満足・納得のいく土地を見つけたい! 注文住宅の「土地選び」のポイント

Step.2 土地の特性を物件情報でチェックする

2024年9月12日 更新
Step.2 土地の特性を物件情報でチェックする

土地選びの情報源となる、インターネットや店頭掲示の売地広告。その物件情報をチェックする際に、どのような点に注意すればよいのでしょうか。物件情報の正しい見方を知り、理想の土地を選び抜きましょう。

物件情報はここをチェック!

物件情報の見方が分かれば、土地選びがスムーズに

ここでは、広告に掲載されている物件情報の見本に沿って、各項目のポイントを押さえていきます。

基本情報・物件の特徴/設備

その土地の基本的なデータや特徴を把握する

基本情報・物件の特徴/設備 イメージ

売り土地の物件情報で、真っ先に目につくのがこちらの「基本情報」と「物件の特徴/設備」です。

基本情報では、希望する予算やエリア、広さに合うかどうかを確認します。所在地は地番を省略して、町名までの表示となっている場合もあります。周辺の土地の相場価格と照らし合わせて、価格と広さのバランスが適切かどうかもチェックしましょう。

物件の特徴/設備では、その土地の特徴や設備などを確認します。物件によっては、水道・ガス・電気などの設備が整備されておらず、これらのライフラインを確保するために工事が必要になることも。

物件概要

土地の規制など、重要な情報を見逃さないようにしたい

物件概要 イメージ

「物件概要」には、土地の規制に関する情報などが表示されています。規制の内容によっては、建てられる家のサイズや形状などが変わってくるため、しっかりと目を通しておきましょう。

①セットバック

幅4m未満の道路に面する土地に家を建てるなら、道路と土地の境界線を後退させるセットバックを行います。セットバックが必要な場合はその面積が、セットバックが済んだ場合は「セットバック済」のように表示されます。
※「接道義務・セットバック」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「土地と道路にかかわる規制」で解説しています。

②私道負担

私道負担がある場合は、その面積が表示されます。私道部分の面積は建ぺい率や容積率を計算するときの土地面積には含まれません。

③用途地域

市街化区域にある土地は、13の用途地域に分けられています。用途地域によって、建てられる建物の種類や大きさが制限されます。
※「用途地域」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「家づくりの土地の規制」で解説しています。

④建ぺい率

建ぺい率とは、建物を建てる土地面積に対する、建築面積(建物を真上から見たときの輪郭面積)の割合のこと。建ぺい率・容積率によって、建物の大きさが制限されます。
※「建ぺい率・容積率」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「建物の大きさの規制」で解説しています。

⑤容積率

容積率とは、建物を建てる土地面積に対する、延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合のこと。建ぺい率・容積率によって、建物の大きさが制限されます。
※「建ぺい率・容積率」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「建物の大きさの規制」で解説しています。

⑥都市計画

都市計画法で定められた都市計画区域の「市街化区域」または「市街化調整区域」などが表示されます。
市街化調整区域では原則として建物が建てられません。
※「都市計画」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「家づくりの土地の規制」で解説しています。

⑦国土法届出

一定面積以上の土地取引を行った場合などに、その土地が属する市町村役場に届出を行うことが国土利用計画法で定められています。

⑧建築条件

「建築条件無し」なら好きな建築業者を選んで家を建てられますが、「建築条件付き」の場合は指定された建築業者で家を建てることになります。

⑨地目

地目とは登記上の土地の種類のことで、「宅地」「田」「畑」などがあります。
宅地以外の地目の土地に家を建てた場合、土地の地目を宅地に変更することが不動産登記法で定められています。

⑩現況

その土地に建物が建っていれば「古家あり」、なければ「更地」と表示されます。
古家があっても、解体して更地の状態で引き渡しをする場合は、その旨が表示されます。

⑪引き渡し可能年月

土地の権利が移転される時期が表示されます。

⑫土地権利

「所有権」または「借地権」のいずれかが表示されます。
所有権は、その土地を保有する権利のことで、住んだり、賃貸や売却に出したり自由に利用することができます。
借地権は、その土地の所有者に地代を払って土地を利用する権利のことで、「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」に分類されます。

