2015年7月10日 更新
それでは実際に、ストレスを感じた時にはどのように対処すればよいのでしょうか。ストレスを乗り切るための具体的な方法を紹介します。
ストレスの対象となる物事に直面した時は、できれば一度ストレスの現場から離れてみましょう。例えば、トイレに行く、窓の外を眺める、あるいはちょっと近所を散歩してみるのもおすすめです。ストレスの対象から離れることで、必要以上に気分が高ぶったり落ち込んだりするのを避けることができます。 次に、ストレス状態にある自分の体と心を落ち着けます。ストレスを受けると呼吸は早く浅くなりやすいので、目を閉じて大きく深呼吸してください。この時、すぐに深く息を吸い込むのではなく、一度息を大きく吐いてから呼吸をすれば上手に深呼吸ができます。体と心がしっかりクールダウンすれば、落ち着いて状況を判断できるでしょう。
なんとなくやる気が出ない、心が不安定、人付き合いがわずらわしい…などのストレスを抱えている人は、脳内にある神経伝達物質という物質の働きが弱まっているのかも知れません。
私たちの脳には、現在確認されているだけで50種類以上の神経伝達物質があります。この神経伝達物質は特定の体の機能を働かせるために、脳内の細胞間で情報のやりとりを行っているのですが、なんらかの原因で神経伝達物質の働きが弱まるとストレスを引き起こすことがあります。
ドーパミンは物事に夢中になったり、目的を達成したりした時に大量に分泌される神経伝達物質です。ドーパミンの働きが強いと意欲や集中力が高まる一方で、食欲が抑制されるためダイエットにも効果があるとされています。
趣味にうちこむ 時間を忘れて、自分の趣味や好きなことに没頭してみましょう。ドーパミンが大量に分泌されて、さまざまなことにチャレンジするきっかけになります。
好きな音楽を聴く ドーパミンは好きな音楽を聴くだけでも分泌されます。ストレスが溜まりそうな時のために、お気に入りの音楽をスマホなどにダウンロードしてはいかがでしょうか。
いつもと違うことをする 生活がワンパターンになるとドーパミンの分泌が低下すると言われています。通勤・通学時にいつもと違うルートを通ったり、初めてのお店に入ってみるなど、いつもと違うことを試してみましょう。
セロトニンは体と心のバランスをとる働きのある神経伝達物質で、セロトニンが活性化すると、ストレスを感じにくくなるだけでなく、ストレスによって受けたダメージから回復しやすくなる効果があるとされています。なお、セロトニンが不足するとうつ病を発症しやすいということも明らかになっています。
朝日を浴びる セロトニンは2500ルクス以上の光を浴びると活性化すると言われています。一般的な室内用の蛍光灯は300~600ルクス程度ですが、太陽光は雨天や曇天でも5000ルクス以上あるとされていますから、起きたらカーテンを開けて朝日を浴びましょう。目覚めがスッキリとして気分も爽快になり、さらにセロトニンの分泌がうながされます。
リズミカルな運動 ジョギングやサイクリングなど、リズミカルな動きの繰り返しがセロトニンの分泌を高めます。運動をする時間がない人は、階段を昇り降りするだけでもOK。
よくかんで食べる 上の「リズミカルな運動」と同様、食べ物の咀嚼もリズミカルな動きでセロトニンを活性化させます。忙しいからといって食べ物を水分で胃に流し込んだりせずに、よくかんで食べる習慣をつけましょう。
オキシトシンは出産時の陣痛や乳の分泌をうながすなど女性の出産・育児にかかわる神経伝達物質ですが、最近では性別にかかわらず、人付き合い全般に関与する物質ということが分かってきました。
オキシトシンが分泌されると人を信頼したり愛情を感じたりするようになり、夫婦や家族、友人間の結びつきを深めて安らぎを得やすいと言われています。
家族や親しい友人と一緒に過ごす なにか特別なイベントがなくても、一緒に会話をするだけでも構いません。親しい人とのつながりを感じることでオキシトシンの分泌が増えます。
スキンシップ 手と手、体と体の触れ合いがオキシトシンをうながします。手をつなぐ、マッサージを行う(マッサージを受ける)など、触れ合ってみましょう。
ペットをなでる オキシトシンが分泌されるのは人間同士の結びつきだけではありません。大好きなペットの体をなでたりグルーミングをしたりすればオキシトシンが分泌されて癒し効果が高まります。
ストレス解消によいと思って実践していても、効果がないどころか、ストレスをかえって悪化させてしまうものもあるので注意しましょう。
暴飲暴食 食べることがストレス解消になる人は多いのですが、無理なドカ食いやヤケ酒は一時的なストレス解消にしかならないので要注意。ストレスで弱っている時は脳のストッパーがゆるんでいるため、ドカ食いやヤケ酒の快楽を求めてどんどん脳がエスカレートし、食欲がとまらなくなってしまうおそれがあります。
衝動買い 衝動的に必要のないものまで買ってしまうようなストレス解消法は、その時は気分が晴れても、後になって買ったことを後悔したり落ち込んだりしてしまいやすいもの。衝動買いが癖になると依存症に発展するおそれもあるので、ストレスが溜まっているからと言って不必要な買い物は避けましょう。
夜更かし・朝寝坊 気分転換のためにDVDや読書などをする時でも、睡眠時間を削って夜遅くまで没頭するのは厳禁です。睡眠をたっぷりとりたいからといって朝寝坊するのも避けましょう。早寝早起きの規則正しい睡眠習慣を身につけてください。
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