副業に!老後の私的年金に!ゼロから始める「不動産投資」

知っておきたい不動産投資の基本用語

2021年7月13日 更新
知っておきたい不動産投資の基本用語

政府が推進する働き方改革によって副業が解禁されるなど、本業以外で資産を形成するチャンスが広がっています。そのような中で、注目度が上昇しているのが「不動産投資」。投資初心者でも始めやすい不動産投資は、仕事をしながら緩やかに副収入の道を得られるという特徴があります。

そもそも不動産投資って?

利益を見込んで、購入した不動産を運用する投資方法

利益を見込んで、購入した不動産を運用する投資方法

不動産投資とは、マンションやアパートなどの不動産にお金を投資して、その不動産の入居者からの賃貸収入や売却益によって利益を得るものです。
私たちのまわりには株式投資や投資信託など、さまざまな投資がありますが、不動産投資は、ほかの投資にはない次のような特徴があります。

・長期にわたる安定したリターン

不動産投資では、所有する物件に一度入居者が入れば、長期的に賃料収入が見込めます。入居中の家賃は変わることがないため、収入が予想しやすいメリットがあります。

・レバレッジをかけられる

不動産投資では、自己資金が少なくても、ローンを利用して高額の物件を購入できます。これを、小さい力で大きな力に作用するテコ(レバレッジ)の原理になぞらえて、“レバレッジをかける”といいます。

・ローンの返済は賃料収入で

ローンを利用して購入した場合、月々の返済はその物件の賃料収入から返すので、無理のない返済計画が立てられます。そしてローンを完済すれば、不動産という資産が自分の手元に残ります。

・インフレに強い

インフレ時は、物価上昇にともない不動産価格や家賃も上昇します。低金利の今、投資用物件を低利の固定金利で借り入れると、インフレになっても金利は低いままで賃料収入アップが期待できます。

・もちろんリスクもあります

投資をするなら、避けて通れないのがリスクです。不動産投資の場合、空き室リスクや家賃滞納リスク、設備などの故障・修繕リスク、災害リスクなどがあります。ただし、事前の対策などでリスクをある程度抑制・回避することは可能です。

ここで、不動産投資の仕組みを知る上で知っておきたい基本用語を押さえておきましょう。
不動産投資をこれから始めたい人も、今はまだ様子見という人も、不動産投資の知識を深める上で役に立つはずです。

【インカムゲイン】とは

所有する物件から得られる賃料収入

所有する物件から得られる賃料収入

インカムゲインとは、資産運用や投資において、持ち続けることで安定的・継続的にリターン(利益)が出るもの。不動産投資では、所有物件を賃貸に回して得られる賃料収入のことを指します。
後ほど説明するキャピタルゲインよりも収益性は低いですが、価格変動の影響が少なく、安定的・継続的に手に入ります。
現在では、このインカムゲインを目的に不動産投資を始める人が増えています。

【キャピタルゲイン】とは

不動産を売却したときの利益

不動産を売却したときの利益

キャピタルゲインとは、投資原本(キャピタル)の値上がりによって得られるリターンのこと。不動産投資では、当初の購入金額よりも高い金額で売却したときの利益を指します。
現在の不動産投資の主流であるインカムゲイン(賃料収入)と違い、キャピタルゲインの場合、うまくいけば大きな利益を手に入れることができますが、反対に大きな損失(キャピタルロス)となることもあります。

【利回り】とは

その物件の利益の割合を示す指標

その物件の利益の割合を示す指標

投資用物件の広告には「利回り○%」という記載があります。この利回りとは、支出に対する利益の割合のこと。利回りの数値が高ければ高いほど、その物件は大きな利益を生みだすと考えられます。
また、数値を算出する方法によって、「表面利回り」、「想定利回り」「実質利回り」といった種類があります。

・表面利回り(=グロス利回り、単純利回り)

不動産投資で最もよく使われる利回りで、計算式は次のとおりです。グロス利回り、単純利回りとも呼ばれます。

【表面利回りの計算式】
年間の賃料収入÷物件価格×100

表面利回りは、収益の割合を大まかに捉えるのに便利な指標ですが、運営費や税金などの諸経費を考慮していない点に注意してください。

・想定利回り(=粗利回り、満室稼動利回り)

