どんな外構がある?その役割は?
ひと言に「外構」といっても、門まわりやアプローチ、駐車スペースといった複数のゾーンがあり、それぞれに役割があります。その家でどんな暮らしをしたいのか、どのように外構を使いたいのかで、必要になる外構が変わってきます。外構のゾーンごとの役割と、計画時の注意点を見ていきましょう。
このページの見どころ!!
門まわり
門扉や門柱など、外から見える「家の顔」
(主な外構アイテム…門扉・門柱・表札・インターホン・郵便受け・宅配ボックスなど)
外部から目につきやすい門まわりの外構。特に門扉や門柱は、住まいの第一印象を決めるポイントになるので、外観イメージに合ったものを選びましょう。
・門扉
敷地の出入り口に設ける扉のこと。サビや腐食に強いアルミ製素材が主流で、直線的なデザインのアルミ形材や、曲線や装飾性のあるデザインのアルミ鋳物、アルミに樹脂パネルを組み合わせたものなどがあります。
・門柱
門扉を支える柱や壁を門柱といいます。近年は門扉を設置しないオープン外構が増えたことで、表札やインターホン、郵便受け、宅配ボックスなどの機能がまとまった「機能門柱」が人気を集めています。
境界まわり
敷地の境界を示してプライバシーを守る
(主な外構アイテム…フェンス、生垣、塀など)
境界まわりを囲むフェンス、生垣、塀などは、敷地の境界を明らかにして、外部からの視線を遮る役割があります。
・フェンス
アルミ製や木製などがあり、隙間のないパネル状のフェンスはプライバシー性が高く、隙間のある柵状や格子状のフェンスは視線をゆるやかに遮りつつ防犯対策に役だちます。
・生垣
プライバシー性と防犯性に加えて、見た目の印象が優しくなるのが特徴。ただし水やりや剪定などお手入れが必要ですので、その手間や維持費も含めて検討しましょう。
・塀
プライバシー性を重視したい人にオススメ。コンクリートにタイルやモルタル塗装で仕上げた塀や、レンガ積み塀、化粧石積み塀など、素材のバリエーションが豊富なのも魅力です。
アプローチ
訪れた人を玄関へと迎える通路部分
(主な外構アイテム…花壇、ベンチ、照明など)
敷地の出入り口から玄関までの通路部分をアプローチといいます。住宅密集地などは敷地が狭いことが多く、ゆったりと長いアプローチをとることは難しいのですが、外観と同様に住まいを印象付ける場所ですので、通路の舗装材(コンクリート、タイル、インターロッキング、敷石など)で趣を出したり、花壇やベンチを取り入れたりして、訪れた人をお迎えしましょう。
駐車スペース
マイカーがあれば必須。広さは将来のことも考えて
(主な外構アイテム…カーポート、カーゲート、シャッター、充電コンセントなど)
駐車スペースの広さは車の台数、サイズ、来客の頻度などによって異なります。将来的に車の台数が増えたり、大きいサイズに乗り替えたりする可能性も考えて広さを検討しましょう。電気自動車(EV・PHEV)を所有しているか、今後所有の予定があれば屋外用の充電コンセントも取り付けます。
駐車スペースにカーポート(簡易車庫)があれば、雨や雪の日も乗り降りや荷物の出し入れが快適です。また、カーゲートやシャッター付きの駐車スペースなら防犯面も安心です。
地面の舗装は、コンクリートまたは砂利敷きのいずれかを選びましょう。それぞれの特徴は、次のとおりです。
・コンクリート
コンクリートは耐久性が高く、施工後はメンテナンスの手間や維持費がほとんどかかりません。けれども砂利敷きより施工期間が長く、施工や撤去にかかるコストも高めです。
・砂利
砂利敷きは、施工コストを安く抑えられるメリットがありますが、デメリットとして土ボコリによる汚れや、砂利の飛び散りといったリスクがあります。長く使うと、車の重みで凹みが生じるため、定期的に継ぎ足しをしましょう。
駐輪スペース
安全と乗り下りのしやすさを重視する
(主な外構アイテム…サイクルポート、照明など)
自転車をよく利用する家庭でも、意外と軽視しがちなのが駐輪スペース。「駐車スペースの脇に停めておけばいいだろう」と安易に考えていると、スペースが狭くて乗り降りに苦労したり、強風で倒れて車を傷つけたりすることもあります。台数や乗り降りのスペースを考えた上でスペースを確保しましょう。
雨に濡れない軒下が理想ですが、軒下が無理でも屋根付きのサイクルポートを設置すると安心です。また外部から見えにくい場所に駐輪スペースを配置することで、盗難リスクを減らすことができます。
植栽
植物の優しい見た目が住まいの印象を和らげる
