各国の代表的な料理(2)~ヨーロッパ・中東・アフリカ
世界の国々では、どんな料理を食べているのでしょうか。ここではヨーロッパ、中東、アフリカの地域から、各国の代表的な料理や食文化を紹介します。
ヨーロッパ
ロシア(ロシア連邦)
ユーラシア大陸の東西に広がるロシアでは、寒い気候に合わせて野菜の塩漬けや酢漬けなどの保存食、温かなスープや煮込み料理などが多くみられます。また広大な国土に200を超える民族が暮らす他民族国家とあって、ウクライナが発祥のボルシチ、中国の水餃子がモンゴルを経て伝わったペリメニなど、さまざまな民族や周辺諸国の影響を受けた料理が親しまれています。
代表的な料理
ボルシチ
ロシアの家庭料理は具だくさんのスープとライ麦から作った黒いパンが基本。ロシアの代表的なスープであるボルシチは、ビーツや玉ねぎ、牛肉などを煮込んだもの。
ピロシキ
小麦粉で作ったパン生地に肉や魚、野菜、キノコなどを包んで焼いたり、揚げたりしたミートパイ。
スウェーデン(スウェーデン王国)
スカンディナビア半島の東側に位置し、北は北極圏まで達するスウェーデン。バルト海や北海でとれるサーモンやニシンなどの魚介が豊富で、これらを酢漬けや塩漬けにして保存し、寒い冬に備えます。また、北欧の国々では、数十種類の料理を大きなテーブルに並べ、各自が好きなものをとって食べる「スメルゴスブード」という食事形式があり、これが日本に伝わってバイキングとなりました。
代表的な料理
ジャガイモのグラタン
スウェーデンはジャガイモを使った料理が多く、アンチョビを入れたポテトグラタンは家庭料理の定番。
ザリガニ料理
8月半ばに川や湖でとれるザリガニは、北欧の短い夏を彩る人気の食材。丸ごと茹でて、香りづけのディルを添えて食べます。
スペイン(スペイン王国)
世界一のオリーブオイルの生産量を誇るスペインは、オリーブオイルをたっぷり使った豚や羊の肉料理が特徴。地方色も豊かで、北部のバスク地方などではフランス料理の影響が濃く、地中海に面した東部は新鮮な魚介や野菜などの食材の宝庫。大西洋側のガリシア地方では欧米では珍しく、タコを使った料理がみられます。
代表的な料理
パエリア
東部のバレンシア地方の料理で、鶏やウサギの肉、地中海でとれたエビやムール貝、野菜などを、米と香りづけのサフランと一緒に炒めて炊いたもの。
ガスパチョ
熟したトマトやパプリカ、きゅうりなどの生野菜で作る冷製スープ。南部のアンダルシア地方の名物料理。
フランス(フランス共和国)
フランスはヨーロッパ有数の農業国で、酪農や畜産業も盛ん。世界的に有名なワインの産地も数多くあり、海側の南部は魚介類の水揚げも豊富です。これらの山の幸や海の幸を使ったフランス料理は、世界三大料理の一つに数えられています。
代表的な料理
ブイヤベース
魚介をニンニクや玉ねぎなどと一緒に煮込んだスープのブイヤベースは、南部のプロヴァンス地方の料理。
ガレット
北西部のブルターニュ地方の料理の一つ。そば粉の生地をクレープ状に薄く焼いて、卵やハムなどを包んだもの。
中東
トルコ(トルコ共和国)
アジアとヨーロッパにまたがるトルコの料理は、フランス料理、中国料理と並ぶ世界三大料理の一つ。中央アジアの遊牧民がもたらした羊や牛などの肉類やヨーグルトなどの乳製品、地中海でとれるオリーブオイルやトマトを使うなど、東西の食材や調理法が豊かに調和した食文化が特徴です。
代表的な料理
ケバブ
ケバブは羊肉を焼いた料理。カットした羊肉を串刺しにして焼いたものはシシ・ケバブ、羊肉を棒に巻き付けて回転させながら焼き上げる料理はドネル・ケバブと呼ばれます。
ピラウ
