緑の芝生が美しい庭や広々としたベランダはとても魅力的ですが、実は庭やベランダは、ライフスタイルによっては不要になるばかりか、手間のかかる厄介なものになってしまう可能性もあることをご存じでしょうか?
最近では、あえて庭やベランダのない住宅も増えています。庭やベランダを取り入れるメリットや、デメリットなどを見比べてみましょう。
2014年04月22日 更新
- 「庭やベランダがあって良かった!」という人と、「つくらなければ良かった……」と後悔している人の違いは、「事前に庭やベランダで何がしたいか明確な希望があったかどうか」です。例えば、洗濯物を干したい、ガーデニングがしたい……といった希望があるなら、その希望に見合った広さの庭やベランダを取り入れると良いでしょう。
- ところが、「やりたいことは特にない」あるいは「いろいろなことをやりたいから、とにかく広い庭(またはベランダ)を!」という場合は要注意。折角のスペースを持てあますばかりか、お手入れやメンテナンスのわずらわしさにまいってしまう可能性もあります。
- 庭を子どもの遊び場にするといっても、近くに大きな公園があるかも知れません。また、最近は共働きの夫婦が増え、日中不在でベランダがあってもほとんど使わずに、衣類乾燥機のお世話になりっぱなしということもあります。このように、メリット・デメリット次第では、思い切って「庭(またはベランダ)をつくらない」という選択肢も有りなのです。
「庭付き一戸建て」という言葉があるように、戸建ての魅力とも言える庭。子どもが気軽に外遊びできるようにと庭を希望する人もいます。
庭でこんなことができる!
- 隣家との距離をとる
- 我が家と隣の住宅が近すぎると、生活音や料理のにおいが気になることも。庭があれば、ほどよい距離感になってお互いに気持ち良く過ごせるかも知れません。とは言え将来、庭木が生長して越境などの問題が起きないかイメージしておきましょう。
- 洗濯物/布団を干す
- 2階のベランダに干すという方法もありますが、1階に洗濯機がある場合、洗濯物を抱えて2階まで上がるのは面倒なもの。庭で干すことができるなら快適です。
- ガーデニング
- 庭があれば、ちょっとしたスペースに植物を植えたり、本格的なガーデニングに挑戦したりすることも可能。自分がつくった庭を眺めながら、リビングでひと休み……というのも素敵ですね。
- 家庭菜園
- ガーデニングが庭の美しさを重視するのに対し、家庭菜園は、野菜など食品の栽培が中心です。家庭菜園に必要な種苗や用具はホームセンターなどで入手できますから、子どもと一緒に野菜作りをして食への興味・関心を育てる「食育」を実践してはいかがでしょうか。
- 子どもの遊び場
- 子どもが小さい家庭なら、芝生のスペースや砂場をつくって楽しい遊び場に。交通量の多い道路などで遊ぶより、親の目の届く庭で元気いっぱいに遊べば、親も子も安心です。
- 子どもの遊び場として庭を活用する場合、子どもが成長したら、庭をどのようするか考えておきましょう。
- 家族のレクリエーションの場に
- ご近所への騒音やにおいの問題がなければ、庭でBBQや家庭用プールを楽しむなど、レクリエーションの場として活用しましょう。庭に外部コンセントや手足を洗う水場を備えておくと役に立ちます。
庭の注意点と対策
- 芝生はメンテナスが大変!
