屋根と同様に、長年、風雨にさらされている外壁は劣化しやすい部分ですから、なるべく早い段階で発見することが大事です。
チェックの方法としては、地上から双眼鏡などを使って壁の状態を確認します。塗装のはがれ、ヒビ割れ、汚れなどがあれば適切な対処を行います。
外壁の塗装は、住まいの印象を良くするだけではなく、直射日光や風雨から住まいを守る皮膜のような役割を果たしています。そのため定期的に塗装を行い、住宅の見た目と強度を維持しましょう。
- モルタルは5~6年経つとヒビ割れが起きやすくなる。また、窯業系サイディングは約7~8年、金属系サイディングは約10年で耐久性と防水性が落ちやすくなるので定期的に点検する。
- 外壁の状態にもよるが、モルタルは築10年を目安に塗装を行う。サイディングの場合は、築15年を目安に塗装を。
- モルタルは築20年を目安に、サイディングは築30年を目安に塗装する。いずれも外壁の状態を見ながら判断する。
※築年数別に見る劣化事情は、住まいの周辺環境や施工の品質によって大きく変化する可能性があります。
- チョーキングが発生していないか
- サイディングのコーキングが劣化していないか
- モルタルにはがれやヒビが発生していないか
<解説と解決方法>
- チョーキングが発生していないか
- まずは外壁の表面を素手でこすってみましょう。ゴシゴシと強くこするのではなく、軽く摩擦が起きる程度で構いません。もしも、こすった後の手のひらに塗装の粉が白く付着していたら、それはチョーキング(白亜化)といって塗装が劣化している証拠。放置しておくと外壁がはがれ落ちるケースも考えられますので、早めに塗り替えを検討してください。
- サイディングのコーキングが劣化していないか
- コーキングまたはシーリングと呼ばれる外壁材のつなぎ目の目地の部分が劣化すると、シワが寄ったようにヒビ割れたり、裂けてはがれ落ちたりする場合があります。こうなると、つなぎ目から雨水が浸入して壁の内部がどんどん傷んでしまうことになるため、早めの対処が必要です。
- 自分で処置をするのであれば、カッターで割れている部分を切り取って、ブラシなどでゴミやホコリを取り除いた後に、コーキングを充填します。コーキングを充填する時には、つなぎ目の両脇にマスキングテープを貼るのを忘れないようにしましょう。ただし住宅の高い部分や、割れの状態がひどい場合は専門家に依頼した方が安心です。
- モルタルにはがれやヒビが発生していないか
- モルタルをはじめとする吹きつけの外壁は、下地調整が不十分だとはがれが起きやすくなります。さらにモルタルの外壁は、もともとヒビが入りやすいという性質があります。
- ほんのわずかなヒビであれば、自分で対処することも可能です。ヒビの周囲のホコリや汚れをはらった後に、ヒビの両脇にマスキングテープを貼り、シーラーを塗ってコーキングを充填すれば問題ありません。
- だんだんとヒビが大きくなっていく、無数のヒビが入るといった場合、構造的な問題の可能性もあるので専門家にチェックを依頼すると良いでしょう。
年1~2回、点検も兼ねて外壁を水洗いしてください。汚れがそれ程ひどくない場合はホースの水で汚れを洗い落とすだけでOKですが、車の排気ガスなどで汚れが激しいようであれば外壁用の洗剤を使用します。特に春先はホコリが多いので、しっかり汚れを落としましょう。
- 外壁にカビや藻が生えたら
- カビや藻が生えてしまった外壁は、被害が広がらないように見つけ次第すぐにキレイにする必要があります。外壁用の洗剤をつけて、デッキブラシなどでこすり落としてから水で流してください。
- 換気扇周りは特に注意!
- 換気扇周りの外壁には油汚れがつきやすく、時間の経過とともに外壁にこびりついて美観を損ねてしまうことになります。外壁用の洗剤でこまめに洗いましょう。
- 高圧洗浄機を使ってみる
- 洗車などに使う高圧洗浄機で、外壁の汚れを一気に落とす方法もあります。水洗いの時間が短縮できる上に、節水にもなり、洗剤の使用も抑えられるので省エネになるという効果も。価格は家庭用の小型のものでおよそ1万円~です。
専門家に第三者の立場から住宅を診断してもらう方法もあります。
中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)とは?
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最終更新日 2024年10月30日
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