2018年9月5日 更新
保育園や認定こども園の保育料は自治体が決定し、世帯の収入(正確には所得税の状況)によって負担額が変わってきます。つまり、同じ保育園に通う園児であっても、親の収入や、住んでいる市町村によって保育料がまちまちなのです。
2015年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」では、幼稚園・保育園・認定こども園の保育料の上限額が国によって定められています(表参照)。各自治体では、この上限額を超えない範囲で幼稚園・保育園・認定こども園の保育料を決定しますが、施設によっては保育料に加えて、教材費や制服代などの実費負担が発生するので、詳しくは各園にお問い合わせください。
※「子ども・子育て支援新制度」に移行しない幼稚園では、園が自由に保育料を定めています。詳しくは各園にお問い合わせください。
- 国が定める保育料の負担額の上限基準(月額)
◎幼稚園および認定こども園の幼稚園利用の場合(1号認定)
1号認定 | |
---|---|
①生活保護世帯 | 0円 |
②市町村民税非課税世帯 (所得割非課税世帯含む) | 3,000円 |
③市町村民税所得割課税額 77,100円以下 | 16,100円 |
④市町村民税所得割課税額 211,200円以下 | 20,500円 |
⑤市町村民税所得割課税額 211,200円以上 | 25,700円 |
◎保育園および認定こども園の保育園利用の場合(2号・3号認定)
2号認定(3才以上) | 3号認定(3歳未満) | |||
---|---|---|---|---|
保育標準時間 | 保育短時間 | 保育標準時間 | 保育短時間 | |
①生活保護世帯 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
②市町村民税 非課税世帯 | 6,000円 | 6,000円 | 9,000円 | 9,000円 |
③所得割課税額 48,600円未満 | 16,500円 | 16,300円 | 19,500円 | 19,300円 |
④所得割課税額 97,600円未満 | 27,000円 | 26,600円 | 30,000円 | 29,600円 |
⑤所得割課税額 169,000円未満 | 41,500円 | 40,900円 | 44,500円 | 43,900円 |
⑥所得割課税額 301,000円未満 | 58,000円 | 57,100円 | 61,000円 | 60,100円 |
⑦所得割課税額 397,000円未満 | 77,000円 | 75,800円 | 80,000円 | 78,800円 |
⑧所得割課税額 397,000円以上 | 101,000円 | 99,400円 | 104,000円 | 102,400円 |
※同一世帯の複数の子どもが保育施設を利用する場合、2人目は半額、3人目以降は無料といった軽減措置も用意されています。
利用したい園への希望者が多く、定員を上回った場合には選考が行われます。
選考基準は、施設や認定区分によって次のような違いがあります。
◎幼稚園および認定こども園の幼稚園利用の場合(1号認定)
基本的に園による選考が行われます。選考方法は、先着順、抽選、書類審査、面接など園ごとに異なります。
◎保育園および認定こども園の保育園利用(2号・3号認定)
自治体による選考(利用調整)が行われます。
具体的には「保育を必要とする事由」にもとづいた就労や介護の状況(日数、時間など)、周囲に祖父母など育児の協力者がいるか、一人親かどうか…など、それぞれの家庭の事情に応じて「指数」と呼ばれる点数をつけていき、指数が高い家庭から優先的に入園が決まります。
指数の算出方法は自治体ごとに異なり、人気の園ほど入園に必要な指数も高くなります。自治体から配布される入園案内冊子やWEBサイトには、その自治体における指数の算出方法が記載されており、自分の家庭の指数が何点かチェックできます。また自治体によっては、希望する園の指数の問い合わせに対応してくれます。
幼稚園・保育園・認定こども園の区別にかかわらず、遊び中心の園もあればお勉強に熱心な園もあり、方針はさまざまです。また、行事の内容などはそれぞれの園が掲げるカリキュラムや、宗教法人かどうか(キリスト教系の園ならイースターやクリスマス礼拝があるなど)もかかわってきます。
各園では、WEBサイトなどで園の方針や行事などを紹介しています。分からないことがあれば見学時に先生に質問してみましょう。
