季節外れの衣類や、普段は使わない家具、ちょっとした思い出の品など、収納したい物はいろいろ。だからと言って、むやみに収納スペースを広げると生活スペースが狭くなってしまいます。自分と家族にとって、ちょうど良い収納とはどのようなものなのでしょうか?
2014年04月22日 更新
- ただ物を詰め込むだけの収納は、不要品を増やしてしまうだけ。結果的に、物が溢れかえって部屋がいつまでも片付かない、なんてことになりかねません。
- 収納で失敗しないためには...
- 1.収納は適切な場所に
- その部屋で使用する物は、原則として、その部屋にある収納に片付けるようにします。物を出し入れするために部屋を移動していると、片付けるのがわずらわしくなり、物が散らかってしまう原因になります。
- 2.適切な量のスペースを確保する
- 収納スペースは、ただ広ければ良いと言うものではありません。今ある荷物の量を見極めて、それらがしっかり収納できるスペースを確保しましょう。
- 3.片付けやすい工夫も必要
- 収納スペースの位置や高さ、奥行きは物を出し入れしやすい状態になっているか、扉は開けやすいか……など、ストレスなく片付けられることも大切です。
- 4.収納スペース内の見通しは良好に
- 収納している物が一目で分かれば、不要品に気付きやすくなります。隙間にギュウギュウに押し込むのは避けて、ある程度中身が見えやすい程度に収納してください。
住まいの主な収納方法は次のとおりです。それぞれの特徴や注意点などを比較して、自分と家族にピッタリの収納を選びましょう!
クローゼット
- 特徴・・・・
- クローゼットは本来、戸棚、物置といった収納スペースの総称。日本では、洋間にある主に衣類を収納するための空間をクローゼットと呼ぶ場合が多いようです。クローゼットにはハンガーがかけられるようにポールが設置されており、畳むとシワになりやすい衣類も、ハンガーにかけた状態で収納OK。ハンガースペースの上部の空間は雑貨などを収納します。
- 収納品・・・
- 衣類、雑貨、季節用品など
- 注意点・・・
- クローゼットは主に衣類を収納するのが目的であるため、奥行きは50~60cm程度で、布団など大型の物を収納する押し入れと比べると収納量が少なめ。
- 洋間に合う収納スペースが欲しい
- 衣類を一目でチェックしたい
- タンスをいくつも揃えるのが面倒
- 限られたスペースで、たくさんの衣類を収納したい
ウォークインクローゼット
- 特徴・・・・
- その名のとおり、人が収納スペースの中に入って物を出し入れできるウォークインクローゼット。主に衣類を収納するクローゼットと比べて、より広い空間で衣類以外の小物、アクセサリー雑貨などを一箇所でまとめて収納できます。ウォークインクローゼット内に全身鏡を置き、そこで着替えるようにするとコーディネートチェックが楽。
- 収納品・・・
- 衣類、小物、雑貨、季節用品、布団、スーツケースなど
- 注意点・・・
- 人が中に入って歩くスペースが必要であるため、面積あたりの収納量はクローゼットより少なくなります。ウォークインクローゼットの中は湿気がこもりやすく、結露やカビの原因にもなるので、断熱性に注意したり、換気窓を設置したりしましょう。
- ファッションアイテムをまとめて整理したい
- 大きな物を収納して、室内をスッキリ見せたい
シューズインクローク
- 特徴・・・・
- 玄関の土間の一角にあり、靴を履いたままで出入りが可能な収納スペースがシューズインクローク。玄関先に溜まりがちな靴の収納先を広く確保できるほか、子どものいる家庭ならバギー、子ども用自転車、野球やサッカーといったスポーツ用品などを幅広く収納することができます。
- 収納品・・・
- 靴、バギーなどの外出アイテム、子どもの外遊び道具、スポーツ用品、アウトドア用品など
- 注意点・・・
- 玄関ドアを開けた時にシューズインクロークの内部が丸わかりでは見た目が良くありません。お客様の動線から見えない角度に出入り口を設けるか、ロールカーテンで目隠しをするなどの配慮を。
- 大量の靴をスッキリ収納したい
- 子どもの外遊び道具をまとめて片付けたい
- 汚れがちなスポーツ用品などの置き場所を確保したい
パントリー
- 特徴・・・・
- キッチン収納と言えば吊り戸棚やカウンター下の収納などがポピュラーですが、これらの収納スペースに、食品のストックや普段使わない食器などがあると家事のジャマになることもしばしば。そこで、キッチンの片隅やキッチンの隣に、食品などをストックしておくパントリーがあれば便利です。