⑬接道義務

家を建てる土地は、幅4m以上の道路に間口が2m以上接していなければならないとする接道義務があります。
接道義務を満たしていない土地は、原則として建物が建てられません。
※「接道義務・セットバック」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「土地と道路にかかわる規制」で解説しています。

⑭取引態様

取引態様とは、この物件情報を出している不動産会社の立場を示すもので、不動産会社が物件の売主の立場なら「売主」、売主から仲介を依頼されている立場なら「媒介(仲介)」、売主から売却の代理人を依頼されている立場なら「代理」と表示されます。

最も多い取引態様は「媒介(仲介)」で、このうち複数の不動産会社が一斉に売却活動を行う場合は「一般媒介(一般)」、特定の1社だけが売却活動を行う場合は「専任媒介(専任)」と表示されることもあります。

⑮備考・制限等

上記以外の法令上の制限がある場合や、その他特記事項がある場合に表示されます。「防火地域・準防火地域」に家を建てる場合は、一定の耐火建築物・準耐火建築物にすることが義務づけられています。
※「防火地域・準防火地域」については別コラム「土地を購入する前にしておきたい法令上の制限について」の「家づくりの土地の規制」で解説しています。

条件に合う土地が見つからないときは?

候補地のエリアを広げたり、土地の形状や権利の条件を緩めてみる

複数の物件情報を見ても、希望条件に合う土地が見つからない…。そんなときは、候補地のエリアを少し広げて探してみましょう。
土地の価格は最寄り駅を前後の1駅に変えたり、駅からバスを使ったりすることで大きく変わるため、範囲が広くなった分、予算内で土地が見つかる可能性も高まります。

狭小地や変形地を検討する

エリアの範囲を変えずに予算内で土地を見つけたいなら、一般的な広さの四角い土地だけではなく、面積が狭い「狭小地」や、多角形地や旗竿地などの「変形地」を候補に加えるのも一考です。
狭小地や変形地は土地の有効活用が難しいのですが、その分価格が安いメリットがあります。また、間取りの工夫次第で魅力的な家に仕上がるケースも多いので、施工会社に相談してみましょう。
※「狭小地・変形地」については別コラム「狭小地・変形地に家を建てる」で解説しています。

借地にも目を向けてみる

土地権利が「借地権」になっている土地(借地)の場合、土地を購入しなくてもよいので、その分安く家を建てることができます。
借地権にはいくつかの形態があり、現在の借地の多くは50年以上の期限付きで土地を借りられる「一般定期借地権」を利用するものです。期限が満了になったら更地にして所有者に返還することになりますが、そこに永住する予定がなければ、検討する価値があるでしょう。

思わぬ追加工事やトラブルの種に注意!

購入後に慌てないよう、事前に確認しておこう

土地の状態によっては、そこに家を建てて生活するために追加の工事が必要になる可能性があります。

追加工事が必要になる土地の例

  • ・上下水道や都市ガスが未整備→引き込み工事が必要
  • ・道路や隣地との高低差がある→擁壁工事が必要
  • ・古家がある→解体工事が必要
  • ・不要な樹木がある→伐採が必要
  • ・調査で地盤が弱いと判断された→地盤土地改良工事が必要

このように、そのままだと家を建てられないか、建てても生活ができない土地では追加工事を行わなくてはなりません。
予定外の出費に慌てることがないよう、購入前に追加工事の有無を確認し、工事が必要な場合は工事費用がどれくらいか見積もっておきましょう。

まとめると…まとめると…

複数の物件情報を比べて活用する。購入後の家づくりや新生活もイメージしよう

物件情報は、インターネットなどで気軽に閲覧できて、複数の土地の比較・検討に役立つ便利な情報源です。その土地にどんな家が建てられるのか、どんな環境で生活できるのかをイメージしながら、気に入った物件を見つけていきましょう。

新着コラム

最終更新日 2024年10月30日