- 緑の芝生が生えそろった庭は、見た目は美しいのですがお手入れが一苦労。特に夏場は、1週間に1度は柴刈りをしないとアッと言う間に芝生が伸びきってしまいます。手入れにあまり時間をかけられない人は、人工芝や砂利・レンガを敷くなどの方法を検討しましょう。
- 草むしりは必須
- 次から次へと生えてくる雑草。伸ばしっぱなしにしていると、見た目が悪いばかりか、虫の発生の原因になってしまいます。対策としては、あらかじめ庭に防草シートを敷き、その上から砂利やレンガを敷き詰めて土を露出させないようにします。
- 虫の発生
- 庭があると、どうしても蚊などの虫が集まりやすくなります。ある程度の発生には目をつむるしかありませんが、庭の草むらや水たまりを放置しないなどの対策をとって、虫の発生を少しでも抑えましょう。
- ご近所の目
- 庭で家庭用プールや日向ぼっこを楽しみたくても、いざやってみるとご近所の目が気になって……ということはよくあるものです。ご近所の目は、住んでみないと分からないことも多いのですが、思いきって庭に目隠しのあるウッドデッキを設置したり、2階に広めのバルコニーをつくったりして、そこでプールや日向ぼっこをしても良いかも知れません。
- 日照の問題
- 都心などでは、近隣の建物によって十分な日照が得られず、ガーデニングや家庭菜園の植物が育たないということもあります。土地選びの段階で、庭になりそうな場所の日当たりをイメージするようにしてください。
- 侵入犯罪の可能性
- 庭木が外部からの目隠しになって、空き巣などが身を潜める隠れ場所になることもあります。高すぎる庭木や植栽を避けたり、防犯センサーを取り付けたりして防犯性を高めましょう。
- 庭の手入れが苦にならない
- 虫は苦手ではないか、ある程度なら我慢できる
- 草むしりや虫などの不便も楽しめる余裕がある
- 庭を見て癒されたい
- ガーデニングや家庭菜園など、庭でやりたいことが明確にある
- ※上記に3つ以上当てはまる場合は、庭を取り入れるのに向いている人と言えるでしょう。
建物から外に張り出したスペースで、屋根付きのものを「ベランダ」と言います。ちなみに屋根がない場合は「バルコニー」となりますが、現在の日本では、両者を厳密に区別しないことも多いようです。
ベランダでこんなことができる!
- 洗濯物/布団を干す
- ベランダの使い道として最もポピュラーなものが、洗濯物や布団の干し場所です。最近は浴室乾燥機など室内干しの設備も増えつつありますが、「やっぱり洗濯物を干すなら太陽光で!」という人も多いはず。屋根のあるベランダは、突然雨が降っても安心です。
- 室内の目隠し効果
- 掃き出し窓のカーテンを開けると、外から室内が丸見え……ということにならないように、柵のあるベランダで目隠しをする方法です。
- ベランダガーデニングやプチ家庭菜園
- 庭で行う本格的なガーデニングや家庭菜園まではいかなくても、ベランダで手軽に植物や野菜を育てることもできます。ベランダの日当たりや雨がかりなどに問題がないかチェックした上で始めましょう。
- 家庭用プールやひなたぼっこ
- ベランダの広さにもよりますが、家庭用プールやひなたぼっこを楽しむこともできます。住まいの向きや隣近所の窓の具合によっては、庭よりも人目が気にならず、プライバシーが守られる場合もあります。
ベランダの注意点と対策
- 洗濯物を干す機会がない
- 洗濯物の干し場所としてベランダを設置したのに、日当たりがイマイチで使いづらい、共働きで日中不在なので洗濯物は室内干しばかり……など、本来の目的どおりに使えないこともあります。マイホームの計画段階で、自分の希望とライフスタイルが一致しているかどうかを検討しましょう。
- メンテナンスの必要性
- 屋根付きとは言え、室外にあるベランダは木部や鉄部の腐食が比較的進みやすい傾向にあります。またベランダの防水処理も、設置後10年ほどで改めて処理を行わなくてはなりません。住まいの経年劣化は避けようがないことですから、室内と同様にベランダもリフォーム費用を蓄えておきましょう。
- 排水溝の詰まり
- ベランダガーデニングやプチ家庭菜園を行っていると、土や落ち葉が排水溝に流れ込んで、目が詰まりやすくなります。普段から風や雨水によって運ばれた土、落ち葉、埃などが排水溝に溜まりがちで、どうしても詰まりやすい部分ではありますが、ラバーカップやブラシなどを使って、こまめに掃除をしてください。
- 室内干しよりも、日中にベランダで洗濯物を干したい
- ベランダの排水溝などの掃除が苦にならない
- 防水処理などのリフォームが負担にならない
- ベランダでの物干しやプチ家庭菜園など、やりたいことが明確にある
- ※上記に3つ以上当てはまる場合は、ベランダを設置するのに向いている人と言えるでしょう。
- 設備選びで迷いやすいポイントの比較は、いかがでしたでしょうか。家づくりは選択の連続のため悩んでしまうことも多いのですが、理想のマイホームのためには焦りは禁物。じっくりメリット・デメリットを比較してください。
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