一棟物件では、全室が入居済みではないこともあるため、満室状態における利回りを使用することがあります。このように満室状態を想定した利回りのことを想定利回り(=粗利回り、満室稼動利回り)」といいます。こちらも、運営費や税金などの諸経費は考慮していません。

【想定利回りの計算式】
満室状態における年間の賃料収入÷物件価格×100

なお、投資用物件の広告に記載されている利回りのほとんどが、上記の表面利回りか想定利回りです。

・実質利回り(=ネット利回り)

不動産の購入・所有により発生するさまざまな支出を、年間の賃料収入から差し引き、物件価格で割ったものが実質利回りです。ネット利回りとも呼ばれます。

【実質利回りの計算式】
(年間の賃料収入-年間の諸経費※)÷物件価格×100

※年間の諸経費とは、運営費(賃貸管理費・修繕積立金など)、各種税金(固定資産税・都市計画税)などがあります。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

物件検討に役立つのは「実質利回り」。
きちんとチェックしてリターンの実態を知る

物件検討に役立つのは「実質利回り」。きちんとチェックしてリターンの実態を知る

表面利回り・想定利回り・実質利回りのうち、不動産投資をするときの指標としたいものが実質利回りです。表面利回りや想定利回りは物件の収益のイメージをつかむことはできますが、実質利回りは、物件の取得・所有にかかるコストを含んでいるため、より現実的な数値となっています。

【キャッシュフロー】とは

不動産オーナーの手元に残るお金

不動産オーナーの手元に残るお金

現金(キャッシュ)の流れ(フロー)をあらわす用語で、不動産投資においては賃料収入などからすべての支出(ローンの返済額、修繕積立金や管理費などの運営費、各種税金)を差し引いて、手元に残る資金がキャッシュフローとなります。
キャッシュフローが黒字ということは不動産投資が順調に行われているということ。そのためオーナーは、キャッシュフローが黒字を維持できる状態をつくることが大切です。

【直接投資(=現物投資)】とは

オーナーが物件を所有し、運用にあたる投資

オーナーが物件を所有し、運用にあたる投資

不動産投資の中でも、マンションやアパートなどの物件(現物)を自ら購入してオーナーにとなり、運用する方法を直接投資(=現物投資)といいます。一般的に「不動産投資」といわれるものは、この直接投資を指しています。
直接投資は、取扱い物件によってさらに細かい種類に分けられます。それぞれの種類の特徴などは次のページで説明します。

【小口化不動産投資】とは

小口化した不動産を、複数の投資家が共同投資する

小口化した不動産を、複数の投資家が共同投資する

小口化不動産投資は、ひとつの不動産を数万円~100万円程度の小口に分けて出資者を募り、その不動産から得られる賃料収入や不動産売却益を口数に応じて分配する金融商品です。投資家からすると、小口化されているので少額から出資しやすく、複数の小口化不動産に投資することでリスクの分散にもなります。

【REIT(=不動産投資信託)】とは

数万円から不動産投資に参加できる投資信託

数万円から不動産投資に参加できる投資信託

Real Estate Investment Trust」の略で、投資家から集めた資金で複数の不動産に投資し、そこから得られる賃料収入や不動産売却益を投資家へ分配します。ほとんどが数万円~10万円程度から出資でき、分散投資も可能なので、上記の小口化不動産投資と同様、少額でリスクを抑えながら投資をしたい人に向いています。またREITは金融商品取引所で売買ができるため、流動性が高いのも特徴です。

まとめると…まとめると…

不動産投資をもっと身近に。知識を身に着けて不安を解消する

不動産投資をもっと身近に。知識を身に着けて不安を解消する

このページでは、不動産投資の基本の「き」に当たる特徴や用語について説明しました。誰でも最初は初心者ですし、知識がないと「難しそう」「失敗が不安」といったイメージを抱きやすいことは事実。けれども、知識が増えれば不動産投資に対する見方が変わり、不安も解消されるはずです。

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最終更新日 2024年10月30日