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初めてでも失敗しない住宅ローン

  • はじめに~住宅ローンとは~
  • 無理のない資金プランを立てよう
  • 住宅ローンを比較すればおトク!
  • ローンの負担を減らす黄金ルール
  • 頭金が足りない!そんな時は?
  • 返済途中にローンを見直すことも大切
  • ローンの諸費用と必要書類

2013年8月2日 更新

住宅ローンを比較すればおトク!

住宅ローンは大きく分けて3種類

現在、住宅ローンはいろいろな金融機関が取り扱っており、その種類も多彩。金利や借入れの条件、サービス、利便性など、それぞれに違いがあるためどれを選ぼうか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

取り扱い金融機関によって、住宅ローンは「民間ローン」「民間+公的ローン」「公的ローン」の3つに大別されます。

●民間ローン

銀行、信用金庫、保険会社など民間の金融機関やノンバンクが取り扱う住宅ローンです。金利は変動型から固定期間選択型、全期間固定型といった多彩なタイプがあり、返済プランもさまざま。ローン審査の基準も独自に設定しているため、幅広い選択肢の中から自分に合った商品を選べるメリットがあります。また多くの金融機関で、手数料の一部が無料になったり、期間限定で金利が優遇されたりする独自のサービスやキャンペーンを実施しています。

●民間+公的ローン

代表例は、国が運営している住宅金融支援機構の「フラット35」。これは民間金融機関の住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取って証券化した住宅ローンです。
取り扱う金融機関によって金利や手数料は異なりますが、金利タイプが全期間固定型で、返済は最長35年。ローンを借りる時の保証料が不要で、繰上返済手数料が無料という利点もあります。さらに省エネ性など一定の条件を満たせば、当初5~10年間の金利を0.3%引き下げる「フラット35S」が、長期優良住宅に認定された住宅なら償還期間の上限を50年とする「フラット50」が利用可能になります。

●公的ローン

勤務先で財政貯蓄を1年以上続け、貯蓄残高50万円以上の会社員が対象の「財形住宅融資」というローンがあります。財形貯蓄残高の10倍、所要資金の90%までの借上げが可能で、最高額は4,000万円。ほかの金融機関に比べると低額に感じるかもしれませんが、勤務先が金利の一部や全部を負担してくれるケースもあります。金利は5年固定型で、当初5年の金利が民間ローンよりも比較的低い場合が多いようです。

住宅ローンを選ぶポイントは?

年収や家族構成、将来の人生プランによっても異なりますが、住宅ローンを選ぶ際は以下の点に注目すると良いでしょう。

その1 金利はいくら?
住宅ローンは大きなお金のやりとりになるため、金利が0.1%違うだけで返済額に差が出てしまいます。低金利の方がお得ですが、目先の数字にとらわれず、長い目で見ることも大切。後述する金利タイプ(変動型・固定期間選択型・全期間固定型)にも注目を。
その2 返済方式は?
住宅ローンの返済方式には「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」の2種類があります。後ほど詳しく説明をしますが、どちらの返済方式を選ぶかによって、毎月の返済額や、トータルの返済額が変わってきます。
その3 どんなサービスがある?
住宅ローンを選ぶ上で、意外と見過ごしがちなのがサービス面。月々の返済だけでなく、団体信用生命保険や手数料など、各種費用の内容を見比べます。繰上返済の予定があるなら、手数料がどれくらいになるかもチェックしましょう。
その4 審査に通りそう?
希望どおりの住宅ローンがあったとしても、ローン審査をクリアしなければ借入れることはできません。万一、審査に通らない可能性も考えて、複数の住宅ローンを候補に挙げておくことをおすすめします。
住宅ローン比較、一括審査申込み
住宅ローン比較・一括審査申込み実際に住宅ローンを組む際には、複数の金融機関から各プランをしっかり比較検討して選びましょう。

金利タイプをチェックしましょう

金融機関からお金を借りる時に、必ず発生する「金利」。住宅ローンの金利タイプは「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

