食をすると、体は食べ物を消化するために活動モードになるので眠りにくくなります。できれば夕食は寝る3時間前までに済ませておき、その後は水やノンカフェインのお茶などで過ごしましょう。眠りやすいからといって寝酒(ナイトキャップ)をたしなむ人もいますが、寝る前のアルコールは確かに眠りにつきやすくなるものの、睡眠を持続するのを妨げる働きもあり、結果的に眠りが浅くなるので控えたほうがよいでしょう。
布団やシーツ、枕などの寝具も寝心地を左右します。寝具は肌ざわり、吸湿性、通気性などにも気を付けましょう。市販の快眠グッズもぜひお試しください。
布団 吸湿性や通気性にすぐれている麻素材の布団やシーツなら、汗をかいても快適です。ただし人によってはゴワゴワとした感じが気になることもあるので、その場合は綿やガーゼ素材を選びましょう。
寝間着 綿のパジャマでも、織り方によっては涼しさが大きく異なります。楊柳クレープのように凹凸のある素材は、肌に触れる部分が少なくなるため眠りをさまたげにくくなります。自分が心地よいと感じる素材を探してみてください。
氷枕 暑さがたまりがちな頭の部分をスッキリ冷やしてくれるのが氷枕。500mlのペットボトルに半分ほど水を入れて冷凍庫で凍らせ、使用時に水を4分の1ほど入れたものにタオルを巻くと手軽な氷枕になります。
寝ござ 寝ござは敷布団の上に敷いて使います。寝ござの主な素材である「い草」は吸湿性にすぐれているため、汗をすぐ吸い取ってくれます。このほか、竹製マットやジェルマットなどもひんやりした肌ざわりで暑さをやわらげてくれます。
快眠のためにいろいろ手を尽くしても、日中の暑さが抜けきらず、なかなか寝付けない夜もあります。そんな夜は、布団の中で腹式呼吸にトライしましょう!
腹式呼吸は、まず口から息を大きく吐き、息を吐ききったら鼻でゆっくり呼吸をします。腹式呼吸には自律神経を整える働きがあるため、睡眠トラブルはもとより、疲れやストレスの解消にもつながります。
それでも寝付けないと分かったら、思いきって布団から出てしまいましょう。眠れないのにずっと布団の中にいると、焦りからかえって眠気が遠ざかってしまうおそれがあるので、一度起きて気分転換をしてください。
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