放置は危険! 雨漏り・害虫・ご近所などのトラブル

「雨漏り」「害虫・害獣」「ご近所問題」といったトラブルも、なにかと厄介な生活の困り事です。面倒だからと対処を遅らせていると、取り返しのつかない事態に陥る可能性も。そうなる前に、解決に乗り出しましょう。
このページの見どころ!!
トラブル⑤「雨漏り」
隙間から入り込んだ雨水が建物を傷め、劣化を早めてしまう

雨天時に、天井や壁にシミができる、ポタポタと水音がする、天井からしずくが垂れる…といった状況になったら、それは雨漏りのサインかも知れません。
雨漏りは屋根や外壁の破損・劣化、建物の施工不良、雨どいや排水溝の詰まりなどが原因で発生し、建物の隙間から雨水が侵入して構造部分に影響を及ぼします。放置すると建物全体のダメージにつながるため、早めの対処が必要です。
雨漏りの応急処置
天井からしずくが垂れている場合は、しずくで濡れた床などを拭いてブルーシートや新聞紙を敷き、その上にバケツを置いてしずくを受け止めます。バケツの水の飛び散りを防ぐために、バケツ内に雑巾を入れて水を吸わせるとよいでしょう。
また、雨漏りをしている付近に家電や家具などがあれば、濡れないように別の場所に移動させておきます。
雨漏りの原因や侵入経路の調査を依頼する

雨漏りが疑われたら、まずは雨漏りの発生原因や雨水の侵入経路を特定するための調査が必要です。
新築住宅の場合、建物を引き渡した売主や施工会社に連絡して、雨漏りの調査を依頼しましょう。新築住宅の売主や施工会社には10年間の瑕疵担保責任があり、雨漏りの原因が施工不良であれば、保証期間内は無償で補修が受けられます。
中古住宅の場合、瑕疵担保責任の保証期間が新築よりも短いため、契約書で確認することをおすすめします。もし保証期間を過ぎていても、建物を施工した会社に相談できれば心強いでしょう。
このほか、地元の工務店やリフォーム店、外装工事業者などでも雨漏りの相談ができます。調査結果を踏まえて、補修を依頼する業者を検討しましょう。
自然災害が原因なら保険会社に連絡する
台風の強風などで屋根や外壁が破損し、そこから雨漏りが発生した場合など、自然災害を原因とする雨漏りは火災保険が適用される可能性があります。被害の状況が分かる写真やメモを記録した上で、保険会社に連絡しましょう。
トラブル⑥「害虫・害獣」
危険なハチの巣や、ネズミの汚染から生活を守る!

家の中や外に生息し、暮らしをおびやかす害虫や害獣。ここでは、ハチの巣、ネズミの対策とともに、主な害虫・害獣の被害について相談できる窓口を紹介します。
ハチの巣対策

ハチと遭遇しても、こちらから巣に近づいたり、手でハチを払ったりして刺激しない限りは、ハチのほうも攻撃してくることはありません。ハチの巣も身近な場所でなければ気にしなくて大丈夫ですが、自宅の敷地内に巣ができた場合は、安全のために巣を駆除したほうがよいでしょう。
攻撃性の低いアシナガバチや、スズメバチであっても初期の小さな巣(10センチ未満)であれば、自分で駆除することができます。
駆除作業はハチが活動しない夜間に行い、服装はハチにねらわれにくい白色系の長袖・長ズボンや、軍手、帽子などで肌の露出を避けるようにします。
巣の風上に立ち、市販のスプレー式殺虫剤を巣全体に20~30秒ほど噴霧すると、ハチの動きが止まってそのまま死滅します。翌朝にハチがいないことを確かめてから、棒などで巣を落として処理しましょう。
ただし、自分で巣を除去する自信がない場合や、攻撃性の高いスズメバチの巣の除去、巣が大きくなった夏以降の除去などは、保健所や駆除業者に相談してください。
ネズミ対策

日本の家に住みつくネズミは、クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミの3種類。いずれも床下の通風口や排水管まわりの隙間などから家の中に侵入し、建物や家財、食品などを齧ります。また、糞に含まれる病原菌で感染症を引き起こす、ネズミに寄生するイエダニに刺されるなど、健康面や衛生面でも大きなリスクをともないます。
ネズミ対策の基本は、ネズミを家に寄せ付けないこと。食品は出しっぱなしにせず、蓋つきの容器や冷蔵庫にしまいましょう。生ゴミを入れるゴミ箱も蓋つきのものにします。
侵入経路となる隙間を金網やパテで塞ぐことや、散らかった物を片付けてネズミの隠れ場所をなくすことも大切です。
粘着シートなどの罠を使ってネズミを捕獲したり、殺鼠剤(毒餌)で駆除したりする方法もあります。粘着シートや殺鼠剤はホームセンターや薬局で入手可能ですが、殺鼠剤を使用する際は子どもやペットが誤食しないように、手の届かない場所で管理しましょう。
捕獲や駆除をしたネズミは自治体の処分方法に従って処分します。処分するときに決して素手で触らず、ゴム手袋やマスクを装着してください。ネズミの処分に抵抗がある人は無理をせず、保健所や専門業者に相談するようにしましょう。
害虫・害獣の困り事は、まずは保健所に相談
ハチの巣やネズミをはじめとする害虫・害獣の困り事は、お住まいの自治体の保健所で相談ができます。自治体によっては、害虫・害獣の同定(糞などから種類を特定すること)や、ハチの巣の駆除、ネズミの侵入口チェックを行ったり、害虫・害獣駆除を行う業者団体を紹介してもらえたりするので、問い合わせてみましょう。
トラブル⑦「シロアリ」
木材に巣食い、住宅の強度を下げる厄介者

シロアリは地中から蟻道(ぎどう)を伸ばして建物に侵入し、木材を内側から食い荒らします。乾燥を嫌い、湿った木材を好むため、湿気のたまりやすい床下や水まわりなどはシロアリの格好の餌食になります。
シロアリによる被害を放置すると、木材の内部がスカスカの空洞になり、建物の耐久性や耐震性に影響を及ぼします。こうなると修繕やリフォームなどコスト的なダメージも大きくなるため、早めの対策を行いましょう。
シロアリ被害のサインは?