●変動型
半年毎に金利が見直される
今のところ(※)、金利が最も低いとされるタイプです。変動型はその名のとおり、金利情勢の変化に伴い、金利が変動します。通常、金利は年に2回、返済額は5年に1回見直しが行われます。今後もしも金利が上昇すれば、返済額が増えるかもしれません。そのためどちらかといえば家計に余裕があり、金利の変動に応じて機敏に対応できる人、短期間で繰上返済が可能な人などにおすすめです。
メリット
今のところ(※)、ほかのタイプより金利が低い。
金利が低いと返済額も減る。
デメリット
将来、金利が上昇すれば返済額が増えるおそれも。
返済額がハッキリしないため生活プランが立てにくい。
●固定期間選択型
固定期間終了後に金利が変わる
3年、5年、10年など一定期間の金利を固定し、固定期間終了後はその時の金利を見ながら、金利を再び固定するか変動型に変えるか選択します。固定期間選択型の金利は、変動型よりは高く、全期間固定期間型よりは低くなっています。現在の低金利を活用しつつ金利情勢の変化に対応したい人、数年後に収入が増える見込みがある人などに向いていると言えます。
メリット
今のところ(※)、全期間固定型よりも金利が低い。
一定期間、固定金利なので安心して返済できる。
デメリット
今のところ(※)、変動型よりも金利が高い。
返済額がハッキリしないため生活プランが立てにくい。
●全期間固定型
金利はずっと固定される
借りた時の金利が、ローン完済までずっと固定されるタイプです。当初から返済額が確定しているため、金利情勢に左右されることなく安心して返済したい人などに向いているでしょう。ほかの金利タイプと比べると金利が高めに設定されていますが、「歴史的な低金利」と言われる昨今では、全期間固定型であっても今までより金利が低くなっているようです。
メリット
金利情勢に左右されない安心感がある。
返済額が確定できるので生活プランが立てやすい。
デメリット
今のところ(※)、ほかのタイプより金利が高い。

(※)2013年6月現在。リーマン・ショック以降、全世界で金利が低下。日本でも長く低金利が続いているが、2013年4月に日銀が大規模金融緩和に踏み切ったことなどから、今後短期間で金利が変動する可能性がある。

金利と変動リスクの関係

左の表から見ても分かるように、ローンの安定性と金利は比例します。全期間固定型は金利変動リスクが低く安定性がある一方で、金利変動リスクが高いものの低金利の変動型も魅力的と言えそうです。ここは個々の考え方や家計にもよるので「これがおすすめ」と断定はできませんが、今の金利情勢からお得度の高いタイプを分析してみましょう。

ご存じのとおり、現在は「歴史的な低金利」と言われる時代です。バブル時代の変動金利は8%台になったことを考えると、固定金利であっても2~3%前後をキープしている現在が、いかに金利が低いかお分かりになると思います。

事実、この低金利のチャンスを生かして、全期間固定型を選ぶ人が増えています。全期間固定型の場合、借りた時に金利が決まってしまうため、低金利の今ローンを組むと、将来的に景気が回復して金利が上昇しても低金利のまま返済できるメリットがあります。あなたもぜひ、このチャンスを逃さずに全期間固定型を選んではいかがでしょうか。

返済方式をチェックしましょう

ローンの返済方式は2種類から選ぶことができます。一つは、当初の返済額を抑えて、毎月決まった金額を返す「元利均等返済方式」。もう一つは、当初に多く返済しておき、徐々に返済額が軽くなる「元金均等返済方式」です。トータルの返済額は後者の方が安くなりますが、将来の生活プランや家計も考慮しながら選択すると良いでしょう。なお、元金均等返済方式は取り扱い金融機関が少なくなっていますが、「フラット35」ではどちらの返済方式も選択可能です。

