2014年10月26日 更新
円滑な人間関係を築こうとしても、ちょっとした出来事からトラブルが起こってしまうことも。
マンションで起こりやすいトラブルとは、どのようなものがあるのでしょうか。
トラブルの6割以上が「居住者間のマナー」で、その具体的な内容は「違法駐車・違法駐輪」がトップ。次いで「ペット飼育」「生活音」のトラブルが問題となっています。
マイカー離れやエコ意識の向上などから、年々自転車の人気が高まっています。ただしマンションの駐輪場の収納台数には限りがあるため、駐輪場がすし詰め状態になったり、駐輪場に入りきらない自転車が敷地内に放置されたりするケースも見られます。これでは見た目も良くありませんし、居住者の通行のさまたげになるおそれもあります。
マンション独自の自転車シールを配布する 駐輪場利用を登録制にして、利用者にはマンション独自の自転車シールを配布します。こうすると居住者以外の違法駐輪を防ぐことができます。
駐輪場を有料にする 不要になった自転車を駐輪したままにしている居住者は意外と多いもの。そこで自転車を登録制にして「1台につき月額○○円」という利用料を設定すると、不要になった自転車の処分が促されて駐車台数が少なくなります。
収納台数が多いラックを導入する 空いたスペースに自転車を駐めるだけの駐輪場は、乱雑に置かれやすく敷地面積あたりの収納台数が少なくなってしまいます。そこで、狭い敷地でも多くの自転車を駐められる「スライド式ラック」または「2段式ラックを導入して、収納可能な台数を増やします。
レンタサイクルを導入する マンション内でレンタサイクルを導入し、自転車の使用頻度が低い人たちの利用を促すことで駐車台数を少なくします。
上記の対策の中には予算がかかるものもありますが、駐車場問題の解決のために、一度管理組合で検討してみてはいかがでしょうか。
最近の新築マンションはペット飼育可のケースが増えていますが、古いマンションなどではペット禁止という場合がほとんど。ペットを飼育している、あるいは将来的にペットを飼育する予定があれば、はじめからペット飼育可のマンションを選ぶのがベストです。
とはいえペット禁止のマンションに住む人の中には「誰にも迷惑をかけていないから」「皆も飼っているから」などの理由でペットを飼育している人がいるかも知れません。飼い主にとってペットは大切な家族の一員ですから、管理組合が一方的に退去やペットの処分を飼い主に求めるのでは、話がこじれてしまうだけです。
飼い主と話し合う 管理組合の理事から飼い主にマンションがペット禁止であることを伝えた上で、飼い主の状況やほかの居住者の気持ちなどについて冷静に話し合ってみましょう。場合によっては一緒にペットの引き取り手を探す必要があるかも知れません。
限定的に飼育を認める 今飼っているペット一代に限り、飼育を認めるという対策をとるマンションもあります。飼育を認める代わりにペットを写真付きでリストアップして、それ以外のペットは全面的に禁止します。鳴き声やにおいなどで近隣に迷惑をかけないようにするなどのルールも設けましょう。
管理規約を変更する マンション内でペットを飼いたいという声が高まっているのであれば、この機会に管理組合の組合員にアンケートをとってみましょう。ペット飼育に賛成する組合員の割合が全体の4分の3以上であれば、管理規約を変更してペット飼育可にすることができます。ただし組合員の中にはペット嫌いな人やアレルギーの人、ペット禁止のマンションだから購入したという人もいるかも知れませんので、その人たちに迷惑がかからないように。
例え管理規約を変更して「ペット飼育可のマンション」になったとしても、「ペットのことでほかの居住者に迷惑をかけても良いマンション」になった訳ではありません。ペットの飼い主は、自分自身のマナーとモラルが問われていることを自覚するようにしましょう。
マンションの構造上、近隣の音が気になるのはある程度は仕方ないこと。けれども音の感じ方には個人差がありますから、音を出している方は大したことがないと思っていても、聞いている方は騒がしくて我慢できないということがあります。近隣の音が必要以上に大きい場合は管理組合に相談しましょう。管理組合も相談を鵜呑みにせず、騒音計(音の大きさを測る測定器。地方自治体で貸し出しを行っているところもあります)を使うなどして音の原因とその大きさを客観的に判断します。
管理組合から口頭または文書で注意 騒音問題を当事者間で解決しようとすると、感情的になってかえってうまくいかない場合があります。そのため騒音の注意をするのは、管理組合を通すのがベター。管理組合なら客観的な立場で、ほかの居住者が物音で生活がさまたげられていることを伝えられます。また、注意を促す文書を作成して掲示板などで告知する方法も。
技術的に解決する 足音が気になるなら床にじゅうたんやカーペットを敷く、フローリングを遮音性の高い「LL-45」性能以上のものにするなどの方法が。壁や窓から騒音が伝わる場合は、カーテンを閉める、二重サッシにする、壁側に本棚やタンスといった家具を配置して音が伝わりにくい状態にしましょう。また、テレビやステレオなど音の出るものは壁から離して配置します。
音に関するルールづくり 管理組合で音を出していい時間帯とそうでない時間帯をルール化しておくと、音に対して客観的な判断を下しやすくなります。例えば夜9時以降は楽器演奏をしない、深夜や早朝の洗濯機や掃除機の使用は控えるといったルールを制定して、使用細則に盛り込んでおきましょう。
実際のマンション暮らしでは、個々のライフスタイルの違いなどもあり、多かれ少なかれ音をめぐる不満はあるものです。せめて深夜や早朝に音を出す可能性がある人や小さい子どもがいる世帯は、ほかの居住者と廊下ですれ違った時などに「いつもすみません」などと声かけをするなどして配慮を怠らないようにしましょう。近隣の音が気になる人も、「ある程度の音はお互い様」と考えましょう。
玄関ドアのまわりだからといって、共用廊下に自転車などの私物を置く人もいますが、通行や災害時の避難のさまたげになります。また、見た目もよくありません。
決められた時間外に出す、分別をしていないなど、ゴミ出しのルール違反は厳禁。特に引っ越し直後はその地域別のルールに慣れていないこともあるので注意が必要です。
近隣に家庭菜園の落ち葉や虫が飛んだり、タバコの煙が流れたりしてトラブルになることがあります。避難用の仕切り板付近に私物を置くのも止めましょう。
居住者同士のコミュニケーションをはかるためにも、できれば積極的に参加しましょう。管理組合の理事を頼まれた時も、断固拒否するのではなく前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。
お総菜などのおすそわけをする方は「良いことをした」と思っていても、された方が困ってしまうことも。個人の衛生に関する考え方の違いもありますので、よほど親しくない限りはおすそわけは避けた方が無難です。
トラブルの当事者同士の間に管理組合を挟むことで、客観的かつ冷静に話し合いの機会が得られます。
例え気になることがあっても、お互いに顔見知りだと感じ方が変わってきます。日頃から挨拶などのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
マンションのような集合住宅にはいろいろな人が生活しています。他人への気遣いは大事ですが、「多少のことは気にしない」のもマナーと言えます。
マンションの資産価値を維持しながら、安心・快適な暮らしを送るポイントはいかがでしたでしょうか。マンションの構造やライフスタイルが異なる居住者たちが生活している都合上、配慮すべきマナーはありますが、お互いに協力し合ってマンションの資産価値の維持や防災に取り組めるというメリットは素晴らしいものです。マンションならではの利便性とご近所の輪を大切にしながら、心地良いマンションライフを楽しみましょう!
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