2015年12月25日 更新
万一の事故時の備えとして役立つ「ドライブレコーダー」ですが、最近はGPS連動や常時録画といった便利な機能が充実。ドライブの景色を記録するなど、新たな楽しみが広がっています。

ドライブレコーダーとは、運転中の映像や音声を記録に残す車載装置です。フロントガラスなどに取り付けておけば、もしも運転中に事故に遭った時などのスピーディな事故処理につながります。
以前のドライブレコーダーはタクシーなどの業務用車の使用が中心で、価格も1台4~5万円と高価でしたが、ここ数年で小型化が進み、大容量の記録メディアの価格が下がったことなどもあって一般の車にも普及するようになりました。現在、ネット上のショッピングサイトやカー用品店などでは、豊富な種類のドライブレコーダーが約5000円~3万円程度で販売されています。

ドライブレコーダーの主な役割と言えば、映像を記録して運転者の「安心を高める」ことが挙げられます。
万一の事故時の映像を記録する
一般的なドライブレコーダーは事故が起きた時の衝撃を感知して、事故前後の映像を自動的に記録します。事故に遭ったドライバーや通行人などの当事者たちは、突然の出来事に興奮して冷静に話し合うことができないケースが多いのですが、ドライブレコーダーの映像があることによって双方が落ち着いて事故時の状況を振り返ることができ、事故後の検証がスムーズに進みます。
駐車中の防犯に
走行中だけでなく駐車中にも録画できるタイプのドライブレコーダーなら、駐車中の当て逃げや盗難のようすを記録できる「防犯カメラ」として活躍します。さらにフロントガラスに貼り付けるタイプのドライブレコーダーは、車外からカメラが見えるので、犯罪の抑止効果も期待できます。
これらの役割は「映像」という客観的な証拠能力を持つドライブレコーダー本来の利用方法と言えますが、事故や盗難といった「特別な瞬間」以外にも、日常的にドライブレコーダーを楽しむ方法もあります。
ドライブの映像を記録する
近年増えつつある常時録画型のドライブレコーダーは、数時間の連続録画によってドライブの景色と会話を記録します。さらにGPS機能を搭載したドライブレコーダーなら走行記録を地図上にマッピングすることもできます。
動画サイトにドライブ映像をアップする
ネット上のYou Tubeなどの動画サイトには、ドライブレコーダーで録画した風光明媚な景色や観光名所などのドライブ風景がアップされています。ドライブの思い出を大勢の人と共有できるのも、映像ならではの楽しみです。
決定的な瞬間をキャッチできるかも?
2013年、ロシアのチェリャビンスク州で起こった隕石落下のニュースで、世界中に配信された映像はドライブレコーダーによって記録されたものでした。ドライブレコーダーがあれば、運転中の突然の出来事をとらえたい時に、スマホやデジカメを起動させるより素早く安全に記録することができます。
安全運転やマナー意識の向上
運転中などに、他人の運転を見て「危ないな」と思った経験はないでしょうか。自分では安全運転をしているつもりでも、気づかないうちに注意力が散漫になるなど危険な運転をしていることもあります。ドライブレコーダーの映像があれば、自分の運転を客観的に振り返ることができるので、自然と安全運転やマナーの意識が向上します。