●元利均等返済方式
元利均等返済方式
一般的に広く利用されている返済方式です。毎月返済する元金と利息(金利)の合計額が一定のため、返済開始から終了まで家賃のように決まった額を返済していきます。返済当初は毎月返済額に占める利息の割合が多く、その後は徐々に元金の割合が増えていきます。
メリット
毎月決まった額を返済するため生活プランが立てやすい。
返済当初は元金均等返済方式より返済額が少ない。
取り扱い金融機関が多い。
デメリット
元金均等返済方式より総返済額が高めになる。
●元金均等返済方式
元金均等返済方式
毎月一定額の元金と、ローン残高に応じた利息の合計額を返済していく方式です。利息を先に払うため返済当初は元金均等返済方式よりも毎月の返済額は高くなりますが、その後は利息が減っていくため返済額も徐々に軽くなっていき、総返済額が少なくなります。
メリット
元利均等返済方式より総返済額が少ない。
返済額が年々減少するため将来の家計負担が軽い。
デメリット
元利均等返済方式より返済当初の返済額が多い。
取り扱い金融機関が少ない。
元利均等返済と元金均等返済の比較
年目 元利均等返済方式 元金均等返済方式
毎月の返済額 毎月の返済額
元金 利息 返済額 元金 利息 返済額
1年目 51,481円 75,000円 126,481円 83,333円 75,000円 158,333円
5年目 59,653円 66,828円 126,481円 83,333円 62,708円 146,041円
10年目 69,294円 57,187円 126,481円 83,333円 50,208円 133,541円
15年目 80,493円 45,988円 126,481円 83,333円 37,708円 121,041円
20年目 93,501円 32,980円 126,481円 83,333円 25,208円 108,541円
20年目 108,613円 17,868円 126,481円 83,333円 12,708円 96,041円
総返済額 45,533,001円
(内、利息分は15,533,001円)
43,537,380円
(内、利息分は13,537,380円)

※借入れ金3,000万円、全期間固定金利3.0%、ボーナス返済なし、30年返済の場合。諸費用は含まず

ボーナス返済と注意点

住宅ローン返済の基本は、毎月1回コツコツと返済する「毎月返済」。これに加えて、ボーナス支給時に割り増しして返済できる「ボーナス返済」を行うこともできます。ボーナス時にいつもより多くのお金を返せば、毎月の返済額を減らせるという訳です。ボーナス返済の割合は金融機関により異なりますが、例えば住宅金融支援機構の「フラット35」なら、借入れ額の40%以下であればボーナス返済が可能です。

ボーナスで一気にお金を返済できるボーナス返済は魅力的ですが、会社によってはボーナス支給額が予想しにくいことがあるかも知れません。会社の業績や本人の実績などでボーナス支給額の変動が激しい会社にお勤めの場合は、毎月返済だけでローンを組む方が無難でしょう。逆に、ボーナス支給額が比較的安定している会社にお勤めであればボーナス返済の併用も検討してみる価値がありそうです。

これ以外にボーナスを活用する返済方法としては、ボーナスによる繰上返済があります。

「併用ローン」や「ミックス返済」で利便性を高めよう

住宅を購入するため、お金を借入れるローンは1本だけとは限りません。さまざまな住宅ローンの中から、自分の家計や生活プランに応じたものを複数選ぶことも可能です。

複数のローンを組み合わせることを「併用ローン」と言い、民間+公的ローンの「フラット35」を申込み先と同じ金融機関で、金利タイプの異なるローンを併用する「フラット35パッケージ」や、公的ローンの「財形住宅融資」と「フラット35」を併用するパターンなどがあります。

住宅ローン

金利プランの異なるローンを併用すれば、金利情勢の変化に伴うリスクを分散できるメリットあります。また、自分たちに合った返済プランを立てやすくなるケースもあるでしょう。その反面、デメリットとして手続きの手間や手数料などが余計に発生してしまいます。

最近では、同一のローン内で複数の金利タイプを組み合わせて返済する「ミックス返済」が可能な金融機関もあります。それぞれのローンのメリット、デメリットを比較しながら、自分に合った返済プランを叶える住宅ローンを選びましょう。

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最終更新日 2024年10月30日