2018年2月7日 更新
毎日の食事をつくるキッチンは、設備の選び方によって、調理や掃除にかかる手間や時間が大きく変わってきます。
家族の食生活や家事の作業効率などを考えながら、我が家に合った設備を選びましょう。
オール電化住宅の人気の高まりなどで、急速に普及が進むIHクッキングヒーター。IHとは「電磁誘導加熱」を意味するInduction Heatingの略で、火を使わずに電気を利用した磁力線によって鍋底を加熱する調理器具です。
熱効率が高く、プレート上にあるスイッチを指でタッチするだけで、とろ火から強火まで10段階程度の調節ができます。
- 火を使わない
調理中に衣服に火が燃えうつる「着衣着火」や、消し忘れなどのリスクがありません。
- 掃除の手間が省ける
凹凸のないフラットな形状なのでお手入れがラク。吹きこぼれてもサッと拭けばOKです。
- 安全機能が充実
鍋を外すと自動的に通電OFFになる機能や、切り忘れ防止機能などを備えた商品も。
- 鍋の素材によっては使用NG
ステンレスや鉄製の鍋は使用できますが、土鍋やアルミ鍋などは使えません(※オールメタル対応IHクッキングヒーターなら、金属鍋全般に使用できます。)また、底が丸い中華鍋は熱効率が悪くなるため不向きです。
- 火事にならない訳ではありません
IHクッキングヒーターの調理中、目を離した隙に過熱した調理油から発火するなどして火災につながったケースがあります。
ガスの炎で加熱するガスコンロは、火力にすぐれており、炎を見ながら火力を調節できるのが魅力。以前は火を使わないIHクッキングヒーターのほうが安全という意見もありましたが、最近のガスコンロは安全性が向上し、立ち消え・消し忘れ消化機能や調理油過熱防止機能などを備えています。
また、フラットな形状のプレート、軽量なゴトクなどお手入れがラクな商品も登場しています。
- 火加減が目で見て分かる
炎が見えるので、とろ火から強火まで炎を見ながら火力調整ができます。
- 調理方法の幅が広い
火から少し離して加熱する、フライパンを振って炒める、煮物を揺すりまわすといった調理が可能になります。
- 使用する鍋を選ばない
IHクッキングヒーターでは使えない土鍋や耐熱ガラス、アルミ鍋などもOKです。
- 火の燃え移りなどのリスク
安全性が向上しているとはいえ、炎を使っているためコンロ使用中に衣類が炎に接触して燃えうつる「着衣着火」などのリスクはゼロではありません。
- お手入れが面倒
お手入れの度に、鍋を載せるゴトクを外して洗う必要があります。
IHクッキングヒーター | ガスコンロ | |
---|---|---|
オール電化 | ○オール電化ならIHが必須 | ×オール電化ならIHが必須 |
火力 | ○スイッチを押して調整できる | ○炎を見て感覚的に調整できる |
調理法 | △鍋を振る、揺するなどの調理ができない | ○鍋を振る、揺するなどの調理ができる |
掃除 | ○フラットな形状で掃除がラク | △ゴトクのお手入れが面倒 |
安全 | ○安全機能が充実、炎を使わない | ○安全機能が充実 |
使用する鍋 | △土鍋など、使えない素材の鍋も | ○土鍋、アルミ鍋なども使える |
庫内に食器を入れてスイッチを押すだけで、食器洗い~乾燥をしてくれる食洗器(食器洗い乾燥機)。家事の手間がラクになり、手洗いより使用水量が少なく済むため、時間とお財布の節約になると人気のキッチン設備です。
卓上型もありますが、新築物件ではキッチンのフロアキャビネットに組み込むビルトインタイプが主流です。幅は45㎝または60㎝で、腰をかがめずに出し入れできるスライドオープン式と、大容量のフロントオープン式の2種類があります。
- 節水効果が高い
手洗いより使用水量が少なく、毎月の水道料金の節約に。専用の洗剤代と電気代を足しても手洗いより割安です。
- 手荒れ対策に
水仕事の頻度が格段に少なくなるため、「冬場の手荒れが改善した」という声も。
洗浄時の運転音が気になる人も多いようです。メーカーや機種により差があるため、購入時にショールームでチェックしましょう。
「生ゴミ粉砕機」とも呼ばれるディスポーザーは、排水口に生ゴミを水とともに流し入れてスイッチを押すと瞬時に細かく粉砕。そのままシンク下の処理槽内で分解・浄化し、下水道に流す仕組みです。分譲マンションに導入されることが多い設備ですが、一戸建てでも設置可能です。
- シンクがすっきり&衛生的
生ゴミが出ないのでシンクの三角コーナーが不要に。悪臭や小バエの発生も抑えられます。
- ゴミ出しの手間が省ける
ゴミの量が減るため、ゴミ出しの負担が軽くなります。
- 粉砕できないゴミもある
貝のカラや大きな魚の骨、タマネギの皮などはディスポーザーで粉砕できません。
ディスポーザー以外にも、家庭で生ゴミを手軽に処理できる「生ゴミ処理機」の普及も進んでいます。生ゴミを加熱・乾燥させてカサを減らす「乾燥式」と、微生物の力で分解する「バイオ式」の2種類があり、屋内または屋外に設置します。
生ゴミ処理機は、家電量販店やホームセンターで購入できます。自治体によっては、生ゴミ処理機の購入に助成金が出る場合もあるので、事前に問い合わせてみましょう。
水栓のセンサーに手をかざすだけで、吐水・止水ができるタッチレス水栓。調理中の濡れた手や汚れた手で水栓をひねる必要がないので衛生的です。また、手がふさがっていてもこまめに止水できるため、節水にも効果的。
ろ過材(活性炭など)を内蔵し、水道水の塩素やサビなどを取り除く機器です。後付けも可能ですが、新築時にシンク下に機器を設置するビルトインタイプのほうがシンク・水栓まわりがスッキリ見えます。
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