建物の基礎コンクリートや土台の表面に、トンネル状の蟻道が伸びていたら、シロアリが建物に入り込んでいる可能性があります。シロアリは暗い場所に生息し、蟻道をつくってその中を移動します。
シロアリに食害された木材は内部が空洞になるため、床を歩いたときにフワフワと沈む、柱を叩くと空洞音がするなどのサインも見られます。
このほか、家の近くでシロアリの群飛が見られたときも要注意です。具体的に、4~5月の昼間に黒っぽい羽アリ(ヤマトシロアリ)が飛んだり、6~7月の夜に黄褐色の羽アリ(イエシロアリ)が電灯に群がっていたりすると、近くに巣がある可能性が考えられます。
施工会社や専門業者に相談する
木材内部を浸食したシロアリについては、素人での駆除は難しいため、プロに助けを求めることになります。
木造住宅の場合、新築時にシロアリ対策の防蟻処理を行うことが法律で義務付けられています。購入後のアフターサービスとしてシロアリ点検・防蟻処理を行う住宅メーカーや工務店もあるので、相談してみましょう。
シロアリは感染症を媒介する衛生害虫ではないので、保健所では基本的に対応を行いませんが、シロアリ駆除を専門とする業者団体を紹介していることもあります。
トラブル⑧「ご近所問題」
隣近所との関係がこじれてトラブルに発展する

「遠くの身内より近くの他人」というように、ご近所さんがいれば災害や緊急時に助け合える安心が得られる一方で、ご近所トラブルのリスクもあり、一長一短といえます。
そんなご近所さんとのトラブルに巻き込まれたら、どうすればよいのでしょうか。ここでは、主なご近所トラブルと、トラブルの際の相談先について紹介します。
主なご近所トラブルは?

最も多いとされるのが「騒音」に関するトラブルで、話し声や足音、深夜や早朝のシャワーの水音、掃除機の音、楽器の演奏、赤ちゃんの泣き声など、暮らしのさまざまな音がトラブルの火種になります。
「ゴミ」に関するトラブルも多く、ゴミの日や分別のルールを守らない、ゴミの出し方が汚い、家がゴミ屋敷になっているといったストレスや苦情がこじれがちです。
このほかにも、「ペットのしつけ・飼い方」や「駐車・駐輪のマナー」、一戸建てなら「隣家の木の枝や落ち葉の越境」、マンションなら「共用部分の使い方」などもトラブルに発展しやすいでしょう。
これらのご近所トラブルについて、当事者同士が話し合って解決できればよいのですが、お互いに顔をよく知らなかったり、相手にうまく伝える自信がなかったりする場合は、以下の相談先を頼ってみてください。
賃貸なら管理会社に相談する
賃貸のアパート・マンションでトラブルが発生した場合は、管理会社に相談します。管理会社から相手に直接注意してもらったり、または共用部分に貼り紙をして注意をうながしたりと、管理会社が間に立ってトラブルに対応してもらえます。
持ち家なら自治会やマンション管理組合に相談

持ち家の場合、戸建てなら自治会・町内会の世話役に、マンションなら管理組合の役員に相談するとよいでしょう。騒音やゴミ出しのルールの周知など、円滑なコミュニティづくりのために尽力してもらえるはずです。
自治体の窓口を利用する
役所の「生活課」「市民課」などでは、暮らしの中の困り事や悩みを相談できます。ゴミ出しのルールやゴミ屋敷、ペットの悪臭や飼育崩壊などのトラブルについては、行政の担当者が現場に出向いて状況を把握したり、対策を講じる場合もあります。
日頃の対応でトラブルを回避できることも

こじれてしまったトラブルを当事者同士で解決するのは難しいですが、「ちょっと気になる」程度のトラブルであれば、日常のコミュニケーションで解決できるかも知れません。
たとえば、ご近所トラブルで最多の「騒音」は、音を発する相手の顔や素性が分からない場合は不信感が募りやすく、トラブルに発展しがち。けれども、お互いに顔見知りだと、相手への不信感が払拭され、生活音や物音があまり気にならなくなるものです。
ご近所トラブルを回避するために、まずは挨拶から始めてみてはいかがでしょうか。
まとめると…
自宅のトラブルを見逃さない!日頃からアンテナを張って早期発見を目指す

このページで取り上げた「雨漏り」「害虫・害獣」「シロアリ」トラブルは、見えにくい場所で被害が進行することから、発見が遅れやすい一面があります。いざトラブルが分かったときに慌てるのではなく、日頃から家のすみずみに目を配って、何か変わった点がないかチェックしておくことも有効です。これからも長く、安心して住めるように、自宅のトラブルを見逃さないアンテナを張り巡らしましょう。
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最終更新日 2025年2月28日
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