2015年11月16日 更新
自宅で老後を過ごすメリットは、高齢者が今までと環境を変えることなく、家族や地元の知り合いと生活を続けられることです。自宅での老後をより楽しいものにするために、準備を進めていきましょう。
どんなに健康な人であっても、高齢になると心身の衰えを感じることが増え、場合によっては介護が必要になることもあります。介護保険の「居宅サービス」は、自宅で介護を受ける人やその家族の負担を解消する目的で制度化されました。
居宅サービスの内容は、ケアマネジャーが介護を必要とする高齢者1人1人の身体状況や環境などに応じてケアプランを作成します。
65歳以上で、健康上の不安や日常生活に不便を感じる高齢者は、要介護申請を行って要介護認定を受けましょう。要介護認定は在宅で介護保険サービスを利用する場合に必要な認定で、要介護度のレベルに応じて受けられるサービスが異なります。
高齢者が自宅にこもりきりになるのを防ぐために通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通い、ほかの高齢者とともに食事やレクリエーションなどのサービスを受けます。集団生活の刺激を受けることによって生活のメリハリがつき、日々の楽しみが増えたり、認知症の予防につながるといった効果が期待できます。また、日頃介護をしている家族の負担を減らすこともできます。
高齢者が自宅にこもりきりになるのを防ぐために特別養護老人ホームなどに短期間滞在して、食事やレクリエーションなどの集団生活を送る宿泊付きのサービスです。ショートステイは、日頃介護をしている家族の旅行や冠婚葬祭、介護疲れの時などに利用されるケースが多いようです。
介護に関するサービスは、介護保険以外にも自治体や民間による福祉サービスなどがあります。
- 送迎サービス
- 送迎サービス
- 配食サービス
- 訪問理美容サービス
- オムツの支給
- 寝具洗濯・乾燥サービス
- 有償ボランティア
- シルバー人材サービス
お住まいの地域にどのようなサービスがあるかについては、ケアマネジャーや自治体の窓口に問い合わせてください。
自宅で最期まで暮らすには、介護を受けやすい環境づくりが大切です。自宅をバリアフリーにしたり、介護に必要な福祉用具を揃えたりして、介護を受けやすい環境を整えることをおすすめします。
自宅での怪我や転倒の危険を減らし、安心して介護を受けるために、住宅改修(バリアフリー改修)によって床の滑りやすさや段差などを解消しましょう。介護保険では、要介護・要支援者1人につき20万円まで1割の自己負担(※)で改修工事を依頼することができます。改修工事の対象となるのは次のとおり。
介護の現場では、身体状況などに応じてさまざまな福祉用具が必要になります。福祉用具をすべて購入していると金銭的な負担が大きくなりますが、レンタルを利用すれば、リーズナブルに福祉用具を使うことができます。
次の12種類の介護用具については、介護保険によって要介護・要支援ともに1割の自己負担(※)でレンタルが可能です。
介護に当たって、衛生上レンタルではなく購入が望ましいとされる福祉用具については、要介護・要支援ともに年度ごとに10万円まで1割の自己負担(※)で購入できます。
※2015年7月までは介護保険の自己負担は1割ですが、2015年8月からは、年金収入が年間280万円以上ある場合は2割に引き上げられます。
介護保険サービスの中には、原則としてその市区町村に住んでいる要介護者だけが利用できる「地域密着型サービス」があります。地域密着型サービスは、エリアを限定することで、より要介護者とその家族のニーズに応じたきめ細かな介護サービスが可能になります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 スタッフが定期的に自宅を訪問し、介護が必要な高齢者の心身の状況に応じて24時間体制で必要な介護や看護サービスを提供します。
夜間対応型訪問介護 夜間にホームヘルパーが自宅を訪問して介護サービスを提供します。夜間に定期的に排せつの支援などを行う「定期巡回」と、緊急時にホームヘルパーを呼ぶ「随時対応」の2つがあります。
現在、約8割の人が病院で亡くなっていると言われていますが、その一方で、自宅で老後を過ごし、病院ではなく自宅で息を引き取りたいと思っている人は少なくありません。
自宅を終の棲家にするには、家族や医師など周囲のサポートが必要です。特に延命治療を希望しない場合は、その意思をはっきりと周囲に伝え、協力をお願いするようにしましょう。
日頃から「延命治療(胃ろう、人工呼吸器などの医療機器を付けて生命を維持すること)を受けるかどうか」「容体が急変した時にはどうするか」などを話し合っておくようにします。
来るべき看取りに備えて、在宅見取りをサポートする「在宅療養支援診療」の看板を掲げている医師を探し、訪問診療と見取りを依頼しておきましょう。在宅療養支援診療の医師は、高齢者の病気の診断はもとより、死亡後には医師が死亡診断書を発行してくれます。
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