2015年11月16日 更新
案内パンフレットなどを参考にして、入居したいと思う施設が見つかったら、予約をして見学を行います。実際に設備やサービスのようすを見て、パンフレットだけでは分からない施設の雰囲気を体験しましょう。気になる点などがあれば、その場でスタッフに質問することもできます。
見学当日は、限られた時間内で施設内を回り、スタッフから説明を受けることになります。無駄なくスムーズに見学するには、事前に重要事項説明書を読んで、疑問点などを整理しておきましょう。そうすればチェックすべきポイントが明らかになり、落ち着いて見学や相談することができます。
複数の施設を見学することになるので、ほかの施設と比較・検討しやすいように筆記用具やカメラを持参し、感想などをメモしましょう。ただし施設内部を撮影する場合は必ず担当スタッフの了承を得て、入居者の迷惑にならないよう配慮します。
施設探しを1人だけで頑張りすぎてしまうと、どうしても視野が狭くなり、思わぬ見落としや認識不足などで、入居後に後悔してしまうことも。そのため見学は1人で訪れるよりも、なるべく家族や身近な人と複数名で行くことをおすすめします。入居希望者ではない立場からの意見やアドバイスも参考になるはずです。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、見学時にランチの試食ができる場合もあります。有料か無料かは施設により異なりますが、ぜひ試食をして食事の内容や食堂の雰囲気をチェックしてください。病状に合わせた特別メニューや流動食などの対応が可能かどうかも尋ねてみましょう。
見学をしていて、分からないことや重要事項説明書と異なる点などがあれば、その場で担当スタッフに質問を。特に費用のことなどは、遠慮して質問を避けてしまう人もいますが、あいまいなままで入居してしまうと後々のトラブルに発展するおそれもあります。また、質問時のスタッフの受け答えや、質問しやすい雰囲気かどうかも、施設の良し悪しを見分けるポイントになります。
見学では、建物や設備だけでなく「人」もチェックするようにします。というのも施設の満足度は、そこにいる人(スタッフや入居者)によって左右されるケースが多いからです。スタッフの対応は適切か、服装や言葉づかいが乱れていないか、入居者の表情は明るいか……など、人のようすを見るとサービスの質が分かるケースも少なくありません。
有料老人ホームの場合、見学をして気に入ったら、さらに体験入居の申し込みを行います。実際の入居者と一緒に食事やレクリエーションを楽しみ、施設の生活を体感しましょう。見学だけでは分かりにくい朝や夜間の雰囲気も、体験入居ならじっくり見ることができます。体験入居の日数や費用は施設に問い合わせてください。
□周囲の環境は良好か
□家族が面会に訪れやすい立地か 費用 □入居一時金の有無
□月額費用の目安
□そのほか必要になる費用について
□クーリングオフ制度の有無 施設全体 □掃除が行き届いているか
□整理整頓されているか
□いやなにおいがしないか
□施設内の雰囲気は良好か
□バリアフリー対応か
□共用設備は利用しやすいか
□入居率(※)はどうか
※入居率は施設の経営状況を知る手がかりになります。一般的な有料老人ホームの場合、開設から1年以上経過して入居率が大体80%以上あれば問題ないと考えてよいでしょう。
居室 □広さや明るさは適切か□収納スペースや備品は十分か
□ナースコールの有無
□要介護度によって居室を移動する可能性はあるか
□持ち込み可能な家具や日用品について 食事 □味、見た目に満足がいくかどうか
□食事の介助のようすについて
□病状に応じた特別メニュー対応は可能か
□流動食、きざみ食などは可能か
□食事を残している入居者は多くないか 介護 □介護付きかどうか
□介護スタッフの人数は十分か
□夜間や休日の介護体制について 医療ケア □建物内や近隣にクリニックがあるか
□提携する医療機関の立地や診療科目
□提携する医療機関への送迎があるか スタッフのようす □介護スタッフの人数
□夜間や休日に常駐している介護スタッフの人数
□服装や言葉づかいは適切か
□入居者やその家族への対応は適切か
□入居者やその家族がスタッフに相談をしやすい雰囲気か
□離職率(※)はどうか
※スタッフの離職率は重要事項説明書に記載されています。有料老人ホームの場合、年間の離職率は約35%とされており、それ以上高い場合は人員不足で入居者に対するサービスの質低下につながるおそれがあります。
入居者のようす □表情が明るいか□入居者同士が歓談しているか
□趣味のサークルなどの活動状況について その他 □クーリングオフ制度について(有料老人ホームの場合)
□退去要件について
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