2014年7月8日 更新
都心に比べると求人率の低い田舎ですが、田舎ならではの仕事や、住んでいる地域を選ばない仕事もあります。
いずれも新たに仕事を始めるなら、事前に自治体の各種窓口で相談をするようにしましょう。例えば農業の場合、農地を取得するためには農業委員会の許可を受けるか、自治体の農用地利用集積計画に従って農地の権利を設定・移転する必要があります。また、漁業なら漁をしたい魚の種類や漁法に合った漁業許可を取得しなければなりません。これらの制約については自治体によって対応が異なるので、確認しておくことが大切です。
穀物・野菜・果実などの農産物から花卉(草花)などの園芸作物、牛・豚・鶏などの畜産物まで、農業による生産物は多岐にわたります。
農業の仕事に就くことを「就農」と言います。趣味の家庭菜園などではなく、就農するには
①自営で就農する
②農業法人に就職するこの2つの方法があります。
①の方法は、自分の農地を確保し、自分や家族で独立して農業経営を行います。就農にあたっては農地代や農業機械・設備代などの費用や技術が必要です。
これらの費用や技術を必要としない就農が、②の農業法人に就職する方法です。農業法人とは企業的に農業を営む法人形態で、ほとんどの場合、一般的な企業のように社会保険や福利厚生が整っています。未経験者でも就職可能なので、給料をもらいながら農業の技術を身につけることができます。農業法人で働いたのちに独立して自営で就農する人もいます。
①はもちろんですが、②の方法を選ぶにしても、まったくの未経験から農業を始める人は不安があることでしょう。そこで全国の自治体は、新規就農者に向けて就農相談窓口や体験・研修制度などを用意しています。なかには研修中から助成金が出るケースもありますので、移住先の自治体に問い合わせてみましょう。
問い合わせ先各自治体の就農相談窓口
全国新規就農相談センター http://www.nca.or.jp/Be-farmer/
漁業者(漁師)の仕事と言えば魚を獲ることですが、魚の種類や漁場、漁法もさまざまです。養殖業のように育ててから獲る方法もあります。
漁業の仕事に就くことを「就漁」と言いますが、就漁するには
①自営で就漁する
②漁業を営む水産会社や漁業協同組合に就職するこの2つの方法から選ぶことになります。
①は、独立して自分の船などを持ち、出漁する漁業者です。漁船の費用は年式、トン数、航行区域などにより異なりますが、初期コストを抑えるなら中古船のリースがおすすめ。自治体によっては船の購入費やリース代に補助金が出ることもあります。
②の方法では就職先の水産会社や漁協などで漁業者の技術を学んでいきます。ほとんどの会社や組合は社会保険や福利厚生があり、技術が身についたら将来は独立することもできます。
漁業の盛んな自治体では、新規就漁者のために就漁相談窓口を用意しています。さらに漁業の技術を習得するための制度もあります。海上で働く漁業者の仕事内容は、未経験者には想像しづらいものなので、漁業や漁村生活を知るための数日間の体験ツアーから、本格的に漁業者になりたい人のための数ヶ月~数年にわたる長期研修など、手厚いサポートが受けられます。
問い合わせ先各自治体の就漁相談窓口
全国漁業就業者確保育成センター http://www.ryoushi.jp/
樹林の植栽、伐採、加工などを行い、木材を生産する林業。林業を仕事にするには、全国にある森林組合や民間林業事業体に就職することになります。
現在、林業に従事している人口は約5万人で、林業者の不足が深刻な問題となっています。そのため林業の盛んな自治体では、新規の林業就業者を対象に就業相談窓口を用意しています。ほかにも林野庁のサポートで全国の林業の現場の見学会、就業支援講習などもあり、林業の仕事を体験できる機会が増えています。
問い合わせ先各自治体の林業就業相談窓口
全国林業労働力確保支援センター協議会 http://www.nw-mori.or.jp/
地域で愛されるサービスの提供や、インターネットで世界中につながるビジネスを目指します。都心に店舗やオフィスを構えると高い賃料が発生しますが、田舎なら初期コストを抑えた起業が可能です。
自治体によっては起業支援相談窓口や助成金などの制度を設けて、移住者の起業を支援している場合もあります。地元の商工会などが主催する起業セミナーや地元起業家たちの交流会に足を運んでみるのもおすすめです。
問い合わせ先各自治体の起業支援相談窓口
企業が少ない田舎では、都会に比べると求人率が低く、雇用状況も地域や社会の情勢によって左右されるケースも少なくありません。
けれども地域の活性化のために、移住者を積極的に採用しようとする企業もあります。自分の能力とやる気にマッチする求人企業を見つけましょう。
田舎で就職先を見つけるには、
などの方法があります。
田舎暮らしを早く始めたいと思っている人ほど、「まずは移住してから職探しを」と考えてしまいがちですが、仕事が見つからないと生活が安定しにくく、結果的に田舎で暮らしにくくなってしまうおそれがあります。できれば就職先が決まってから移住をするようにしてください。
問い合わせ先各自治体の起業支援相談窓口
ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.go.jp/
都心での仕事を、田舎でも同じように続けていく働き方です。働く場所を選ばないフリーランスやSOHOワークをしている人が、このタイプに当たります。
仕事の内容そのものは変わらないため、開業にあたり特にノウハウなどがある訳ではありませんが、遠方の取引先の場合、直接会わずにメールや電話だけのやりとりがメインになりますから日頃から密なコミュニケーションを心がける必要があります。
Uターン・Iターン・Jターン希望者を対象にした就職フェアでは、地方の企業が一同に説明会を実施しています。田舎で就職を考えているなら、移住候補地の就職事情を知るチャンスです。農業、漁業、林業の業界限定の就職フェアなどもあります。
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最終更新日 2024年10月30日
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