インテリア選びの基本のルール
服装を選ぶときに色やデザインを確かめるように、インテリアを選ぶときも、チェックしておきたいコーディネートのポイントがあります。
買った後に後悔することがないよう、インテリアを検討する前に基本のルールを押さえておきましょう。
そもそもインテリアって何?
家具、照明、ファブリック、雑貨小物などの室内装飾を指す
インテリア(interior)は、もともとは内部・内面を意味する英語ですが、日本では主に室内装飾、つまり部屋を飾る家具、照明、ファブリック(カーテンなどの布生地)、雑貨小物などをまとめてインテリアと呼んでいます。
室内にいると必ず視界に入ってくるインテリアは、部屋のイメージを左右したり、居心地に関わったりする重要なアイテムといえます。
インテリアのありがちな失敗例は…
なぜか「しっくりこない」原因を解説!
インテリアでよくある不満が、「1つ1つのインテリアは素敵なのに、部屋全体で見るとイマイチ」というもの。
確かに、部屋の家具や小物にまとまりがないと雑多な印象になりやすく、狭苦しさや居心地の悪さを感じてしまうのは避けられません。
インテリアは室内という「空間」を装飾するものなので、一部分ではなく、全体の雰囲気が強く印象に残ります。
全体的にまとまりのないイメージにならないよう、「こんな部屋で過ごしたい」というインテリアのスタイルを決めて、部屋の雰囲気に調和する色や素材、デザインを選んでみましょう。
【ルール①】インテリアの基準となるスタイルを決める
部屋づくりの方向性を決めるスタイルに着目
ただ思いつくままにインテリアを並べるのではなく、部屋全体のイメージを統一するために、インテリアのスタイルを決めておきます。
インテリアのスタイルは、シンプルモダン、ナチュラル、ヴィンテージ…などさまざま。
カタログなどから好みのスタイルを選ぶか、手持ちのインテリアからテイストの近いスタイルを見つけてみましょう。スタイルごとに相性のよい色や素材などがあるので、インテリアを選ぶ上での基準となります。
人気の高いインテリアのスタイルと、相性のよい色や素材を紹介しますので、参考にしてみてください。
シンプルモダン
白やグレーを基調に、直線で構成された家具などのインテリアを組み合わせて、すっきりと現代的な印象にコーディネートするスタイルです。
装飾の少ないシンプルなテイストであることから、シンプルモダンをベースに木材やアースカラーのファブリックなどを取り入れて「スカンジナビアン風」にしたり、大理石や真鍮、高級感のあるデザイナーズ家具などで「ホテルライク」な印象にまとめたりと、アレンジの幅も広いスタイルです。
ナチュラル
白をベースに、ベージュ、ライトブラウンといった明るめのアースカラーを配し、木、石、コットン、ウール、麻、ラタンなどの自然素材で空間をまとめます。
インテリアの装飾は控えめで、木製の家具なら木目や節がはっきりしているものなど、素材の質感を大切にしたアイテムが人気。ほかにも植物(観葉植物、ドライフラワーなど)、曲線を取り入れた家具などで、やわらかなイメージに仕上げましょう。
ヴィンテージ
古材やアイアン、レンガなど、ユーズド感のある家具や小物で部屋を飾るのがヴィンテージスタイル。年月を重ねて使い込まれたインテリアの風合いや、濃いブラウンや黒など、深みのある色がラフで心地よい印象をもたらします。
レンガやレザー素材を使って倉庫のような雰囲気に仕上げる「ブルックリンヴィンテージ」、無機質で工業的な「インダストリアルヴィンテージ」など、素材の組み合わせによってアレンジも多彩です。
南欧風
ヨーロッパ風のインテリアスタイルの中でも、ナチュラルで暮らしになじみやすいのが南欧風。白をベースに、ベージュ、オレンジなど暖色系のカラーをあしらい、曲線を使った木製家具やテラコッタタイル、レンガなどの素材で明るく開放的な雰囲気を演出します。
空間のアクセントとして、観葉植物やアイアンの照明、ホーロー素材の小物を取り入れるのもおすすめです。
アジアン
バリ島などのアジアンリゾートのような癒しとくつろぎを感じさせるスタイル。ラタンやウォーターヒヤシンス、竹、素焼きの陶器などの自然素材と、赤茶や濃いオレンジ、植物のグリーンといったアースカラーを多用するのが特徴です。
アジアの生活様式は椅子座ではなく、床に座ってくつろぐ床座が基本です。そのためソファやテーブルなどの家具は背の低いものを選択しましょう。
和風
日本の伝統的な畳や障子、漆喰、竹、木、紙などの自然素材を取り入れ、落ち着いたイメージに仕上げます。使用する色も、土や植物をイメージさせる茶系やグリーンなどのアースカラーが中心。また、家具はなるべく背の低いものでまとめましょう。
昔ながらの純和風のコーディネートのほかに、現代的でスタイリッシュなデザインを組み合わせた「和モダン」スタイルも人気があります。
【ルール②】使用する色は3色くらいに抑える
色を抑えることで部屋全体にまとまる効果が期待できる
