2015年11月16日 更新
高齢者施設への住み替えを行うと、毎月発生する施設利用料や介護サービス費用などに加え、施設によっては入居時に一時金が必要になることもあります。
個々の経済状況に応じた施設を選ぶために、まずは自分の手持ちのお金について知ることから始めましょう。
次の表を参考にして、「月々の収入」と「保有資産」をチェックしてください。
月々の収入 | ||
公的年金給付 | ||
その他の社会保障給付 | ||
その他の収入 | ||
保有資産 | ||
プラスの資産 | ||
預貯金 | ||
株式 | ||
債権 | ||
投資信託 | ||
保険の満期保険金・解約返戻金 | ||
不動産(自宅など) | ||
車 | ||
その他の資産 | ||
マイナスの資産 | ||
住宅ローン残高 | ||
その他のローン残高 | ||
その他の借入れ | ||
一般的に、老後の収入の柱は公的年金給付になります。公的年金以外の社会保障給付がある人はその金額を、その他の収入(個人年金など)がある場合はそちらも記入して、月々の収入Aを把握しましょう。
次は保有資産です。金融機関(銀行や郵便局)の預貯金の合計額をはじめ、株式、債券などの投資性商品、生命保険などの保険に加入しているならその保険の満期保険金・解約返戻金も記入してください。
自宅などの不動産や車は、購入した時の金額ではなく時価を記入します。あくまで「今、売却するといくらになるか」という点がポイントです。
上記のプラスの資産だけでなく、住宅ローン残高などのマイナスの資産も忘れずに記入しましょう。プラスの資産の合計Bからマイナスの資産の合計Cを差し引いた金額が、今のあなたの保有資産Dとなります。
「高齢者施設の種類と特徴」で紹介したとおり、高齢者施設はその種類によって費用の目安が大きく異なります。住み替えにあたり無理のない資金計画を立てるには、入居時に必要な一時金(不要な施設もあります)を保有資産Dから支払い、毎月発生する月額費用やその他の費用については月々の収入Aから支払うのが理想的と言えます。
ただし実際には月々の収入Aから月額費用などを捻出するのが難しいケースも少なくありません。そのような場合は保有資産Dから取り崩すか、家族の収入に頼る必要もあるでしょう。
施設の種類 | 入居一時金 | 月額利用料 |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 数百万円~数千万円 ※不要な場合もあります | 12万円~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 数百万円~数千万円 | 10万円~30万円 |
グループホーム | 百万円~数百万円 ※不要な場合もあります | 20万円~30万円 |
自立型ケアハウス | 数十万円~数百万円 | 10万円~20万円 |
介護型ケアハウス | 数十万円~数百万円 | 5万円~25万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 敷金:家賃の2ヵ月分程度 礼金:物件により異なります | 15万円~30万円 |
シニア向け分譲マンション | 購入費用:2000万円~1億数千万円 | 管理費・修繕積立金:月5万円~ |
特別養護老人ホーム | 不要 | 5万円~15万円 |
介護老人保健施設 | 不要 | 7万円~16万円 |
介護療養型医療施設 | 不要 | 20万円~30万円 |
なお、持ち家であれば次のような方法で住み替えにかかる費用を捻出することもできます。
- マイホーム借上げ制度
「移住・住み替え支援機構」が提供するサービスで、50歳以上の世帯の住まいを借り上げて転貸しを行い、安定した賃料収入を保証するものです。最長で終身にわたって借り上げが可能ですが、3年ごとに解約できるため、再び自宅に戻ることも可能です。
- リバースモーゲージ
自宅を担保にして金融機関からお金を借りる仕組みのことをリバースモーゲージと言います。通常、金融機関からお金を借りると返済が必要になりますが、リバースモーゲージでは、借りたお金の返済をせずに、借入者の死亡時に自宅を処分して返済資金に充てることができます。
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