新築の外構、エクステリアの工事を行うなら、知っておきたい外構工事の基礎知識

住まいの外構を検討する前に

2022年1月5日 更新
住まいの外構を検討する前に

家づくりをするときに、忘れてはならないのが外構計画。「そもそも外構って何?」という疑問から、主な外構スタイルの種類とメリット・デメリットまで、外構を検討する上で役立つ外構と外構工事の基本的な知識を解説します。外構工事でありがちな失敗例もありますので、参考になさってください。

外構工事って、どんな工事?

建物の外まわりにある構造物の工事全般を指す

建物の外まわりにある構造物の工事全般を指す

そもそも「外構」とは、門扉やフェンス、カーポート、植栽など、建物の外まわりにある構造物のこと。外構は、外観と並んで住まいの印象を左右する「顔」としての役割のほかに、暮らしの快適性を高めたり、プライバシーを確保したりする役割などがあります。このような外まわりの構造物に関する工事全般を「外構工事」といいます。
また、外構と似たような言葉に、外まわりの空間をあらわす「エクステリア」があります。「外構=構造物」「エクステリア=空間」と厳密に区別されることもありますが、家づくりにおいてはどちらも同じ意味で使われることが多いでしょう。

実は失敗や後悔が多い…その理由は

「こんな筈じゃなかった!」ありがち失敗例もチェック

「こんな筈じゃなかった!」ありがち失敗例もチェック

家を建てるときは建物本体のことばかり頭がいきやすく、外構のことはついつい後回しになりがち。そのためじっくりと外構計画を練る時間がなかったり、予算の都合がつかなかったりして、仕上がりにガッカリしてしまうケースもあるようです。
外構の満足度は、住まいの外観やイメージだけでなく、住み心地にも影響します。準備が不十分で後悔することがないよう、家づくりの早い段階から外構のことも考えておくのがオススメです。

・失敗例1「ウッドデッキが外部から丸見え!」

・失敗例1「ウッドデッキが外部から丸見え!」

新居のウッドデッキで、のんびり日向ぼっこやBBQを楽しみたいと考える人は多いもの。けれどもウッドデッキが道路や隣家に面していると、外部の視線が気になって使いづらく、結局は宝の持ち腐れになってしまいがちです。
このような失敗を防ぐには、外部の視線が気にならない場所にウッドデッキを配置するか、目隠しフェンスや植栽を利用するなどして、視線を遮る必要があります。

・失敗例2「駐輪スペースが狭くて乗り降りしづらい…」

・失敗例2「駐輪スペースが狭くて乗り降りしづらい…」

駐輪スペースは自転車を停めるだけではなく、人が出入りしたり、乗り降りしたりするスペースも必要です。「空いたところに停めればよい」くらいの気構えでいると、使いづらい上に、見た目もゴチャゴチャした印象になってしまいます。
小さい子どもがいる家庭などでは、大きいサイズの自転車に乗り替えたり、台数が増えたりする可能性も考えられます。将来のことも考えて、十分な駐輪スペースを確保しましょう。

・失敗例3「雨の日にアプローチのタイルが滑って危険!」

・失敗例3「雨の日にアプローチのタイルが滑って危険!」

アプローチとは、敷地の出入り口と玄関を結ぶ通路のこと。コンクリートやタイル、敷石などで通路を舗装するのですが、素材によっては雨などで濡れるとツルツルと滑りやすいものもあります。転倒によるケガを防ぐためにも、見た目だけで選ばずに、滑りにくい素材かどうかを確かめてから選ぶようにしましょう。
また、夜間も安全に歩けるように、足元照明などを配して十分な明るさを確保することも大切です。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

建売住宅の場合の外構工事は?
まずは工事の範囲を確認する

建売住宅の場合の外構工事は?まずは工事の範囲を確認する

注文住宅は建物と同様に外構も1から計画する必要がありますが、建売住宅の場合、建物と外構がセットになって販売されている場合がほとんど。ただし住宅会社や物件によって工事の範囲がまちまちなので、既に完成している住宅はともかく、着工前や工事中の住宅を検討する際は「どこまで外構が含まれているか」を忘れずに確認しましょう。
希望する外構が含まれていない場合は追加工事を依頼するか、入居後の後付けを検討することになります。

外構のスタイルは全部で3種類

オープン・クローズド・セミクローズド外構がある

オープン・クローズド・セミクローズド外構がある

外構は、門扉やフェンス、植栽などの選び方や配置によって「オープン」「クローズド」「セミクローズド」の3つのスタイルに分けられます。それぞれ費用や見た目の印象やプライバシー性などに一長一短がありますが、現在は見通しのよいオープン外構や、見通しのよさとプライバシー性を程よく備えたセミクローズド外構が人気です。

・オープン外構

・オープン外構

敷地の境界を門扉やフェンスで仕切らないスタイルの外構。外部から見られたくないリビング周辺などは、部分的に植栽やフェンスなどで目隠しをします。必要となる外構アイテムが少ない分、費用が安く抑えられ、見通しがよく開放的なイメージが得られるのがオープン外構のメリットです。
一方で、遮るものがないため敷地内に侵入しやすく、プライバシーや防犯の対策が必要となります。小さい子どもがいる家庭では子どもの飛び出しにも注意してください。

・クローズド外構

・クローズド外構

敷地の境界を門扉や塀などでぐるりと囲む外構スタイルです。クローズド外構のメリットは、外部からの視線が遮断されるためプライバシー性が高く、人目を気にせずくつろげること。
デメリットは、門扉や塀で見通しが悪くなり、圧迫感や閉鎖的な印象を与えることや、工事費用が割高になることが挙げられます。高い塀は侵入者を制限する効果がありますが、一度侵入を許すと、塀が目隠しとなって気付かれにくい可能性があるので油断は禁物です。

・セミクローズド外構

・セミクローズド外構

オープン外構とクローズド外構の中間にあたるスタイル。門まわりの花壇や駐車スペースはオープンにしつつ、リビングやダイニングの窓周辺は低めのフェンスや生け垣などを設置して目隠しをするなど、見通しのよさとプライバシーのどちらも備えているのが特徴です。
施工にかかる費用も、オープン外構よりは高めですが、クローズド外構よりは安く抑えられます。

まとめると…まとめると…

外構が住み心地を左右する。長く安心して暮らせるマイホームのために

外構が住み心地を左右する。長く安心して暮らせるマイホームのために

どんなに素敵な家を建てても、門扉やフェンスがないと敷地の境界が分からず、防犯やプライバシーの面からも安心できる住まいとは言えません。また、マイカーや自転車のある家庭なら駐車・駐輪のスペースも必要です。これから長く暮らしていくマイホームですから、家の中はもちろん、家の外まわりの外構の計画も重視しましょう。

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最終更新日 2024年12月02日