室内で使用する色は、【ルール①】で決めたインテリアのスタイルを方向付ける色はもちろん、爽やかな青系、落ち着きのある茶系など、色がもたらすイメージも考慮して配色を選びましょう。
このとき、使用する色数は3色くらいに抑えるのがポイント。これより色が多いと、見た目がゴチャゴチャして雑多な印象になりがちです。
また、それぞれの色のバランスは、ベースカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%にすると、まとまりがよくなります。
ベースカラー(70%)
部屋の広い面積を占める床、壁、天井などに使用する基本の色。
白、ベージュ、ライトブラウン、グレーなどの淡い色を選んだほうが飽きが来ず、アソートカラーやアクセントカラーとも組み合わせやすいのでおすすめです。
アソートカラー(25%)
テーブルなどの家具、カーテンやラグなどのファブリックに使用します。
アソートカラーは部屋の主役になる色ですから、部屋のイメージを分かりやすく伝える色や、好みの色を選ぶとよいでしょう。
アクセントカラー…(5%)
文字通り部屋のアクセントとして、個性や遊び心を演出する色です。
アクセントカラーは、クッションや小物など、比較的簡単に取り換えのきくインテリアに使用するのが基本。アソートカラーの対比色をアクセントカラーに選ぶと、空間全体が引き締まります。
【ルール③】素材の持つイメージで部屋の雰囲気づくり
素材が変われば雰囲気も変わる。自然素材と人工素材の特徴を紹介
色選びと同様に、大切にしたいのが素材選びです。
インテリアの素材は、木、ファブリック(布生地)、レザー、ガラス、金属などさまざまですが、ここでは大まかに「自然素材」と「人工素材」に分けて考えていきます。
自然素材
…木、石、コットン、ウール、麻、天然皮革、竹、紙、ラタン など
ここでいう自然素材とは、自然にあるものをそのまま利用するか、または風合いを活かして加工した素材のこと。
自然のものだけに色や模様、質感にムラがありますが、それが個性や味わいとなって「ぬくもり」「優しさ」「ナチュラル」といったイメージに結びつきやすいのが特徴です。
また、木材が年月とともに色合いに深みを増すように、経年変化の味わいを感じられるのも自然素材ならではの楽しみといえるでしょう。
人工素材
…ガラス、タイル、プラスチック、人工皮革、金属(アイアン、スチールなど)、セラミック など
ここでいう人工素材とは、人間の手で合成、加工を施した素材のことです。
色や模様、質感などにムラがなく、均一に仕上がっているため「シンプル」「現代的」「かっこいい」といった部屋のイメージにぴったり。自然素材より経年変化が少ない素材や、お手入れが簡単な素材も多いです。
なお、特殊な加工によって木調、石調など自然素材に近い見た目や質感に仕上げたものもあります。
部屋のスタイルや雰囲気で使い分けを
自然素材と人工素材のどちらのインテリアを選ぶかは、つくりたい部屋のスタイルや雰囲気次第。基本的に、ナチュラル系なら自然素材、シンプル系なら人工素材を積極的に取り入れるとよいでしょう。
ただし、インテリアが自然素材ばかりだと野暮ったくなりがちで、逆に人工素材ばかりだと冷たい印象になりがち。インテリアのスタイルや雰囲気を大切にしながら、自然素材と人工素材をうまく組み合わせてみてください。
【ルール④】長く使うものほどデザインはシンプルに
好みやライフスタイルの変化に左右されないデザインを選ぶ
デザインの好みも人それぞれですが、簡単に変えられないソファやダイニングセットといった大型家具はシンプルなデザインのものを選ぶほうがベター。
凝った色や装飾など、主張の強い家具は最初のうちはオシャレに見えても、5年、10年と使い続けるうちに好みやライフスタイルも変わって、飽きたり、使いづらさを感じたりするようになってしまうからです。 シンプルなデザインだと単調に感じられる場合は、直線ではなく曲線で構成された家具や、自然素材を選ぶのも一考。やわらかさや優しさが加わり、部屋になじみやすくなります。
大型家具はシンプルにまとめる一方で、時計やオブジェ、フラワーベースなど比較的取り換えやすい小物系は、個性的なデザインを楽しむのもおすすめです。
まとめると…
インテリアのカギは「統一感」。基本となるスタイルに沿って色や素材、デザインを選ぼう
家具やファブリック、小物などのインテリアは選択肢が多くて迷ってしまいがちですが、まずは基本となるスタイルを決めておくと、色や素材、デザインなどが選びやすくなり、部屋全体に統一感が出るようになります。
インテリアを新しく買い揃える場合はもちろん、手持ちのアイテムを活かして部屋をつくる場合も、どんなスタイルの部屋がよいのか検討してみましょう。
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最終更新日 2024年12月02日
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