2015年1月19日 更新
「しつけ」とは、人間と共同生活をする上で、大切なルールやマナーをペットに教えること。人間と一緒に過ごす時間が長い室内飼育だからこそ、覚えておきたいしつけのコツをご紹介します。
「うちのペットはのびのびと暮らして欲しいからしつけは不要です」という飼い主さんもいますが、しつけは人間の都合を犬や猫に無理矢理押しつけるものではありません。
きちんとしつけられていないペットは、そのせいで行動を制限されたり、余計なストレスを抱え込んだりしがちです。それはペットにとっても飼い主さんにとっても不幸せなこと。しつけは、ペットと飼い主が楽しく暮らすために必要なものなのです。
犬のしつけには2つのポイントがあります。
まず、愛犬が「やって良いこと」のルールを守ったら、すぐに「誉める」。反対に、「やってはいけないこと」のルール違反をしたら、「止めさせる」ようにする。この2つのポイントをうまく切り分けて、愛犬が「これをしたら飼い主さんが誉めてくれる」→「もっと誉められたい!」と考えてくれるようになれば、どんどんしつけが上手くいくようになります。犬は飼い主さんに誉められたい、喜んでもらいたいという気持ちがとても強いもの。その気持ちを、上手にくすぐりましょう。
「問題行動」と言っても、まずは飼い主さんが「問題行動を起こさずに済む」環境を整えることが大切です。例えば、愛犬をかまわない(または極端にかまいすぎる)、室内を片付けない、怪我や病気の可能性など、これらのことに該当していないか確かめてください。
では、それぞれのしつけのコツを説明します。
子犬を迎えたら、真っ先に覚えてもらいたいのがトイレの方法。お昼寝から目が覚めたとき、食事の後、床のニオイを嗅いだり、その場をクルクル回って落ち着かない様子を見せた時などは、トイレのタイミングです。すかさずトレーニングを開始しましょう。
ハウスの近くに、サークルで囲ったトイレを設置。 | |
愛犬がトイレをしそうになったら、トイレに入れてサークルの扉を閉める。 | |
トイレが済んだら、その場ですぐ「良い子だね」と誉めて、ごほうびをあげる。 | |
愛犬が自分からトイレサークルに向かうことを覚えたら、サークルの扉を開けて自由に出入りできるようにする。慣れてきたらサークルを外す。 |
ブラッシングは見た目を清潔に保つだけでなく、病気を予防するためにも大切。定期的に愛犬のブラッシングをしている家庭は、抜け毛が飛び散る量も少なくなります。無理矢理押さえつけたり、痛い思いをさせたりすると、ブラッシングが嫌いになってしまうので少しずつ慣らしていきましょう。
初めはコームを見せるだけにして、愛犬が怖がらないようならごほうびをあげる。 | |
コームを愛犬の体に当てて、大丈夫のようなら少しずつ毛をとかす。とかした後、ブラシを持たない方の手で体をなでると愛犬が落ち着く。 | |
お手入れが終わったら、ごほうびをあげる。慣れてきたら少しずつ時間を長くしていき、ごほうびをあげる回数を少なくしていく。 |
ブラッシングでも落としきれない汚れがあったら、シャンプーの出番です。シャンプーを行うのは、毛の長さや汚れ具合にもよりますが、月1~2回程度。慣れないうちに長時間シャンプーをすると愛犬が驚いて怖がってしまうかも知れないので、徐々に慣らしていきます。難しそうな場合はトリミングサロンにお願いしてもOK。
シャンプー前にブラッシングをして、毛のもつれや汚れを軽く落としておく。 | |
36~37度のぬるま湯のシャワーを、頭から遠い部分(お尻、足など)から濡らしていく。 | |
頭を濡らす時は、後ろからそっとシャワーをかける。目や耳にお湯が入らないように。 | |
お湯で薄めたシャンプーをよく泡立て、指の腹で優しくマッサージをするようにして愛犬を洗う。 | |
犬が嫌がりにくい背中から洗い始め、汚れやすい手足、お尻はしっかりと。頭や顔は、優しくなでるように洗う。全身を洗ったら、十分にすすぐ。 | |
リンスは事前にお湯で薄めたものを用意しておき、背中にかける。それから全身に軽くもむようにしてなじませる。(短毛種ならリンスを省いてもOK。 | |
