365日、直射日光や風雨にさらされている屋根は、住宅の中でも最も厳しい環境にある部分です。けれども普段は目につかない場所なので、実際に雨漏りなどのトラブルが起きない限り、劣化に気付きにくいのが難点。さらに実際に屋根に上がってチェックするのは危険がともなうため避けた方が無難です。
できれば年に数回、2階窓やバルコニーなどから見える範囲でチェックしてください。特に台風や大雨の後は屋根材が破損している可能性がありますから、必ず目視点検を行うようにします。
- 築年数が浅い住宅でも、金属屋根であればサビつきに注意。また、台風や大雨の後に屋根材に異常がないか目視で点検する。
- 年数回の目視点検に加えて、築10年目を目安に屋根材の一斉点検を行うと良い。老朽化によるトラブルを避けるために、築10~15年になったら葺き替えを検討する。
- 雨漏りなどのトラブルがあれば、屋根材が破損している可能性あり。年数回の目視点検を忘れずに。
※築年数別に見る劣化事情は、住まいの周辺環境や施工の品質によって大きく変化する可能性があります。
- スレート屋根が変色していないか
- 金属屋根がサビついていないか
- 瓦屋根、スレート屋根が割れたり、ズレたりしていないか
- 雨どいの詰まりや破損はないか
<解説と解決方法>
- スレート屋根が変色していないか
- スレート材を使った屋根の多くは表面を塗装しているため、長年使っていると変色が始まり、見た目はもちろんのこと、防水性も低下して雨漏りなどが起こる場合もあります。屋根が変色していたら、塗装を検討しましょう。
- 金属屋根がサビついていないか
- 金属板を使った屋根に発生したサビを放置していると、サビが進行して屋根の寿命を縮めてしまう原因となります。そのためサビが出る前に数年に1度は塗装をすることが望ましいのですが、もしもサビが見つかったら、早急に専門家に依頼して塗装を行ってください。
- 瓦屋根、スレート屋根が割れたり、ズレたりしていないか
- 瓦屋根もスレート屋根も耐久性にすぐれていますが、気候条件や地震などの影響によって、屋根材の割れや、ズレが発生することも......。
- 割れ、ズレを放っておくと、そこから雨水がたまって住宅の傷みが進行してしまいますので、割れ、ズレが発生したら、その都度補修を行うようにします。
- 雨どいの詰まりや破損はないか
- 雨どいの多くは塩化ビニル製なのでサビの心配はありませんが、台風や大雨の後には雨水と一緒に流れ込んだゴミなどが詰まりやすくなります。また、雨どいにヒビが入るとそこから雨水が漏れてしまうので、定期的に点検して掃除、補修を行います。
- 掃除には、ワイヤー式のパイプクリーナーを使って雨どい全体の汚れを落としましょう。パイプクリーナーがなければ、針金に布を結んだもので代用しても構いません。雨どいのヒビが見つかったら、小さいものであれば防水補修テープを貼って応急処置を。ヒビや破損が大きい場合は、雨どいごと交換します。
屋根材のサビ、割れ、ズレなどを放っておくと雨漏りを起こし、屋根の構造を腐らせる原因となってしまいます。ただし、高い位置にあるため自分でメンテナンスを行うことは難しく、その場合は専門家の力を借りる必要があるでしょう。屋根の劣化を防ぐために自分でできることは、とにかく「定期点検・早期発見」です。
- サビは金属屋根の大敵!
- 金属屋根のサビは腐食の第一歩。また、数年で色があせてしまうので防サビを兼ねて数年に1度は塗装を行います。
- 瓦屋根がズレてしまったら
- 1~2枚程度のズレであれば、自分で直すことも可能です。正しい位置に瓦をはめ込んだら、瓦の下にセメントパテを埋め込めばOK。ただし自分で処置を行う際は、足場の安定をしっかり確保して、スニーカーなどのゴム底の靴を履いていることが大前提です。少しでも不安を感じたら専門家に依頼してください。
専門家に第三者の立場から住宅を診断してもらう方法もあります。
中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)とは?
中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)とは?
【関連記事】
- 理想のマイホームを手に入れるための「物件見学」のチェックポイント
- 注文住宅の「土地選び」のポイント
- 後悔しない! 二世帯住宅を建てるポイント
- 不動産広告の「省エネ性能ラベル」とは?
- 住宅ローンを借りる前に知っておきたい「金利」の話
- お気に入りの部屋をつくるインテリアの選び方
- オーダーメイド住宅で理想の家づくり
- 新築・増改築のときに気を付けたい法律のポイントは?
- 日差しと風、快適な室温のある住み心地のよい家づくり
- 土地を購入する前に知っておきたい法令上の制限について
- 狭小地・変形地に家を建てる
- 「増築」「改築」で住みづらさや不満を解消!
- 万一の災害時に、自分や家族の安全を守る「“災害に強い家”に住みたい!」
- 残された家や土地をスムーズに受け継ぐ「不動産相続の基礎知識」
- 建物の構造が違えば、性能や住み心地も変わる!「木造」と「鉄骨造」、選ぶならどっち?
- 平屋を検討する際に知っておきたいメリット・デメリット!『平屋の家』に住みたい!
- おしゃれで居心地のよい空間をつくる、住まいのカラーコーディネート
- 省エネ住宅なら少ないエネルギー消費で室内環境が快適!
コラムを探す
新着コラム
最終更新日 2024年10月30日
- 購入を検討している物件を現地でチェックする「物件見学」は、家探しの重要なステップの一つ。物件見学時にきちんと確認したいポイントを押さえて、家選びを成功させましょう!
- 災害は、ある日突然やってきます。いざというときにペットと自分を守れるように、飼い主さんができる「日頃の備え」と「災害時の行動」を学んでいきましょう。
- 注文住宅を建てる上で、大切にしたいのが「土地選び」。土地選びで失敗しないための準備や物件情報の見方、現地見学のチェック項目など、知っておきたいポイントをまとめました。
- 共働き家庭が主流となった今、親世帯と子世帯が同じ家に住む「二世帯住宅」を選択する人が増加中。気持ちよく暮らすための間取りから、相続時のアドバイスまで、二世帯住宅を成功に導くポイントを紹介します。
- 新築や賃貸物件の広告に、新たに掲載されるようになった「省エネ性能ラベル」。それぞれの項目の意味と見方を理解して、物件の比較・検討に役立てましょう!
- 侵入犯罪を防ぐ家のポイントや、暮らしの心構えなど、大切な我が家を守るために実践したい防犯対策を紹介します。