初めてでも大丈夫!「不動産売却」のコツ

不動産の売却の流れ(2)

2020年11月9日 更新
不動産の売却の流れ(2)

売却仲介を依頼する会社が決まり、媒介契約を結んだら、いよいよ販売活動のスタートです。買い手を見つけて、不動産を引き渡すまでの手順を追ってみていきましょう。

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Step.2 販売活動

Step.2 販売活動

(5)住まいの片付け・掃除をする

売却活動を始めるにあたり、忘れてはいけないのが片付けや掃除。この先、物件の購入希望者が現れて内覧の対応をするときに、スッキリときれいな室内でお迎えすれば印象がアップし、購入につながりやすくなります。短期間で一気に片付けるのは大変なので、少しずつ不用品を処分するなどして進めていきましょう。

内覧時の印象を左右する掃除のポイントは次のとおりです。

玄関 三和土の掃き掃除と乾拭きをしてホコリを掃除する。靴や傘は出しっぱなしにせずに収納しておく。
リビング・ダイニング 掃き掃除や拭き掃除をしてホコリを取り除く。物があふれていると室内が狭く見えてしまうので、不用品があれば思いきって処分を。
キッチン コンロの油汚れ、シンクの水垢などをしっかりと拭き取っておく。生ゴミの臭いがしないか確認する。
水回り 水回りの手垢や石けんカス、カビなどは目につきやすいので注意。拭き掃除と換気をしっかりと行う。
収納 押し入れやクローゼットの中を見られてもいいように、整理整頓を忘れずに。

また、隣地との境界が不明な物件などは、必要に応じて測量、境界確定といった手続きを行います。これらの手続きは日数を要することもあるため、不動産会社の担当者とよく話し合っておきましょう。

(6)販売活動を行う

売主の希望価格と不動産会社の査定金額を踏まえて、売り出し価格を決定。その後、不動産会社は次のような販売手法によって買い手を探していきます。

・レインズに物件情報を登録する

レインズに登録すると、物件情報が全国の不動産仲介業者に公開されます。不動産仲介業者はレインズで物件情報を調べ、不動産を探している顧客の希望や条件に合う物件を紹介します。

・自社のウェブサイトや店舗で案内をする

不動産会社のウェブサイトで物件情報を取り上げるほか、不動産を探すために店舗を訪れた顧客に対して物件を案内します。

・広告を出す

インターネットの不動産売却ポータルサイトや、新聞の折り込みチラシ、住宅への投函チラシ、フリーペーパーなどに広告を出して、物件情報をアピールします。


売主のほうでは、定期的に担当者から送られる販売活動の報告をチェックしつつ、購入希望者が現れたら内覧の対応をします。 内覧で気に入ってもらえた場合は、相手の不動産会社を通して「買付証明書(購入申込書)」が送られてきます。買付証明書には購入希望価格、物件の引渡し希望日など、相手の購入条件が書かれています。

(7)売買条件を交渉する

購入希望者に対して、雨漏りやシロアリの被害といった建物状態を記した「物件状況等報告書」、照明器具やエアコンなど建物に付帯する設備について記した「付帯設備表」を提示し、価格や諸条件の交渉を開始します。契約日や物件の引渡しのタイミングについても話し合いましょう。

(8)売買契約を結ぶ

購入希望者と価格や条件の折り合いがついたら、売買契約を結びます。

売主と買主が集まり、売買契約書を読み上げて契約内容を確認します。内容に相違がなければ契約書に署名・捺印をして、買主から手付金を受け取ります。

また、このタイミングで仲介手数料の半金を不動産会社に支払います(※契約時に必要なものは下記参照)。

※売買契約時に必要なものは…

・手付金の領収書

・印紙

・実印と印鑑証明書

・本人確認書類(免許証や健康保険証など)

・不動産会社へ支払う仲介手数料(半金)

売買契約書でチェックしたい項目について

・売買物件の表示
登記簿に記載された所在地などが記載されています。表示に誤りがないか確認しましょう。

・売買代金・手付金の金額と支払い日
売買代金や手付金の金額と支払い日を確認します。手付金が解約手付の場合は、いつまで解約できるかについても確認を。

・所有権の移転と引渡し
所有権の移転と引渡しは、決済と同時に行われるのが一般的。その前に引越しを済ませておく必要があるため、スケジュール的に無理がないか確認しましょう。

・付帯設備の引き継ぎ
室内の照明器具やエアコンなどの設備について、どれを引き継いで、どれを撤去するのか明確にします。

・公租公課の精算
固定資産税や都市計画税といった公租公課について、引渡しの日を基準に日割りで精算します。

・手付解除
何らかの事情があって契約を解除する場合の取り決めを確認します。手付の金額は、売買代金の20%までの範囲で設定することが多いようです。

・ローン特約
買主が住宅ローンを組んで物件を購入する場合、ローン審査が通らなかったときに無条件に売買契約を解除できるとするローン特約を盛り込むのが一般的です。

・危険負担
引渡しの前に、天災などで物件が損害を受けた場合の取り決めを確認します。不動産売買では、一般的に売主が物件を修復して買主に引き渡すことが多いようです。

・契約違反による解除
売主または買主のいずれかに契約違反があったときに、相手方が契約を解除することができ、違反した方が違約金を支払うことを確認します。違約金は売買代金の20%までの範囲で設定されることが多いようです。

・契約不適合責任
物件に欠陥(契約不適合)があった場合、買主は売主に対して補修や代金の減額などの責任を負う「契約不適合責任」について、その責任の範囲や期間について確認します。

Step.3 引渡し

Step.3 引渡し

(9)引渡しの準備をする

不動産の売却もラストスパート。物件の引渡しは、買主の住宅ローン実行に合わせて日程が決定します。当日までに、不動産会社に確認しながら以下の準備を済ませておきましょう。

・住宅ローンの抵当権を抹消する

売却物件に住宅ローンの残債がある場合、ローンを全額返済して抵当権を抹消する必要があります。住宅ローンを借りている金融機関に抵当権抹消の依頼をして、手続きを進めましょう。

・所有権の移転登記の準備をする

売主から買主へ所有権を移転するための準備をします。登記申請を委託する司法書士に確認して、必要な書類を揃えましょう。

・引越しをする

売却物件に住んでいる場合、引渡しまでに退去できるよう引越しの準備をします。引越しの繁忙期となる年度末などは引越し業者が混雑し、予約をとりづらくなるため、早めに予約を済ませましょう。ガス・水道・電気などの公共料金の精算などもお忘れなく。

(10)決済・物件の引渡しをする

決済・引渡しは通常、買主がローンを借りる金融機関で行います。まず、買主から残代金を受け取り、買主側の金融機関が住宅ローンを実行。その後は売主と買主が登記申請に必要な書類を司法書士に渡し、登記所で所有権の移転と抵当権の設定登記を行ってもらいます。

公租公課(固定資産税や都市計画税)の精算、不動産会社へ仲介手数料の残りの支払いを済ませ、最後に買主に住まいの鍵を渡したら引渡しの完了です。

引渡し当日に必要なものは…

・手付金の領収書

・印紙

・実印と印鑑証明書

・本人確認書類(免許証や健康保険証など)

・不動産会社へ支払う仲介手数料(半金)

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最終更新日 2024年12月02日