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増築・改築工事の費用の目安と業者選び

2023年5月30日 更新
増築・改築工事の費用の目安と業者選び

増築や改築のリフォーム工事は完全オーダーメイドであるため、費用感をつかみにくい、どこに依頼すればよいか分からないといった声も。インターネットなどで情報を集め、複数の業者から見積りをとって、工事費の相場や業者の姿勢などを確かめましょう。

増築・改築工事の費用の目安は?

施工例などから大まかな費用のイメージをつかむ

施工例などから大まかな費用のイメージをつかむ イメージ

一般に、建て替えよりも費用が安いといわれる増築・改築ですが、あれもこれも手を広げてしまうと予算オーバーになってしまう可能性があります。工事にかかる費用の目安を知り、予算に合わせて増築・改築の計画を立てましょう。

・参考になるのは施工例

参考になるのは施工例 イメージ

増築や改築にかかる費用の大まかなイメージをつかむために、リフォームに関するインターネットサイトや書籍、雑誌、折り込みチラシなどで、希望のプランに近い施工例と費用をチェックしましょう。ビフォー・アフターの写真や平面図を確認することで、リフォームの規模やグレードに応じたおおよその価格帯が分かります。
予算内で、どれくらいの工事を盛り込むことができるかイメージしておくことも大切です。以下、増築・改築でよくある工事例を参考になさってください。

【工事例】2つの部屋を広い1部屋にする

【工事例】2つの部屋を広い1部屋にする イメージ

費用の目安
・壁の撤去のみ:10万円前後
・壁の撤去&引き戸の設置:20万円~

2部屋の間仕切り壁を取り払って1部屋にする、リビングダイニングとキッチンをつなげるなど、壁を撤去することで広い空間をつくる改築リフォームです。
壁の撤去のみなら1ヵ所あたり10万円前後が目安ですが、撤去後に取り外し可能な引き戸を設置する場合は材料費を含めて20万円~となります。また、追加で壁や建具の跡が残る床材や壁材の張り替え、電気工事などの費用も発生します。

【工事例】1つの部屋を2部屋に分ける

【工事例】1つの部屋を2部屋に分ける イメージ

費用の目安
・壁のみの設置:15万円前後
・壁と扉の設置&電気工事:30万円~

1つの広い部屋に、間仕切り壁を設置すると2部屋に分けることができます。
部屋を分割する改築リフォームは子ども部屋に多く、間仕切り壁を設置するだけの工事なら、15万円前後が目安です。間仕切り壁に加えて、扉を設置したり、照明やエアコンを取り付けるための電気工事を行う場合は、30万円~くらいかかります。

【工事例】テラスや屋上を新設する

【工事例】テラスや屋上を新設する イメージ

費用の目安
・庭にテラスを後付けする:30万円~
・屋上をつくる:300万円~

家にいながら、外の開放感が味わえるテラスや屋上。のんびりとくつろぐ、ガーデニングをする、BBQをする…など、家での楽しみが広がります。
庭にコンクリートの土台をつくり、タイルで仕上げるテラスの場合、タイルのグレードにもよりますが、10㎡程度で30万円~が目安です。テラスに囲いや屋根を取り付けるなら追加費用がかかります。
屋上をつくるには、既存の屋根を取り壊さなければなりません。屋根の撤去や仕上げの防水塗装を含めて、10㎡程度の屋上で300万円~が目安です。このほか、屋上へ移動するための階段も必要となり、その費用も発生します。

【工事例】部屋を追加する

【工事例】部屋を追加する イメージ

費用の目安
・1階部分を広げて部屋を追加する:200万円~
・吹抜けに部屋をつくる:150万円~

庭や駐車場、吹抜けなどに新しく部屋をつくって増やすこともできます。
庭や駐車場の空いたスペースに1階部分を広げて1部屋をつくる場合は、基礎から新しく建築するため、8畳程度の部屋で200万円~が目安です。
また、吹抜けを利用して部屋をつくるときは、8畳程度で150万円~を見ておきましょう。

工事以外にかかる費用は?