- 収納品・・・
- 食品(レトルト食品、漬物、乾物、災害時の保存食など)、普段使わない食器、買い置きの調味料など
- 注意点・・・
- パントリーに収納しっぱなしの食品の消費期限が切れてしまったり、買い置きの商品がダブったりしないように、棚は浅く、見通しを優先して。缶詰など小さなストックを見失わないように引き出しやカゴも利用しましょう。
- 調味料や災害時の保存食などの買い置きをしている
- 子どもがいて、食品のストックが必要
- 季節ものの食器や、普段使わない調理器具などがある
屋根裏収納
- 特徴・・・・
- 屋根裏の空間を活かした収納スペース。建築基準法により、屋根裏がある下階の8分の1の面積であること、天井高1.4m以内であることなどの制約はありますが、上手く活用すれば、デッドスペースが便利な収納スペースに早変わりします。
- 収納品・・・
- 布団、季節用品など
- 注意点・・・
- 屋根裏収納へ昇り降りするための手段は、建築基準法により、折りたたみ式または取り外し可能なハシゴ以外は認められていません。これらのハシゴはどうしても急勾配で足元が不安定のため、重くて大きい物の収納には不向きで、また高齢になると昇り降りがわずらわしく感じることも。さらに夏場の屋根裏は高温になるので換気と断熱に気を配りましょう。
- 布団やビニールプールなど、比較的軽くてかさばる物を収納したい
- ハシゴの上り下りが苦にならない
- デッドスペースを少しでも活用したい
床下収納
- 特徴・・・・
- 床下収納はキッチンにあるケースが目立ちますが、最近では収納スペースを増やすために、キッチン以外の部屋にも設置することがあります。1階の床だけではなく2階の床にも設置可能ですが、2階の床下収納は、1階ほど収納部分を深くつくることはできません。
- 収納品・・・
- <キッチンの場合>普段使わない調理器具や漬物、梅酒などの保存食
<寝室の場合>布団、雑貨など
<子ども部屋>思い出の記念品、アルバムなど
- 注意点・・・
- 床下収納は、どうしても開く回数が少ないため湿気がこもりやすく、カビなどが繁殖することも。湿気対策は万全に行いましょう。また、腰をかがめて物を出し入れしますから、重い物の収納は避けた方が良いでしょう。
- 腰をかがめる姿勢などが苦にならない
- デッドスペースを少しでも活用したい
ロフト
- 特徴・・・・
- ロフトとは、部屋の一部を二層に分けた上部スペースのこと。建築基準法では天井高1.4m以下で、部屋の床面積の2分の1以下であることなどが定められています。室内にあって、取り外し可能なハシゴで気軽に出入りできるロフトは、収納スペースのほかに子どもの遊び場や寝室として利用されるケースもあるようです。
- 収納品・・・
- 布団、季節用品など
- 注意点・・・
- ロフトがある部屋は天井が高くなるため、開放感はありますが空調の効きが弱くなる傾向があります。また、昇り降りするハシゴが急勾配のため、重くて大きい物の収納は避けて、昇り降り時は足元に注意してください。子ども部屋に設置されることの多いロフトですが、子どもが小さいうちは転落などの事故につながらないように、転落防止策やネットの取り付けを検討しましょう。
- 布団やビニールプールなど、比較的軽くてかさばる物を収納したい
- ハシゴの上り下りが苦にならない
- デッドスペースを少しでも活用したい
- 室内に秘密基地のような収納スペースをつくりたい
納戸
- 特徴・・・・
- 納戸とは、簡単に言うと「物置部屋」です。住まいの中にある収納スペースでは最も広く、収納量もトップクラス。タンスなどの家具、段飾りのひな人形などの大きな物の収納も可能で、急な来客があった時も、納戸があればとりあえず見られたくない物だけ短時間で手早く移動させることもできます。
- 収納品・・・
- 大型家具、ひな人形、スーツケース、ゴルフバッグなど
- 注意点・・・
- とりあえず何でも物を詰め込んでしまうと、室内に物が溢れてどこに何があるか分からない……ということになりかねません。棚やラック・シェルフ、衣裳ケースなどを活用して整理整頓を心がけましょう。納戸の中が暗いと、物の出し入れや掃除がしにくいので、明るい照明を付けるのも忘れずに。
- 普段使わない家具など、大きい物を収納したい
- ジャンルレスで収納したい物がある
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