新しいモノ好きな人なら、まだ誰も住んでいないピカピカの「新築」が気になるもの。とは言え「中古」もリーズナブルな価格が魅力で、特に築2~3年の「築浅中古住宅」なら、ほとんど新築と変わらない見た目で、お値打ち価格というケースもあります。
ここではポイント別に新築と中古のメリット、デメリットを比較します。どちらがあなたのライフスタイルに合っているかチェックしてください。
※★の数が多いほどメリットが高く、少ないほどデメリットになります。
新 築 | 中 古 | ||
ハード面、立地など | 建物の構造や住空間 | 最新の構造や設備があり、住み心地も良い | メンテナンス次第で建物の寿命や住み心地が変わる |
立地と利便性 | 人気エリアの土地は、なかなか見つからないことも | 人気エリアでも、比較的見つかりやすい | |
お金、資産価値など | 住宅にかかる価格 | 構造や設備も新しい新築は価格が高い | 新築と比べると安価だが、修繕費がかかることも |
税制面の優遇措置 | 住宅ローン控除や、不動産取得税などの減額措置が | 住宅ローン控除が受けられるのは築後20年以内 | |
税制面の優遇措置 | 新築の方が有利だが、金融機関により条件は異なる | 新築より審査が厳しくなる場合がある | |
ライフスタイル | リノベーション | 思いどおりの家をつくるなら、注文住宅を選択 | 中古住宅を思いどおりに改修して、新築のような家に |
アフターケアと保証期間 | 10年間の保証期間なら無料で補修が可能 | 保証期間が短いことが多く、中には保証がないことも | |
その他 | 入居までの流れ | 未完成の建物を契約すると、イメージが掴みづらい | 建物の状態や日照、眺望などをチェックしてから購入可 |
ご近所づきあい | 新しい分譲住宅地ならご近所さんの輪に入りやすい | ご近所さんの人となりを調べた上で入居できる |
- 建物の構造や住空間
- 「新築」は最新の構造や設備が魅力。
「中古」はメンテナンスに注目!
- 住宅をつくる技術や工法が進化するにつれて、住宅の性能がますますアップしている昨今。住宅性能の観点から見ると、最新の構造や耐震装置を備え、耐久性、耐震性、防音性、遮音性、バリアフリーなどに配慮した新築の方が安心と言えるでしょう。また、設備も新しいので、使い勝手も抜群!
- これに対して中古は、新築より構造や設備が古いのは致し方ないことですが、日頃の管理やメンテナンス次第で建物の寿命が変わってきます。過去にどのような修繕を行ったかをチェックした上で、気になる点があればリフォームやリノベーションを行うと良いでしょう。
- 中古住宅で気を付けたいのは、1981年以前に建てられた住宅です。現在の耐震基準である新耐震基準は1981年6月より適用されていますが、1995年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けた住宅のほとんどが、この新耐震基準以前に建てられたものということが明らかになっています。1981年以前に建てられた住宅は、耐震リフォーム済であるか、あるいは購入後に耐震リフォームをすることを前提に購入を検討しましょう。
- 立地と利便性
- 「中古」有利だが、不動産屋さんに相談してみて
- 最寄り駅や学区などの関係で「このエリアに住みたい」という希望があっても、新築ではなかなか見つからないというケースがあります。そのような場合は、(1)気長に探す、(2)中古に切り替える、(3)新築を優先してほかのエリアも検討する、のいずれかを選ぶことになります。
- 人気のあるエリアや、昔からある町は、既にそこに住んでいる人が大勢いるため、新築が建つ機会はそれほどありません。数少ないチャンスを見過ごさないように、日頃から地元の不動産屋さんを訪れるなどして、情報収集を行いましょう。地域の動きに詳しい地元の不動産屋さんなら、気長に探した方が良いのか、それとも中古やほかのエリアも視野に入れた方が良いのか、適切にアドバイスしてくれるはずです。
- 住宅にかかる金額
- 同条件の住宅なら「中古」がお得!