建物の解体撤去費や追加工事費などが発生する

建物の解体撤去費や追加工事費などが発生する イメージ

リフォーム会社の広告などに記載されている目安の工事費とは、多くの場合、「工事費+材料費」を指します。実際には、工事以外で次のような費用が発生するため、余裕をもって資金を用意しておきましょう。

【こんな費用がかかります】

・解体撤去費・廃棄物処理費

解体撤去費・廃棄物処理費 イメージ

間取りの変更などで、既存の建物の一部または全部を取り壊す場合は解体撤去費がかかります。また、工事の際に出たがれきやガラス、木材、金属、剥がした壁紙や石膏ボードといった廃棄物を専門の処理業者に引き取ってもらうための廃棄物処理費も発生します。

・追加工事費

追加工事費 イメージ

工事開始後に、事前の調査では分からなかった建物の腐食や劣化が見つかれば、その箇所の補修を行います。ほかにも、工事が進むうちに「コンセントを増やしたい」「配線を変えたい」といった新たな要望が出てきて、追加工事となることがあります。

・家具・照明・カーテン代など

家具・照明・カーテン代など イメージ

間取りの変更、部屋の増設にともない、家具や照明、カーテンなどが新たに必要に。これらの家具やインテリアの購入にお金がかかることはもちろん、取り寄せに時間がかかるため、前もって準備しておきましょう。

・工事中の仮住まい・引越し代

工事中の仮住まい・引越し代 イメージ

住みながらの工事が可能なら必要ありませんが、大がかりな増築・改築工事では工事期間が1ヵ月~半年くらいかかることもあり、工事中の仮住まいが必要です。仮住まいの住居費や往復2回分の引越し代、住居に荷物が入りきらない場合はトランクルーム利用代などがかかります。

・印紙代・各種手数料など

印紙代・各種手数料など イメージ

工事契約書の印紙代、ローンを利用するときの融資手数料やローン保証料、中古住宅を購入して増築・改築するときの仲介手数料や登記費用などが該当します。個々のケースに応じて出費の項目が変わってくるので、どんな費用が発生するのか、事前に工事依頼先の担当者に確認しておく必要があります。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

国や自治体の支援策をチェック。税金の控除や補助金を受けられる場合も

国や自治体の支援策をチェック。税金の控除や補助金を受けられる場合も イメージ

増築や改築にはお金がかかりますが、一定の要件を満たすと税金の控除や補助金を受けられる場合があります。たとえば、増築や改築の際に耐震、バリアフリーなどの改修工事を行うことで、所得税の控除や固定資産税の減額措置が受けられます。また、各自治体でも住宅リフォームにかかわるさまざまな補助制度を実施しているので、事前にお住まいの自治体に問い合わせておきましょう。

業者選びのポイントは?

新築時の業者や、リフォームの実績豊富な業者を候補にする

新築時の業者や、リフォームの実績豊富な業者を候補にする イメージ

「どこまで可能?戸建てとマンションのリフォーム」で解説したように、増築や改築は建物の構造・工法によって、できることとできないことがあるため、該当する構造・工法を熟知している業者に依頼するのがベスト。そうした意味では、家を新築したときの工務店やハウスメーカーを候補に入れるとよいでしょう。同じ業者であれば、新築時の設計図面や、アフターサービスの点検・修繕の履歴などが残っており、工事の安心につながります。

・候補の業者を探す

候補の業者を探す イメージ

リフォームに関するインターネットサイトや書籍、雑誌、折り込みチラシなどで工務店やリフォーム会社の情報を集め、施工例を見ながら候補をピックアップします。
ポイントは、「リフォームの経験や実績が豊富」、「希望のプランに近い施工を多く手掛けている」、「不具合の発生時にすぐに対応してもらえる距離にある」こと。さらに、増築や改築は大がかりな工事になるため、500万円を超える工事を請け負うことができる「建設業許可を取得している」業者を選びましょう。

・相見積もりで工事費の相場を知る

相見積もりで工事費の相場を知る イメージ

増築や改築の見積もりは、複数の業者から見積もりをとる「相見積もり」が理想です。見積もりが1社だけだと、その金額が高いのか安いのか分かりませんが、複数の業者から見積もりを提示してもらうことで工事費の相場が分かり、比較検討しやすくなるからです。
相見積もりをとる業者は2~3社くらいに絞り、工事の範囲やグレードなどの条件を統一して、各業者に伝えましょう。また、見積もり時の参考となる設計図面なども用意しておきます。
見積書に記載された内容や金額を比べるのはもちろんですが、打ち合わせの際の担当者の対応や、建物の調査が丁寧かどうかも判断基準になります。

まとめると…まとめると…

予算内で満足のいく増築・改築を。事前の情報を集めて快適な暮らしを実現

予算内で満足のいく増築・改築を。事前の情報を集めて快適な暮らしを実現 イメージ

「家は3回建てないと満足できない」と言われますが、増築や改築は、今ある家を活用して、住みづらい部分や不満点をピンポイントで解消するものです。限りある予算で満足のいく増築・改築をするために、事前に情報を収集して、余裕を持たせた資金計画と、信頼できる業者選びを心がけましょう。

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最終更新日 2024年10月30日