危険・迷惑運転 事故を起こさないために
運転中のさまざまな場面で「ヒヤリ」「ハット」を感じた経験がある人も多いのでは?いたましい交通事故の当事者とならないために、気を付けたいことをまとめました。
このページの見どころ!!
事故を引き起こす主な原因
交通ルール違反が招く事故
警察庁の発表によると、2019年に発生した交通事故は38万1,237件。このうち、原付以上運転者で最も過失が重かった人の交通違反別の交通事故件の割合をみると、「安全不確認(31.9%)」が最も多く、「脇見運転(14.8%)」、「動静不注視(10.6%)」と続きました。
・原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別・交通事故件数(2019年)
安全不確認 | 31.9% |
---|---|
脇見運転 | 14.8% |
動静不注視 | 10.6% |
漫然運転 | 8.5% |
運転操作不適 | 6.4% |
交差点安全進行 | 6.3% |
一時不停止 | 4.2% |
信号無視 | 3.3% |
その他 | 14.0% |
(警察庁「令和元年中の交通事故の発生状況」をもとに作成)
安全不確認
前方や後方、左右の安全確認が不十分で、相手の車や歩行者を見落としたり、発見が遅れたりして事故につながるものです。交差点の左折時に、右側の歩行者に気を取られて、見えにくい左後方からのバイクや自転車などを巻き込んでしまう事故などが該当します。
脇見運転
「ながら運転」とも言われ、運転中にスマートフォンやカーナビを操作したり、車内で探し物をしたりして周囲の確認がおろそかになる状態です。脇見運転(ながら運転)ではスマホなどに気を取られるあまり、危険の察知が遅れがちになります。
ちょこっとメモ!
「ながらスマホ」の反則金や違反点数が引き上げに
運転中の携帯電話での通話やスマートフォンの操作など、いわゆる「ながらスマホ」が社会問題となっている中、「ながらスマホ」を厳罰化する改正道路交通法が2019年12月より施行されました。 運転中にスマホを使用すると、従来は5万円以下の罰金でしたが、改正法により10万円以下の罰金または6カ月以下の懲役に、また普通車の場合、反則金が6千円から1万8,000円、違反点数が1点から3点に引き上げられています。
動静不注視
運転中に周囲の車や歩行者を確認していたにもかかわらず、危険がないと判断ミスをしてしまう状態です。前方を走行中の車の車線変更に気付かず衝突する事故などがこれに当たります。
漫然運転
ぼんやり考え事をしながら運転している状態です。漫然運転は前方を見て運転しているものの、運転に集中していないため危険を察知しにくくなります。
運転操作不適
ブレーキペダルの踏み間違い、ハンドルの操作ミスといった運転操作ミスを指します。特にブレーキのつもりでアクセルを踏んでしまうブレーキペダルの踏み間違いでは、意図せぬ急発進に慌ててさらにアクセルを踏み込んでしまい、大事故につながるケースも少なくありません。
ちょこっとメモ!
高齢ドライバーに多い「運転操作不適」
国内のドライバーの高齢化により高齢ドライバーの死亡事故も多発しており、特に他の年代と比較して「運転操作不適」によるものが多くみられます。 高齢ドライバーによる死亡事故を防ぐために、政府は衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した「サポカー」限定免許や、免許更新時に一定の違反や事故歴のある人を対象とした実車試験などの創設を目指しています。
ここで取り上げた交通ルール違反について、心当たりのあるドライバーも多いのではないでしょうか。ちょっとした気の緩みや判断ミスが大事故を招くこともあるため、日頃から安全運転を意識して、交通ルールを守りましょう。
大事故につながりやすい「速度超過」
速いほど被害も大きくなる
スピードを出し過ぎると衝突時のダメージが大きくなり、命にかかわる事故につながりやすくなります。 警察庁が発表した危険認知速度(※)別の交通事故件数をみると、2019年に発生した死亡事故(全2,780件)のうち、半数を超える約54.8%(1,454件)が法定・指定速度より40km/h超のスピードでした。
※危険認知速度とは
…事故当事者が相手の車や歩行者などに気付き、危険を認知して急ブレーキや急ハンドルなどの危険回避措置をとる直前のスピードのこと。
衝突事故のほかにも、カーブで曲がり切れずに路外に飛び出す、危険の見落しや発見の遅れにつながるなど危険が増加します。
速度超過を防ぐために
道路標識や表示で指定された指定速度、標識などがない場合は法令で定められた法定速度(一般道が60km/h、高速道路が100km/h)を超えないように走行します。また、雨天時やスクールゾーンの走行中など、状況に応じてスピードを落としましょう。 焦ったり、急いでいたりするとついスピードを出し過ぎてしまいがちです。日頃から時間に余裕を持って行動することも速度超過の防止策です。
夜間のハイビームは良い?悪い?
ロービームは「すれ違い用前照灯」
ヘッドライトには、前方40mまで照射できるロービームと、前方100mまで照射できるハイビームがあります。 法令によるとロービームの正式名称は「すれ違い用前照灯」で、前方車や対向車がある場合はロービームを使用すると規定しています。一方ハイビームの正式名称は「走行用前照灯」といい、こちらはロービームのような使用状況の限定はなく、一般的な走行時に使用するライトと考えられています。
市街地では安易なハイビームに注意!
このように法令はハイビームの走行を基本としていますが、夜でも街灯が多く明るい市街地の場合、ロービームでも十分に視界を照らすことができます。車や人通りが多い中で安易にハイビームを使用すると、強い光源によって周囲の車や歩行者を幻惑させたり、ドライバー間のトラブルにつながったりする場合もあるので注意が必要です。
暗い夜道ではハイビームを活用
都市部の市街地ではロービームで安全に走行できるため、それが当たり前のようになって、郊外や地方の暗い夜道でロービームのまま走行する車もみられます。このような場合、十分な視界が得られず危険が察知できないおそれもあるため、ハイビームに切り替えて活用しましょう。
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最終更新日 2024年10月30日
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