- 金額を重視するなら、何と言っても中古です。住宅の価格は立地や広さ、設備などによってまちまちですが、基本的に新築として売り出されている時が最も価格が高く、以降は年数が経つにつれて下落していきます。つまり、同じ立地で同じような条件の新築と中古があれば、中古の方が確実に安くなります。
- ただし、一概に「中古の方が安いからお得」とは言い切れません。新築より年数が経っている分、メンテナンスに費用がかかったり、すぐに大規模リフォームが必要になったりすることもあり、思いのほか費用がかさんでしまう可能性があるからです。
- 中古マンションの場合、大規模修繕が必要であるにもかかわらず、修繕積立金のストックが少ないために、急遽、修繕費を徴収するケースもあります。目先の金額にとらわれず、長い目で見て住宅を選びたいものです。
- 税制面の優遇措置
- 「新築」なら税制面でお得がいっぱい
- 住宅を購入すると、税制面でさまざまな優遇措置を受けることができますが、この優遇措置は新築の方が手厚くなっています。例えば住宅ローンの控除は、新築なら敷地面積や所得など一定の条件を満たせば控除が受けられるのに対して、中古の場合は、築後20年(耐火建築物は25年)以内の住宅に限られます。また、新築には不動産取得税や固定資産税の減税がありますが、中古にはありません。
- 住宅ローン審査
- 金融機関により異なるが「新築」の方が有利
- 住宅ローンの審査は、年齢、職業、年収、勤続年数などの条件のほかに、対象となる住宅の担保価値もポイントになります。新築は、経年劣化がないので比較的価値が高く評価されますが、中古は築年数によっては価値が低く評価されやすくなるため、ローン審査に通りにくい場合があります。けれどもローン審査の条件は金融機関によってまちまちなので、単純に「ローン審査は新築だからOKで、中古はNG」という訳ではありません。
- リノベーション
- 「中古でリノベーション」という新しい選択肢
- 「価格や立地の面で中古住宅に魅力を感じるけれど、新築の注文住宅のように思いどおりの家をつくりあげたい……という人には、中古住宅を手の届きやすい価格で手に入れ、再生・改修して新築のように新しくする「リノベーション」という選択肢があります。
- リノベーションでは、システムキッチンやシステムバスを導入したり、間取りを大きく変更したりするなど、ライフスタイルに合わせた改修を行います。場合によっては、住宅の壁などを一旦取っ払ってスケルトン(骨組)の状態にしてから、新たに内装をつくり直すこともあります。
- 中古住宅のリノベーションは、中古でありながら思いどおりの住まいを手に入れる魅力的な方法ですが、改修する内容や、住宅の劣化具合によって価格が左右され、中には1,000万~2,000万円ほどかかってしまうことも。住宅の状態を正しく把握し、信頼できる専門家に依頼して適切なリノベーションを行いましょう。
- アフターケアと保証期間
- 保証が充実しているのは断然「新築」!
- 新築住宅には10年間の保証期間があり、もしもこの期間内に柱や梁などの構造的に重要な部分に欠陥が見つかった場合、無料で補修などのアフターケアが受けられる制度があります。
- ところが中古住宅の場合、この保証期間が数ヶ月~2年程度と短く、中には保証がないものもあります。中古を購入するなら、あらかじめ保証期間を確認しておきましょう。
- 入居までの流れ
- 「中古」ならしっかり下見ができる!
- 入居するまでの時期や下見の方法も、新築と中古で違いがあります。新築の場合、特にマンションは建物の建設途中で販売されるので、完成後のイメージが掴みづらく、また入居まで1年近くかかってしまうこともあります。最近では建物の完成間近に契約をする人も増えていますが、それでも良い部屋は「早い者勝ち」であることは言うまでもありません。
- 中古住宅は既に建物があるので、下見で建物の状態や日当たり、眺望、ご近所さんの様子などをチェックしてから購入できます。売主の了承が得られれば、比較的スピーディに入居することも可能でしょう。転勤や入学、進学などの理由で「○月までに入居したい」という時は、新築より中古に絞って家探しをした方が良いケースもあります。
- ご近所づきあい
- 事前チェックが可能な「中古」と、仲間入りしやすい「新築」
- これから長く住む住宅ですから、ご近所さんの人となりや付き合い方が気になる人も多いことでしょう。中古の戸建てやマンションなら、事前に近所やマンション内を見て、どんな人が住んでいるのか、会話やゴミ出しのマナーをチェックすることができます。ところが新築の場合、住んでみなければご近所さんがどのような人か分からないケースが大半です。住んでから「しまった!」と思っても、後戻りはできないのですから大変です。
- けれどもご近所さんが気になるのは誰でも同じなので、ご近所づきあいのことを考えて、あえて新築が集まる分譲住宅地やマンションを選ぶ人もいます。新しい分譲住宅地やマンションは、入居者全員がゼロからのスタートです。そのため、ご近所づきあいの輪にすんなり入っていきやすいというメリットもあるのです。
次の項目に「はい」「いいえ」で答えてください。「はい」が多かった方が、あなたに向いている住宅のタイプです。
- 今まで他人が住んでいた住宅に住むのは抵抗がある
- 真新しい環境で新生活を始めたい
- 長い保証期間や、手厚いアフターケアで安心を得たい
- 予算に比較的余裕がある
- 最新の構造や設備がある住宅に住みたい
- 他人が住んでいた住宅でも特に気にならない
- 細かな修繕やDIYが苦にならない
- リノベーションで思いどおりの空間に仕上げたい
- 住宅より、もっとお金をかけたい趣味や目的がある
- 住みたいエリアがハッキリと決まっている
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