「立地・費用」の失敗例

建物の不満はリフォームで解決できますが、立地や周辺環境の不満については自分たちではどうにもならないケースが多々あります。気になる点がないか、必ず事前に確かめることが大切です。追加のオプション費用や住宅ローンなど、費用面の失敗例もチェックしましょう。
失敗例⑨【立地】災害リスクのある立地
「水害がない」と聞いたエリア。実際は浸水リスクがあった!

その地域に長年住んでいる知人から「このあたりは水害がない」と言われ、物件の購入を決めました。ところが、購入時の重要事項説明で、宅建士から浸水リスクのある地区という説明を受けてショック! 知人を責める訳にもいかず、ちゃんと調べなかった自分たちが悪いのだから……と諦めモードです。

対策
地元の人からのアドバイスは有益ですが、ときには古い情報や勘違いが混ざることもあります。災害に関する知識や対策は常に進化しているので、常に最新の知識を取り入れるようにしましょう。
水害リスクを調べる際は、自治体の「水害ハザードマップ」が参考になります。近年は豪雨災害が激甚化していることから、2015年にハザードマップの想定が「100年~200年に1度の雨」から「1000年に1度の雨」に変更されました。そのため各自治体は新たな想定でのハザードマップを更新しており、昔は比較的安全とされていたエリアも、最新のハザードマップでは浸水が想定されるエリアに該当していることがあります。
不動産購入時の重要事項説明では、宅建業者が買主に対して水害ハザードマップの説明をすることが義務付けられています。とはいえ、ハザードマップは自治体のHPや窓口ですぐに入手できるので、事前に最新版を確認しておくことが必須。水害リスクは居住地の選択や暮らしの水害対策にかかわるため、いざ購入を決めてから、「知らなかった」では済まされないからです。
ワンポイントアドバイス
水害ハザードマップの確認に加えて、検討中の物件の周辺を実際に歩いてみましょう。高低差の多いエリアの低地や、敷地をかさ上げしたり、雨天時に玄関前に土のうを置いたりする家が見られるエリアは、浸水リスクが高い可能性があります。
失敗例⑩【立地】交通アクセスが不便
最寄り駅までのバス利用が、こんなに大変とは……

最寄り駅からは遠いけれど、広い敷地が気に入った家を購入。駅までバスを利用すれば大丈夫だろうと思っていましたが、これが甘かった! 朝の通勤ピーク時は渋滞のため時間が読みづらく、バス内も混雑しているので最寄り駅に着く頃にはぐったり。しかも最近になって路線バスが減便され、本数が減った分、朝の待ち時間が長くなりました……。

対策
駅までバスを利用しなければいけない「バス便エリア」の物件は、駅近の物件より価格が安い、敷地が広いことが多いといったメリットがあります。とはいえ通勤・通学は毎日のことなので、朝晩のバス利用がストレスにならないか、十分に考えておく必要があります。
具体的に、利用するバスの「停留所」「本数」「最終時間」「駅までの所要時間」のチェックは必須。できれば平日の通勤時間帯に実際に乗車して、道路の混み具合や、鉄道への乗り換えがスムーズかどうかを確かめておくと安心です。
ワンポイントアドバイス
近年は運転手の高齢化や人手不足が深刻化しており、全国のバス会社で減便や路線の統廃合が進んでいます。バス便エリアを検討するなら、このような状況にも目を向けておきましょう。
(参考)立地選びのポイントは?
天候や時間帯ごとの環境を知るため、複数回の見学がおすすめ

物件見学は建物の内外だけではなく、周辺の環境も確かめるチャンス。長く快適に住める環境を選ぶには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

交通の利便性
- □通勤・通学の距離や所要時間は?
- □通勤・通学の経路、乗り換え本数は?
- □駅までの所要時間は?
- □鉄道やバスの運行頻度や、始発・最終便の時間は?

暮らしの利便性
- □スーパーまでの距離や所要時間は?
- □スーパーの営業時間や品ぞろえは?
- □病院までの距離や所要時間は?
- □病院の診療時間や休診日、診療科目は?
- □銀行・ATMまでの距離や所要時間は?
- □幼稚園・保育園・小中学校までの距離や所要時間は?
- □役場までの距離や所要時間は?

安全面
- □周辺道路の交通量は?
- □夜間の人通りや街灯の状況は?
- □浸水や土砂災害のリスクはどうか?
- □騒音や悪臭はないか?

近隣住民の様子
- □近隣の住民の年齢層や雰囲気は?
- □ゴミ置き場のマナーは守られているか?
- □町内会イベントや地域の祭りなどの活動は活発か?
失敗例⑪【費用】オプションは意外な盲点
予想外だったオプション設備の出費が痛すぎる!