お湯をかけてよくすすいだら水をしぼり、タオルドライ後にドライヤーで乾かす。 |
犬は仲間と一緒にいることが大好きなので、1人ぼっちの留守番が苦手です。室内飼育の場合、飼い主さんや家族と触れあう時間が多い分、余計にストレスを感じて留守中にイタズラをして部屋をグチャグチャにしてしまうことも。できれば子犬のうちから1匹で過ごす時間を設けるようにして、少しずつ時間をのばしていきましょう。
留守番に慣れていない子犬の場合、事故やイタズラを防ぐためにサークルの中で留守番をさせる。 | |
1匹でも長時間遊べるおもちゃを用意しておく。または留守番の前に散歩や運動をして体を動かしておくと、留守中は疲れて眠っている。 | |
初めは短時間の留守番から始めて、だんだん時間をのばしていく訓練を。子犬の長時間の留守番は、ペットシッターさんに来てもらうと安心。 |
一緒の空間で暮らしていると、愛犬も飼い主さんたちの食事が気になるものです。愛犬のおねだり攻撃を見ると、ついついあげたくなってしまいますが、1度でもあげてしまうと要求がどんどんエスカレートする一方です。愛犬の体のことを考えると、人間用のご飯やおやつを与えるのは絶対にNGです。毅然とした態度で臨んでください。
愛犬がソワソワと落ち着かない動きをしたり、飛びついたり吠えたりしても、我慢して無視をする。 | |
あまりに騒がしい時は、「座れ」「伏せ」などの指示を出す。 | |
愛犬が大人しくなったら、ごほうび(人間用のご飯ではなく、犬用のお菓子など)をあげる。または「えらいね」と誉める。 |
子犬にとって、飼い主さんの手足や家具などにじゃれついてあま噛みをするのは楽しい遊びの一種。けれども「可愛いから」「それほど痛くないから」と放置していると、噛み癖がついてしまうこともあります。早めに予防しましょう。
子犬に噛まれたら、その場で「痛い!」とはっきり言う。 | |
子犬が驚いて口を離したら、飼い主さんは何も言わずに別室へ移動。子犬をひとりぼっちにさせる。 | |
子犬が吠えたりすることもあるが、そのまま放置。数分経ってから子犬がいる部屋に戻り、しばらく無視をする。 | |
子犬のようすが落ち着いてきたら、声を掛けてごほうびをあげる。「噛んでも相手にされないけれど、大人しくしていたら誉められる」ということを子犬に覚えてもらう。 |
犬が吠える原因はいろいろあって、「嬉しくて興奮している」「警戒心から吠える」など、場面により異なります。まずは吠える原因を探してみましょう。嬉しさのあまり吠えてしまう犬は、エネルギーが有り余っている証拠。散歩や運動の時間をたっぷりとって、体を動かすようにしましょう。以下は、警戒心や恐怖から吠えている場合のしつけ方です。
来客などに警戒して吠えてしまう愛犬には、まず飼い主さんが落ち着いて来客と接し、大丈夫ということをアピールする。 | |
お客さんに協力してもらって、愛犬に向かっておやつを投げてもらう。これを何回か繰り返すと、「来客があるのは良いこと」と理解して、吠えなくなる。 | |
それでも落ち着かない場合は、コインなどを入れた缶をガチャガチャ振って、愛犬を驚かす。飼い主さんが音を立てていると愛犬に悟られないようにするのがコツ。これで「吠えると嫌な音がする」と学習する。 |
飼い主の帰宅時に、愛犬が嬉しさでいっぱいの気持ちになるあまり飛びついてしまうことがあります。盛大なお出迎えは嬉しいものですが、大切な服を汚されたり、転倒したりする可能性が。また、来客に飛びつくのも危険です。
飛びついてくる愛犬を手で受け止めてしまうと、愛犬は「飼い主さんも喜んで一緒に遊んでくれる」と勘違いしてしまう。愛犬を無視したまま、飛びつかれないように腕を組むか、上に上げたまま家に上がる。 | |
室内に入っても、愛犬が落ち着くまでは基本的に無視。落ち着いてきたら、「ただいま」と声をかけてごほうびをあげる。 |
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