日本でもお馴染みの米料理、ピラフの語源となったものがトルコの「ピラウ」。アンチョビ入りや、トマト入りのものなど種類が豊富で、野菜料理の付け合わせにして食べます。
レバノン(レバノン共和国)
アラビア半島のつけ根に位置するレバノンは人口の約4割がキリスト教徒、約6割がイスラム教徒。料理も地中海沿岸の国々にみられるオリーブやトマトをふんだんに使い、香辛料で風味づけをするなど、ヨーロッパとイスラムの世界が融合した独自の発展を遂げています。また、レモンや白ゴマを多用するのも特徴で、人口1人あたりのレモンの消費量が世界一といわれています。
代表的な料理
ファラフェル
ひよこ豆やソラマメをすりつぶして香辛料と一緒に丸め、油で揚げたコロッケ。
フムス
茹でてすりつぶしたひよこ豆に白ゴマやオリーブオイルを混ぜてペースト状にしたもの。レバノンをはじめ中東の広い地域で親しまれています。
アフリカ
エジプト(エジプト・アラブ共和国)
エジプトの人口の9割はイスラム教徒であることから、豚肉は見かけず、羊肉を使った料理が多いのが特徴。イスラム教徒はエビやイカを避けることが多いのですが、地域によっては食べることもあります。また、歴史的に関わりの深いローマやギリシャの影響を受けた料理もみられます。
代表的な料理
モロヘイヤのスープ
モロヘイヤはエジプト原産の野菜。モロヘイヤとニンニクを炒めてチキンのだしを加えたスープはエジプトの定番料理。
ターメイヤ
そら豆をすりつぶして丸め、油でこんがりと揚げたエジプト風コロッケ。エイシと呼ばれる平べったいパンにつけて食べます。
モロッコ(モロッコ王国)
アフリカの北西部にあり、西は大西洋に、北は地中海に接するモロッコ。香辛料をふだんに使うイスラムの食文化に加え、地中海をはさんだ対岸にあるイタリアやスペインなどヨーロッパの国々からもたらされたトマトやオリーブオイルを使った地中海料理もみられます。
代表的な料理
クスクス
数ミリ程度の粒状のパスタ、クスクスは、北アフリカの代表的な料理。蒸したクスクスに煮込んだ羊肉や豆などをかけて食べます。
タジン
三角帽子のような独特の形をした土鍋(タジン鍋)を使って、肉や野菜を蒸し焼きにしたもの。
タンザニア
アフリカ東部に位置するタンザニアの主食は、トウモロコシの粉を水で練って団子状にしたウガリ。また米をココナッツオイルで炊いたワリなども食べます。イスラム教徒が多いことから豚肉は一般的ではありませんが、牛やヤギなどの肉料理のほか、インド洋の海沿いやビクトリア湖の近くでは魚介の料理もみられます。
代表的な料理
ムシカキ
東アフリカでよく見られる肉の串焼き料理。日本の焼き鳥と似ており、屋台などで焼き立てを食べます。
バナナ料理
日本でお馴染みのデザートバナナではなく、プランテンと呼ばれる調理用バナナをスープや粥、煮込み料理、バナナ酒などにします。
南アフリカ(南アフリカ共和国)
アフリカ最南端の国、南アフリカではトウモロコシなどの穀類、ブドウや柑橘などの果物の生産が盛ん。牧畜も行われており、チーズやバターなどの乳製品をよく食べます。植民地時代の名残やインド系、マレー系の移民の影響を受けた料理もあり、多彩な食文化が息づいています。
代表的な料理
ボボティー
ひき肉や香味野菜をグラタンのように焼き上げたミートローフ。東南アジアの影響を受けており、たっぷりの香辛料を使って味付けをします。
プイキー
南アフリカの家庭料理の定番。プイキーと呼ばれる鉄鍋を使って肉や野菜を長時間煮込みます。
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最終更新日 2024年10月30日
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