現地見学をして、立地や間取りが理想的だった建売住宅。価格も何とか予算に収まりそうだったので購入を決めましたが、物件の価格とは別に、カーテンレールや照明器具、食器棚、テレビアンテナ、物干し金具などのオプション費用が別途かかると聞いて驚いています。オプションのことは全然考えていなかった~。
対策
建売住宅や注文住宅の費用で、意外な盲点といえるのが「オプション」。好みやライフスタイルに応じて取捨選択が可能な仕様設備ですが、中にはカーテンレールや照明器具のように生活になくてはならない必需品がオプションだったりして、思わぬ出費となることがあります。
主なオプションの種類
- カーテンレール・カーテン
- 網戸
- 雨戸・シャッター
- 照明器具
- 食器棚
- 下駄箱
- テレビアンテナ
- 物干し金具
- 食洗器
- 床暖房
- タッチレス水栓
- 浴室暖房乾燥機
- 温水洗浄便座
- エアコン
- …など
オプションの設定は住宅会社によってまちまちで、「A社では標準装備だが、B社ではオプション」という設備もあります。不安があれば、営業マンに標準装備の範囲を尋ねておくとよいでしょう。
ワンポイントアドバイス
食洗器、床暖房、浴室暖房乾燥機などのオプションは、「導入してよかった」という声がある一方で、ほとんど使用せず「不要だった」という声も。高額な設備だけに、家族のライフスタイルなどを考慮して慎重に判断しましょう。
失敗例⑫【費用】ローンの返済計画でピンチ
世帯収入が減ったため毎月のローン返済が厳しい。

家を購入する際、私の収入だけでは希望借入額に届かず、妻とペアローンを組むことに。おかげで理想の家は手に入りましたが、その3年後に妻が妊娠し、産休・育休に入りました。世帯収入が減った分、ローン返済の負担が増して、毎月のやりくりは厳しいです。借入額を増やすのではなく、手に届く金額の家を買えばよかった……と後悔。

対策
夫婦がそれぞれに住宅ローンを組むペアローンは、1つの物件に対してローンが2本になるため、単独でローンを組むより借入額を増やせる、それぞれが住宅ローン控除を受けられるといったメリットがあります。ただし、夫婦のどちらかが仕事を辞めたり、収入が減ったりしても、変わらず返済の負担がかかってくるので、安易に借入額を増やしすぎるのは厳禁です。
ローン返済期間は最長で35年。返済中は妊娠・出産をはじめ、異動や転職での収入減、早期退職などの可能性も考えられます。ペアローンを組むと借入額が大きくなりがちですが、もし何かあっても返済を続けられるように、返済計画に余裕を持たせておくようにしましょう。
ワンポイントアドバイス
住宅ローンの基本は無理のない返済計画を立てることですが、もしも返済が困難になったら、できるだけ早く借入先の銀行に相談しましょう。返済期間の延長や返済額の一時的な減額などの措置を講じてもらえるはずです。
失敗例⑬【費用】ローン審査に通らない物件
銀行のローン審査に落とされるのは、築50年の物件だから?

人気のエリアで手ごろな価格の中古マンションを発見。築50年の古い物件とはいえ室内はリフォーム済で問題なく、すぐ購入を決めたのですが……。銀行の住宅ローンに申し込んでも、毎回、審査に落とされてしまいます。勤続年数が長く収入も安定しているのに、正直納得がいきません。

対策
「旧耐震」がローン審査のネックになっている可能性があります。1981年6月1日より前に建築確認を受けたマンションや戸建て住宅は旧耐震基準で建てられており、現行の新耐震基準で建てられた物件よりも耐震性や強度に不安があることから、担保評価が低く、審査に通りづらいと言われています。建物の構造部分の耐震基準ですから、室内がリフォーム済かどうかはこの場合は関係ありません。
築年数の古い物件には価格が安い、便利な立地が多いなどのメリットがありますが、旧耐震の物件の場合は、ローン審査のハードルが高く、たとえ審査に通っても借入期間が短いなど不利な条件になりやすいといったデメリットもあります。 ただし、銀行ごとに対応が異なるため、旧耐震の物件を検討する際は、早めに銀行に相談するとよいでしょう。
ワンポイントアドバイス
旧耐震でも、適切な耐震補強工事を行って新耐震の基準をクリアした「耐震基準適合証明書」を取得しているマンションもあります。耐震基準適合証明書取得のマンションの場合は、ローン審査で不利になることはありません。
まとめると…
マイホームの失敗を防ぐために、ありがちな失敗例と対策を押さえよう

昔から「家は3回建てないと満足のいく家ができない」と言われています。それだけ理想の家を手に入れるのは難しいという意味ですが、住宅購入でありがちな失敗例と対策を学ぶことで、取り返しのつかない失敗は避けられるはずです。
「この家でよかった!」と思えるマイホームで、幸せな思い出をたくさんつくってくださいね。
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最終更新日 2025年4月1日
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