2015年7月10日 更新
家族の団らんがあり、ゆったりと寝食をして疲れを癒す「家庭」が今、ストレスを解消する場として見直されつつあります。
内閣府が発表した国民生活白書(平成19年版)によると、家庭の持つ意味について家族団らんや休息・安らぎといった精神的な安定を求める人が多く、家族との会話時間が多い人ほど、安らぎを感じていることが分かります。
家庭の持つ意味
内閣府「国民生活白書」平成19年版より
家族の会話頻度と精神的安らぎの関係
内閣府「国民生活白書」平成19年版より
ストレスが溜まりがちな現代社会において、家庭でのんびり過ごす時間や、家族とのコミュニケーションがちょうど良い気分転換やモチベーションのアップにつながるという人は少なくありません。
けれども最近は核家族化や仕事の複雑化、個々の生活習慣の違いなどから家族で過ごす時間が減っているというデータもあります。
1日のうち家族全員が揃う時間
内閣府「国民生活白書」平成19年版より、象印マホービン株式会社「家族揃っての行動に関する調査」から作成
この調査によると、平日に家族全員が揃う1日あたりの時間が「なし」または「0~2時間」と回答した人の割合は、1985年には42.1%から2005年には49.2%に増加しており、休日も1985年には18.4%から2005年には31.0%と増加しています。
家族がなるべく一緒に過ごす時間を増やしたり、限られた時間でも家族とコミュニケーションをとるには、以下の方法を参考にしてみましょう。
リビングを家族の暮らしの中心に
家族とのコミュニケーションを増やすには、1人ひとりが自室に閉じこもるのではなく、リビングなど共有の空間で過ごす工夫が必要。小さいお子さんがいる家庭ならお子さんの勉強机をリビングに移動したり、リビングの一角に家族の趣味や作業のスペースを確保したりして、リビングで過ごしやすい空間づくりを目指しましょう。
一般的に、夕食後は気分もリラックスしていて、家族とのコミュニケーションをとりやすい時間です。この時間に家族がリビングに集まれるように、お茶や音楽を楽しむ習慣をつくってはいかがでしょうか。
家族1人ひとりに役割をつくる 家族で家事を分担することで、1人ひとりに家族の一員である意識や、役割を果たすモチベーションが芽生えます。家事の話題を通じて家族と会話やコミュニケーションが弾むようになります。
家族で楽しむ趣味をつくる ペットを飼ったり、料理、ガーデニング、スポーツなど、家族全員で楽しめる趣味をつくりましょう。家族全員で過ごす時間が増え、自然に会話やコミュニケーションがうながされます。
普段何気なく暮らしている住まいにも、快適に過ごすためのポイントがあります。あなたの住まいは快適な状態に保たれているでしょうか?
温度と湿度
一般的に私たちが快適と感じる室内の温度は、夏であれば26℃前後、冬であれば18℃前後。湿度は、季節に関係なく50~60%に保つのが良いでしょう。
また、冬場に室内の温度を快適に保っていても、廊下やトイレ、脱衣洗面所などとの温度差が激しいと移動時にストレスを感じたり、場合によってはヒートショック(※)を起こしたりすることもあります。ヒートショックを避けるには、エアコンの効いた室内とそうでない場所の温度差は3~5℃を目安にしてください。
照明の色 照明は、その色合いによって室内の雰囲気を変えるだけでなく、私たちの脳にも影響を及ぼして気持ちを左右する作用があります。
照明の色を大きく分けると、白熱ランプのように赤みのある「暖色系」と、蛍光ランプのように青白い「寒色系」の2種類があります。暖色系の照明は脳のリラックス効果を高めて気分を落ち着かせる作用があるため、リビングや寝室、浴室などリラックスしたい場所におすすめです。一方、寒色系の照明は脳を活性化させて集中力や記憶力を高める効果があります。そのため勉強部屋などには寒色系の照明が適していると言えます。最近のLED照明は光の色を調節できるものもあるので、気分や用途に応じて暖色系と寒色系を切り換えてみるのも良いですね。