価格も機能もいろいろな機種が揃っているドライブレコーダー。数ある中から、満足のいく機種を選ぶためのポイントを紹介します。
価格
現在、販売されているドライブレコーダーは、5000円前後のものから3万円前後のハイスペック機種まで幅広い価格帯となっています。予算や必要とする機能によって選択肢は変わってきますが、記録する画質や耐久性を考えると、できれば1万円以上のものを選ぶとよいでしょう。ドライブレコーダーの売れ筋の価格帯は1万円~1万5000円程度と言われています。
形状
ワンボディ型
カメラとレコーダー本体が一体になったスタンダードなタイプ。
ミラー型
ルームミラーの裏側に取り付けるため省スペース。
2カメラ型
ワンボディに2つのカメラが搭載されていてフロントとリアを同時撮影するタイプと、フロントカメラとリアカメラの2台に分かれているタイプがあります。
録画システム
事故や急ブレーキなどで車に衝撃が加わると、衝撃が起こった前後の映像を自動的に記録します。
車両の動作に関係なく、運転中の映像を連続して記録します。
運転中の映像を連続して記録し、衝撃を感知すると、その前後の映像を専用フォルダに記録します。
画質
画質は解像度によって異なり、「FULL HD」「HD」「VGA」などの種類に分けられます。
事故時の証拠として使用するなら、前方や対向車のナンバープレートまで鮮明にとらえる高解像度の「FULL HD」対応の機種を選ぶとよいでしょう。また、昼間の映像はきれいでも、夜間の映像が暗くて見えにくい機種もあります。夜間の映像もハッキリ記録するなら最低照度が1ルクス以上ある機種がおすすめです。実際の画質は、メーカーのWEBサイトで公開されているサンプル動画をチェックしてください。
視野角
視野角とは、カメラの視界の広さのことです。現在、販売されているドライブレコーダーの多くは、視野角が80~160度と幅がありますが、視野角が大きければ大きいほど広範囲の映像になり、事故時の状況などをとらえやすい一方で、対象が小さく映ることになります。反対に、視野角が小さいと対象は大きく映りますが、カメラの死角も増えてしまいます。メーカーのWEBサイトで公開されているサンプル動画を見て、ちょうどいいバランスのものを選びましょう。
音声
録音機能があるドライブレコーダーなら、クラクション音やブレーキ音、方向指示器の作動音などを録音することができるので、事故時の詳しい状況を知る手がかりになります。ほかにもドライブの景色を会話とともに記録して楽しめます。
取り付け場所
ドライブレコーダーの取り付け場所については、運転時の視界の妨げにならないよう、法律で「フロントガラスの上部20%以内」または「ルームミラーの後ろ」に設置することが定められています。ドライブレコーダーの形状や大きさによっては、ルームミラーに干渉するなどして取り付けが難しい場合もあります。
そのほか、あると便利な機能
衝撃を感知した時の映像が上書きされないようにロックをかけて自動保存する機能です。通常、ドライブレコーダーは記録した映像で記録メディアの容量がいっぱいになると、古いものから上書きされていくのですが、Gセンサーがあれば事故時の映像が上書きされることはありません。
運転時の日時や位置情報、速度情報などを自動的に記録します。これにより万一の事故時の状況が明確になるだけでなく、走行記録を足跡のように地図上にマッピングすることもできます。
ドライブレコーダーは基本的にエンジンをONにしてからOFFにするまでの映像の記録 が中心ですが、中には駐車中の録画機能を備えた機種もあります。エンジンOFF後にタイマーで一定時間記録するモードや、人などが映り込んだ時だけ記録するモードなどが選べます。

ドライブレコーダーを取り付けると、場合によっては次のようなトラブルが起こる可能性があります。
電波干渉……ドライブレコーダーの電波に、GPSや地デジの電波が干渉してノイズが発生することも。機種によっては、電波干渉が起きないよう対策をしているものもあります。
LED信号機の撮影トラブル……ドライブレコーダーでLED信号機を撮影すると、点滅したり、点灯していないように映ることがあります。その理由は、LED信号機の点滅回数とドライブレコーダーの撮影コマ数のタイミングです。
LED信号機は電力が50Hzの関東では毎秒50回(または100回)、電力が60Hzの関西では毎秒60回(または120回)の速さで点滅しているのですが、一般的なドライブレコーダーは1秒間の撮影コマ数が30コマです(この1秒間の撮影コマ数のことを「フレームレート」と言います)。30の倍数は60ですから、毎秒60回(または120回)点滅している関西のLED信号機のタイミングとドライブレコーダーの撮影コマが偶然一致してしまった場合、LED信号機が点滅したり、点灯していないように映ってしまうのです。このような状態を避けるために、フレームレートを調節できるタイプのドライブレコーダーも登場しています。
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