2015年7月10日 更新
ストレス社会とも言われる現代では、生活をしている限り、ある程度のストレスは避けられません。けれども体のコンディションを整えたり、生活習慣を見直したりすることでストレスに強くなることができます。
私たちの体の中でストレスと大きく関わっているのが、自律神経という神経です。自律神経は体温、呼吸、血液の流れ、食べ物の消化などをコントロールしており、交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。交感神経は活動している時に、副交感神経はリラックスしている時にそれぞれ働きが優位になり、これらの2つの神経が交互に切り替わりながら生命を維持しているのですが、過度のストレスや不規則な生活、睡眠不足などによって副交感神経の働きが鈍くなると、常に交感神経が優位になってピリピリとした緊張状態となり、疲れがとれにくくなったり、ストレスをより強く感じたりするようになります。
交感神経 | 副交感神経 | |
心拍 | 速くする | 遅くする |
血圧 | 上げる | 下げる |
呼吸 | 速くする | 遅くする |
消化 | 抑える | うながす |
排泄 | 抑える | うながす |
社会が複雑化した現代では、仕事のプレッシャーや人間関係の難しさなどから交感神経が優位になりやすく、副交感神経との切り替えがうまくいかないケースもあります。副交感神経はリラックスしている時に優位に働くため、以下の方法を参考にしてリラックスしましょう。副交感神経が優位になると体と心がときほぐれて疲れが癒されるだけでなく、ストレスも感じにくくなります。
心地よい睡眠は、疲れた脳と体を休ませてリラックスさせる効果があります。必要な睡眠時間は人によってまちまちですが、目覚めた時にスッキリと爽快な気分であれば十分な睡眠がとれたと考えてOK。徹夜や夜更かし、休日の朝寝坊など不規則な睡眠は副交感神経の働きを鈍らせてストレスを悪化させる原因となるので、早寝早起きを心がけましょう。 |
寝る直前に飲食をすると、食べ物を消化しようと胃腸が働くため、体が眠りに集中できません。せめて飲食は眠りにつく2時間前までに済ませましょう。
明るい画面を見ることで脳が興奮状態になり、なかなか寝付けなくなります。
湯船に浸かることで体温が上昇し、眠りにつきやすくなります。シャワーだけだと体の芯まで温まりにくいため、なるべく湯船に浸かるほうがベター。
寝室の照明が明るすぎたり、外の騒音がうるさいと眠りが浅くなります。布団や枕の柔らかさ、寝間着の肌ざわりなどもチェックして、自分に合ったものを選びましょう。
食べ過ぎ・空腹はイライラやストレスの元。食事は1日3回、規則正しくとるようにします。仕事などが忙しいと外食やコンビニ食に頼りがちになりますが、なるべく自宅で栄養バランスのとれた手料理をとりたいもの。食事をとることで体に栄養が行きわたるだけでなく、脳も活性化して疲れやストレスを感じにくくなります。 |
よくかんで食べる 食べ物をかんだ時に分泌される唾液には、副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があります。
ビタミンCを積極的にとる ストレスを感じるとビタミンCが消費されてしまうので、食事で積極的に補いましょう。ビタミンCはピーマンやパセリなど野菜全般に含まれているので、サラダを1品追加するとよいでしょう。また、ビタミンB群やビタミンE、ミネラルもしっかりとりましょう。
朝食をとる 朝食抜きで1日の活動を開始しても、体温が上がらないため集中力が低下し、疲れやストレス、眠気を感じやすくなります。
脂っこい料理は控えめに 脂っこい料理は消化に時間がかかって胃腸の負担となるので、その分脳に栄養が行きわたらず、疲れやストレスの引き金になります。
体を動かすことで全身の筋肉がほぐれ、脳がスッキリします。また、血流がうながされて代謝がアップするので疲れやストレスが溜まりにくい体になります。 |
激しいスポーツでなくてOK 運動習慣がない人が、体力をすり減らすような激しいスポーツをするとかえってストレスが溜まりやすくなります。ストレッチやウォーキングなど気軽にできる運動を選びましょう。
週2回、1回30分以上を心がける 毎日運動しなくてもいいので、週2回、1回30分以上体を動かしましょう。決して無理をしないことが長く続けるコツです。
歩く習慣をつける 時間に余裕がある朝は、出勤時に1駅分歩いてみる、エレベーターではなく階段を利用するなど、日常のちょっとした場面で歩く習慣をつけましょう。
寝る前に軽いストレッチを 布団の上で10分程度の軽いストレッチを行い、1日の疲れをリフレッシュ。体が適度に温まり、心地よい眠りを誘います。
ストレスを解消するには、体と心をリラックスさせる必要があります。ここでは一般的なリラックス方法を紹介しますが、運動嫌いの人が無理に体を動かすとストレスを感じてしまうように、苦手なことを実践する必要はありません。日頃から自分の体と心を見つめ、自分に合ったリラックス方法を探しましょう。
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