日当たり・風通し・断熱性アップの新築・リフォームのポイントを紹介。日差しと風、快適な室温のある住み心地のよい家づくり

「日当たり」のよい家をつくる

2024年1月10日 更新
「日当たり」のよい家をつくる

さわやかな朝の光や日中の穏やかな日差しなど、自然光のある暮らしは気持ちまで明るくなるもの。日当たりのよい快適な家をつくるために、室内に自然光を取り込む採光プランのポイントや注意点を紹介します。

日当たりのよい家のメリットは?

室内の環境がよく、光熱費も抑えられる

明るさや光熱費の節約イメージ

日当たりのよい家のメリットは、なんといっても気持ちがいいこと。明るい日差しが室内に届くので照明が要らず、快適に過ごすことができます。
リビングが明るいと開放的な雰囲気になりますし、室内やベランダに干した洗濯物が乾きやすいのも嬉しいですよね。

一方で、日当たりが悪いと、暗くじめじめとしてカビやダニの発生源となるなど、室内環境が悪化しがち。日中の照明にかかる電気代や、冬場の冷え込みを防ぐ暖房代などもかかります。
さらに日差しの届かない部屋は昼夜の区別がつきにくく、生活リズムの乱れにつながることもあります。

立地条件によって変わる日照

候補の土地は何回も下見をして日照をチェック

土地の立地と、日照のイメージ

日当たりの良し悪しは、家が建つ土地の方角や接する道路、周辺環境などに左右されます。

一般的に日当たりがよいとされるのは南向きの土地ですが、南向きでも住宅密集地であったり、隣家の建物が迫っている場合などは日照が遮られることもあります。
また、同じ土地でも季節や時間帯によって太陽の角度が変わり、得られる日照も変わってきます。

日照が限定されがちな土地は、日当たりを確保するために建物のプランや間取りに工夫が必要でしょう。日照条件は土地ごとに異なるため、気に入った土地があれば何回か足を運んで、時間帯ごとの日当たりや、家を建てたときに影響しそうな周囲の建物がないかどうか確認することをおすすめします。

日当たりのよい間取りと窓の配置のポイント

住んでから後悔することがないよう、きちんと意識したい

間取りや窓のイメージ

自然光を室内に取り込むには、方角や近隣の建物、太陽の角度などから間取りや窓の配置を決めることが重要。次の3つのポイントを意識して、日差しが心地よい家づくりを目指しましょう。

日当たりのポイント①「部屋ごとに日照の優先度を考える」

間取りを検討するイメージ、部屋の配置

太陽の角度は時間帯によって変化し、日差しの入り方も変化していきます。そこで間取りを決めるときは、部屋ごとに「そこでどう過ごすか」「どんな日差しが欲しいか」を考え、日照の優先度に沿って部屋を配置していきましょう。

たとえば、日当たりを最も優先したいリビングは、1日にわたって日差しが届く南側に。朝日が差し込む東側に寝室やベランダを配置すると、朝の目覚めが快適になり、洗濯物も早く乾きます。
一方、直射日光の届かない北側や、建物の奥まった部分などには、脱衣洗面所などの水回りや納戸、夜しか使用しない個室など、それほど日照を必要としない部屋を配置します。

各部屋の使い方やライフスタイルは人それぞれですので、家族の暮らしに合った日差しの間取りを手に入れたいものですね。

日当たりのポイント②「窓の位置やサイズもよく考えて」

窓の位置、サイズ、多さのイメージ

日差しをたっぷりと取り入れるには窓を多く設ければよいと思いがちですが、窓が多すぎる間取りは壁面が少なく、家具の配置に困ることも。また、夏の西日や冬の冷気が入り込みやすいため、冷暖房効率が落ちてしまいます。

リビングに採用されることが多い大きな窓も、日当たりや開放感が得られる反面、道路や隣家との位置関係によっては外部の視線が気になって居心地の悪い思いをするかも知れません。

窓の配置を検討するときは、土地の方角や周辺環境、家族の暮らしを照らし合わせて窓の位置やサイズを決めていくと、満足のいく仕上がりになります。

日当たりのポイント③「天窓や吹抜けで明るさを確保」

吹抜けと天窓イメージ

住宅密集地の1階や建物の北側などは自然光が不足しがちですが、天窓や高窓、吹抜けを活用すると、高い位置から光がふりそそぐので明るさの確保につながります。

特に建物の屋根に設ける天窓は採光性が高く、垂直の壁に設ける窓より約3倍もの光を取り込むといわれるほど。天窓を直射日光の入らない北側の部屋に設けると、安定したやわらかな光が届きます。
明るさの欲しい1階リビングも、上部を吹き抜けにしたり、天窓を組み合わせることで、空間全体に光が行きわたるようになります。

採光UPのための間取りと内装選び

日当たりの満足度を上げる工夫とアイデアを紹介

採光プランイメージ

日照が限定された土地などの家づくりで、採光アップのために検討したい工夫をまとめました。日当たりは住み心地を左右する重要なポイントですので、じっくり考えて納得のいく家を建てましょう。

・「2階リビング」を採用する

2階リビングのイメージ

日照条件の厳しい北向きの土地や都市部の住宅密集地などでは、リビングを上階に配置する「2階リビング」の間取りも見られます。2階リビングは上下階の移動の手間は増えるものの、日当たりのよい空間をつくりやすく、眺望やプライバシーも確保しやすいメリットがあります。

・「中庭」を採用する

中庭のイメージ

建物を上から見たときに、コの字型やロの字型、L字型になる間取りにして「中庭」をつくると、中庭に面したすべての部屋に光が入り、外部の視線や防犯面を気にせず窓を開け放つこともできます。
中庭をつくるのが難しい場合は、観賞用の小さな「坪庭」でも採光が得られるのでおすすめです。

・「透過性のある素材」を選ぶ

ガラス窓付きのドアやアクリルドアなどのイメージ

暗さを感じやすい廊下や階段に、ガラス窓付きのドアやアクリルドア、階段手すりのアクリルパネルなどを設けるのも効果的。透過性のあるガラスやアクリル素材によって光が奥まで届き、明るい空間になります。

・「淡い色の内装」を選ぶ

白基調の内観イメージ

色の中でも、白は特に光を反射・拡散させる効果にすぐれており、壁紙に白を選ぶと部屋全体が明るい印象に仕上がります。白に近いベージュやアイボリーなどの淡い色でも似た効果が得られるので、内装の色選びの参考になさってください。

まとめると…まとめると…

日差しを取り入れて住まいを快適に。土地の状況や暮らしに合わせた家づくりを

日当たりのよい家で快適に過ごすイメージ

日当たりは家づくりの条件として挙げられることが多いですが、住宅によっては南向きであっても日差しが入りにくかったり、逆に日当たりがよすぎて熱さを感じたりする場合もあります。その土地の個性を知り、暮らしに応じた間取りで快適な日差しを取り入れましょう。

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最終更新日 2024年10月30日