幼稚園は文部科学省が管轄する学校であることから、幼稚園のほうが教育熱心で学力が高い…と誤解されがちですが、幼稚園・保育園・認定こども園における教育は「生活や遊びを通した学び」が中心ですから、いずれに通っても学力に差が出ることはありません。
ただ、園ごとの教育方針の違いはあります。カリキュラムに読み書きや英語のレッスンなどが組み込まれている「お勉強系」の園では、小学校で学ぶ内容を先取りしている分、入学後に余裕を持って学習に臨めると考える保護者もいます。
「お勉強系」の園は、幼稚園に限らず、保育園、認定こども園にもあります。その園が掲げる教育方針やカリキュラムはもちろんですが、園の雰囲気や環境、先生とのかかわりなどを総合的に判断して園を選びましょう。
共働き世帯の利用が多い保育園と比べて、専業主婦世帯を想定した幼稚園では、親子遠足など保護者が園行事に参加する機会が多いといわれています。
◎幼稚園の場合
保育園より行事参加は多いですが、頻度は園ごとの差が大きく、年1~2回の親子遠足くらいのところもあれば、毎月のお誕生会や季節行事などで頻繁に園に通うところもあります。
園によっては行事が平日に行われたり、行事の準備段階から保護者や父母会がかかわったりするところもあるので、共働きをしながら幼稚園に子どもを預ける保護者は事前に確認しておきましょう。
◎保育園の場合
保育園も運動会や発表会などで保護者に日頃の成果を披露する機会はありますが、土曜日に開催するなど保護者に配慮した日程になることが多いようです。
◎認定こども園の場合
園の方針などにより異なります。幼稚園型認定こども園の場合、働いている保護者から「行事参加が多くて大変」という声があがることもあるようです。
また、多くの幼稚園・保育園・認定こども園には父母会(保護者会)があります。活動内容や集まりの頻度は園ごとに異なりますが、こちらも幼稚園のほうが活動が盛んです。
園行事や父母会を面倒に感じる保護者もいますが、園での子どものようすを間近でみたり、先生やほかの保護者との交流が深まるなどのメリットも大きいので、無理のない範囲で参加してはいかがでしょうか。
「食育」の意識が高まる現在、園での食事が気になる保護者も多いと思います。
幼稚園・保育園・認定こども園での食事は、次のような対応になっています。
◎幼稚園
給食の提供が任意のため、園の方針により給食のところもあればお弁当のところもあります。
給食の場合も、園内の調理室で給食をつくる自園調理タイプと外部搬入タイプがあり、ほかにも完全給食を行う園、「週●日はお弁当の日」などと決めて給食とお弁当の両方を取り入れる園などさまざまです。
◎保育園
給食の提供が義務づけられています。園内の調理室で給食をつくる自園調理が原則で、アレルギー食への対応も行っています。また、
3才以上は外部搬入の給食とする園もあります。
◎認定こども園
認定こども園では2号・3号の子どもに対して給食の提供が義務づけられています。1号の子どもに給食を提供するか、それともお弁当持参かは各園の判断となります。
園内の調理室で給食をつくる自園調理が原則ですが、3才以上は外部搬入の給食も可能です。また、幼稚園型認定こども園や地方裁量型認定こども園では、地域によって0才から外部搬入の給食となる場合もあります。
共働き世帯ですと、どうしても気になるのが夏休み、冬休みといった長期休暇期間の保育ではないでしょうか。
長期休暇期間については園によって対応が異なる場合もありますが、基本は次のとおりです。
◎幼稚園の場合
幼稚園は文部科学省が管轄する学校なので、夏休み、冬休み、春休みの長期休暇期間があります。
ただし多くの園では休暇中も預かり保育を行っています(先生の配置の都合上、利用には事前申請が必要です)。共働きで幼稚園に子どもを預ける家庭は預かり保育を検討しましょう。
◎保育園の場合
保育園には夏休み、冬休みなどの長期休暇期間はなく、日曜祝祭日以外は通常どおり保育が受けられます。基本的に年末年始はお休みですが、お盆期間中も開園しています。
◎認定こども園の場合
認定こども園も、2号・3号の子どもは基本的に保育園と同じで、年末年始を除いて長期休暇期間はありません。
1号の子どもの場合は預かり保育となりますが、預かり保育の日程や保育時間については園ごとに対応が異なります。
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