照明の位置 明るい照明の光が頻繁に目に飛び込んでくると落ち着かないため、くつろぎのベッドやソファの真上には照明が来ないようなレイアウトにしましょう。リビングや寝室には、メインの照明だけをまぶしく照らすのではなく、ダウンライトやブラケットを使うなど光を複数に分散させると、室内が落ち着いた雰囲気になります。
動線 室内を移動する時に、家具などが通路をふさいで遠回りになったり足元が危険な状態になったりしていませんか? 頻繁に通る場所は移動しやすいように家具などの配置に気を配りましょう。特に家事で利用する機会の多いキッチン、脱衣洗面室、浴室などの水回りはできるだけスムーズで安全に移動できるようにして、家事の負担やストレスを軽くしましょう。
インテリア インテリアは好みのものを選ぶのが一番ですが、カーテンやじゅうたんなど広いスペースを占めるものは、色合いに気をつかいましょう。例えば、脳に興奮作用をもたらす赤色や黄色は、騒々しい雰囲気になりやすいのでリビングや寝室には不向き。できれば淡いブルーやグリーン、ベージュ、グレーなどの色がおすすめです。濃い色合いのインテリアはワンポイントとして使用する分には問題ありませんが、多用すると息苦しさを感じやすくなります。そのためベースカラーは淡い色やパステルカラーでまとめ、濃い色はアクセント程度にして室内の印象を引き締めましょう。
植物 植物を飾ると空気の清浄効果や癒し効果が得られるだけでなく、水やりなどのお世話も日々の楽しい習慣になります。植物を飾る場合、室内の暑さ・寒さ、日照、置き場所、手入れの頻度などによって適した植物の選び方が異なるため、専門店で相談することをおすすめします。
日本でも愛好家の多い「風水」は、大地の気の流れを読んで住まいの環境を整え、幸運を招く生活術。本場の中国では都市計画に利用される「地理風水」、死者を埋葬する場所を探す「隠宅風水」、住まいの運気を判断する「陽宅風水」の3つがありますが、日本で一般的に取り上げられるのは「陽宅風水」で、間取りやインテリアを工夫することで落ち着いた暮らしや開運を目指します。
風水では、乱雑な場所や暗い場所には悪い気が溜まりやすいと考えます。そのため住まいはこまめに整理整頓をして、すっきりと清潔に保つことが重要。玄関やリビングなど人通りのある場所に窓がなく(または少なく)暗い場合は、日中でも灯りをつけて運気を呼び込みましょう。
玄関 玄関は気が出入りする重要な場所のため、靴や傘が出しっぱなしで乱雑になっていると運気を下げる原因に。使わない靴や傘は棚に収納し、チリやホコリは払っておきましょう。出かける時に玄関前で身だしなみをチェックするために鏡を置いている人も多いのですが、玄関から入った真正面に鏡があると、家の中に入ってくる気を鏡がはね返してしまうため、正面を避けて配置します。
リビング 家族が集まるリビングは、十分に良い気を取り込みたいもの。そこでソファやテーブルなどの大型家具を、気が流れ込むドアの真正面に配置するのは避けてください。また、室内に柱などの出っ張りがあると、気の流れがぶつかって緊張やストレスを溜めてしまいやすくなるので、出っ張りの前にコーナーボックスや観葉植物を置いて気の流れを和らげると良いでしょう。
水回り
トイレや浴室などの水回りはジメジメして悪い気が溜まりやすいため、窓を開けて気の抜け道を確保しましょう。窓がない場合は、常に換気扇を回すように心がけます。浴槽にお湯を張ったままですと悪い気が滞り、カビや湯垢の原因にもなるので、入浴後はできればお湯を抜いておくのがベター。床に水気や汚れがこびりついているのもNGです。
トイレや浴室は、きちんと掃除していれば悪い運気を水で流してしまう効果があります。そのためこまめに掃除をして、悪運を取り除きましょう。
キッチン きれいで清潔なキッチンは気持ちよいものですが、風水ではキッチンの整理整頓が行き届いていると、家の人の金運や健康運がアップするとしています。特に悪い気が溜まりやすいシンク回りは清潔に保ち、汚れた食器はすぐに洗ってきちんと乾かしましょう。生ゴミも悪運を招く原因になるので、蓋付きのゴミ箱にしまって処理します。包丁などの刃物は健康運を断ち切ってしまうので、使ったらすぐにしまってください。
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