木や草花を植えることを「植栽」といいます。庭や門まわり、アプローチ沿いなどに植栽や花壇のスペースがあると見栄えがよくなり、安らぎやゆとりを感じられるようになります。また、木が目隠しとなって外部の視線を程よく遮り、プライバシーの確保にも役立ちます。
木や草花は生きているので、水やりや剪定などの管理は必須です。お手入れを怠ると見た目の印象も悪く、隣家に枝や落ち葉が入り込んでトラブルに発展することもあります。
植栽のお手入れに不安がある場合は、業者と相談して、なるべくローメンテナンスの植栽プランを立ててもらいましょう。
庭(メインガーデン)
楽しみ方いろいろ。舗装によって手間も変わる
(主な外構アイテム…ウッドデッキ、テラス、サンシェード、オーニングなど)
子どもやペットの遊び場になるのはもちろん、休日に家族でBBQをしたり、ガーデニングをしたり…と、楽しみ方はいろいろ。最近では庭にウッドデッキやテラスを設けたり、サンシェードで日差しを遮ったりして快適な屋外空間をつくり、リビングの延長として過ごすスタイルが人気を集めています。
むきだしの土のままだと雨でぬかるんで建物を汚したり、土ボコリが舞って近所迷惑になったりするため、舗装を検討しましょう。主な舗装方法は次のとおりです。
・天然芝
青々とした天然芝の庭は見た目もよく、子どもやペットの遊び場に活躍します。ただし芝刈りや雑草対策などのお手入れが大変なので、天然芝よりローメンテナンスの人工芝やグランドカバープランツ(下記参照)を選ぶ人も増えています。
・人工芝
天然芝(日本芝)は冬になると枯れてしまいますが、人工芝は一年を通して緑色で、芝刈りの必要がなく、防草シートを組み合わせれば雑草もほとんど生えません。天然芝よりも初期費用は高めですが、手間をかけずに芝生の庭の雰囲気を味わいたい人にオススメです。
・グランドカバープランツ
グランドカバープランツとは地を這うように広がる植物のこと。タイム、プラティア、タマリュウなど、さまざまな種類があります。一面に植物が覆われるので見栄えがよく、雑草も生えにくくなりますが、繁殖力が高いため、増えすぎて隣家まで広がらないように根止めの処理を行いましょう。
・砂利敷き
砂利敷きは施工費用が安く、防草シートを組み合わせることで雑草対策になります。庭のイメージに合わせて豊富な色、形、サイズから選べる上、踏むと大きな音が鳴る「防犯砂利」なら防犯・侵入対策に効果を発揮します。施工も簡単なので、DIYにも。
・レンガやタイルなど
庭のイメージに合わせて、レンガやタイルを選ぶ人も多いようです。ほかの舗装材と組み合わせて、部分的にレンガやタイルを敷いてアクセントにしてもお洒落。
・コンクリート
コンクリート舗装で土部分を覆うことで、雑草をシャットアウトすることができます(コンクリート以外の上記の舗装方法ですと、どんなに雑草対策をしても、隙間などから雑草が生えてくる可能性があります)。ローメンテナンスの庭づくりにオススメです。
ちょこっとメモ!
ガーデニングやBBQを楽しむなら…立水栓やコンセントの配置も考えて!
庭でガーデニングや家庭菜園をするなら、地中に埋め込まれた散水栓よりも、立水栓を花壇や畑の近くに設置すると水やりが楽になります。また、BBQに役立つ屋外コンセントや照明も忘れずに取り付けましょう。いずれも庭の動線をイメージしながら配置場所を検討することをオススメします。
サービスヤード
家事ラクにつながる重要なゾーン
(主な外構アイテム…ゴミストッカー、物置、照明など)
勝手口につながる屋外の家事作業スペースをサービスヤードといい、主に洗濯や物干し場、一時的なゴミ置き場、物置き場などに使われます。サービスヤードを雨天時や夜間にも利用することが多い場合は、屋根や照明があると便利。
まとめると…
必要な外構を、使いやすい配置で。新居の暮らしをイメージすることが大切!
外構プランは「予算ありき」で進められるケースも多いのですが、外構ゾーンやアイテムの選び方、配置場所によっては、住まいの印象や暮らしの利便性、維持管理する手間などが大きく変わってきます。外構アイテムによっては、後から付け足しをするのが難しい場合もあるため、早めに情報収集をして新居での暮らしをイメージしておきましょう。
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最終更新日 2024年12月02日
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