不動産投資にはこんな種類がある

あなたは「不動産投資」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。一般的にはマンションやアパートのオーナーとして賃料収入を得る印象が強いですが、一棟丸ごと所有することもあれば区分所有もあり、さらには戸建て、駐車場、シェアハウスなど、さまざまな投資方法があります。
不動産オーナーの4つの投資方法
取扱い物件によって投資方法が異なる
不動産投資の中でも、マンションやアパートなどの物件を自ら購入してオーナーになる投資を「直接投資(または現物投資)」といいます。直接投資は、取り扱う物件によって大きく4つの方法に分けられます。
・区分マンション
・一棟マンション・アパート
・戸建て
・その他
(1)~(4)がそれぞれどのようなものか、以下で具体的に見ていきましょう。
投資方法1【区分マンション】
マンションの1戸(区分)を購入して賃貸収入を得る

マンションの1戸(区分)に投資するメリットは、1戸だけなので比較的少ない金額から投資ができること。特にワンルームや1Kといった単身者用マンションは物件数も多く、比較的売却しやすい(=流動性が高い)メリットもあります。
デメリットとしては、所有する戸数が少ないため空き室リスクが高く、1戸しか所有していない場合は入居者が退去すると収入ゼロになってしまいます。また、1つのマンションに複数の区分所有者がいるため、建て替えや共用部の修繕などを自分ひとりの裁量で決めることはできません。
メリット
・少額から投資OK
・流動性が高い
デメリット
・空き室リスクが高い
・管理運用の裁量が限定的
投資方法2【一棟マンション・アパート】
マンションやアパートなどを一棟(建物まるごと)所有する

マンションやアパートの建物まるごとに投資する一棟投資では、複数の部屋を所有するため、区分マンション投資より収益が高く、空き室リスクの影響も少なくなります。また土地建物の権利がすべて自分のものになるので、建て替えや共用部の補修なども自分ひとりの裁量で行えるメリットもあります。
その一方で、デメリットとして初期費用が高額になることが挙げられます。さらに一棟所有では立地を分散できないため、災害発生時に一度に複数の部屋が損害を受けることがあります。
メリット
・空き室リスクを分散できる
・自分の裁量で管理ができる
デメリット
・初期費用が高額になる
・災害リスクが高い
投資方法3【戸建て】
戸建てを購入し、借家にして賃貸収入を得る

マンションやアパートと比べると、戸建ての賃貸物件は供給数が少ないものの、「庭や駐車スペースがある」「騒音の心配が少ない」といった理由から賃貸ニーズが高くなっています。加えて、ほとんどはファミリー向けであるため入居期間が比較的長いという特徴もあります。
中古物件も多く、少額から投資を始めることが可能ですが、劣化が進んでいる物件ではリフォームや修繕の費用がかさむので、そのことを念頭に置いて検討しましょう。
メリット
・供給が少ないのでライバルも少ない
・入居期間が比較的長い
デメリット
・修繕・維持コストがかかる
ちょこっとメモ!
店舗や事務所物件に投資する方法も。ただし住居物件よりハイリスク!

投資方法1~3では居住用のマンション・アパート・戸建てを紹介していますが、このほかに、店舗や事務所物件(区分店舗・区分事務所・一棟商業ビルなど)への投資もあります。一般的に、店舗や事務所物件は住居物件よりも比較的利回りが高いですが、景気変動による閉店・移転ですぐ空き室になったり、賃料の変動が大きいなど、よりハイリスクな投資であるため初心者にはおすすめできません。
投資方法4【その他の投資】
マンションやアパート以外の不動産にも投資ができる

もともと所有する土地を税金対策などで活用する駐車場投資やトランクルーム投資、近年ニーズが高まるシェアハウスやサービス付き高齢者住宅などへの投資があります。
・駐車場
土地を活用して駐車場を経営します。月極駐車場とコインパーキングの2種類があり、どちらもマンション・アパート投資よりも初期費用が安く、管理の手間もかかりません。また、すぐに用途変更が可能なので、将来は自宅や賃貸経営に使用する予定の土地などを一時的に活用するのに向いています。
・トランクルーム
季節外の家電やレジャー用品、引越し荷物などの保管スペースとして利用されるトランクルーム。トランクルーム投資はマンション・アパート投資よりは少額で始められることや、一般的に賃貸には不向きな立地(駅から遠いなど)でも行えるメリットがあります。
・シェアハウス
シェアハウスは、一戸に複数の個室があり、入居者はそれぞれ自分の個室を持ちながら、キッチンやバスルームといった水回り、リビングなどを共用します。一棟物件のように複数の部屋を貸し出すため空き室リスクが少ないことや、水回りが共用なので建築コストや修繕費用を抑えられるといったメリットがあります。
・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
サービス付き高齢者住宅は、高齢者向けの安否確認サービスや生活相談サービスなどを提供する賃貸住宅。初期投資費用は高いですが、超高齢社会の日本において高いニーズが見込める上、床面積や設備など一定の要件を満たせば補助金や税制上の優遇措置が受けられます。
・民泊
戸建てやマンションの空き部屋を使い、旅行者などに有料の宿泊サービスを提供することを民泊といいます。2018年には民泊のルールを定めた民泊新法がスタートし、これにともない民泊投資が注目されるようになりました。しかし2021年現在、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、民泊の主なターゲットであった外国人訪日客は激減しています。
まとめると…
投資方法ごとに異なるメリット・デメリット。それぞれの特徴を知ることが大切!

不動産投資といっても多くの種類があり、メリットもあればデメリットもあります。それぞれの特徴を押さえずに「なんとなく儲かりそうだから…」と安易に投資方法や物件を選ぶのは避けたいもの。次のページでは、不動産投資を始めるにあたって忘れずチェックしておきたいことを紹介します。
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最終更新日 2025年4月1日
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