平屋を検討する際に知っておきたいメリット・デメリット、家づくりのポイントとは?『平屋の家』に住みたい!

平屋の住み心地アップのポイント

2022年11月1日 更新
平屋の住み心地アップのポイント

せっかく平屋を建てるなら、平屋のよさを最大限に生かした魅力的な家を実現したいですよね。ご家族の理想のライフスタイルに合わせて、平屋のメリットを引き出しながらデメリットをカバーする家づくりのポイントを見ていきましょう。

【土地探し】広さや周辺環境、防災面を重視

理想の平屋を実現するなら、土地の妥協は禁物!

家づくりは土地探しから。平屋を建てる土地を探すときに気を付けたいポイントは次のとおりです。

2階建てより「広さ」が必要な平屋

2階建てより「広さ」が必要な平屋 イメージ

平屋づくりの成功を左右するのが土地探し。平屋は2階建ての住宅より広い土地を必要とする上、「建物が隣家と近づきすぎるのは避けたい」などの要望があれば、ある程度のゆとりがある土地を選びたいところです。

「建ぺい率」で家のサイズ上限を知る

「建ぺい率」で家のサイズ上限を知る イメージ

気になる土地の広さを知りたいときは、物件広告などに記載されている土地面積のほかに、建ぺい率も忘れずにチェックしましょう。建ぺい率とは、土地面積に対する建物の広さの割合を示したもの。たとえば土地面積が100坪で建ぺい率が50%なら、50坪までの建物を建てられることになります。
住宅に求める広さは家族構成や予算によってさまざまですが、一般的に、家族4人が暮らす場合、30坪(99m²)くらいあれば理想的とされています(※国土交通省「住生活基本計画」都市居住型の居住面積水準より)。床面積30坪の平屋を建てるとして、建ぺい率50%の土地なら60坪(198m²)の広さが必要です。

「周辺の建物」の状況を確認する

「周辺の建物」の状況を確認する イメージ

平屋は1階分の高さしかないため、隣に2階建て、3階建ての建物が迫っているような密集地の狭い土地だと、上からの視線が気になったり、日当たりに不満を感じたりすることも。
大まかな環境はインターネットの航空写真マップなどでもチェックできますが、気になった土地があれば、実際に現地を見て、周辺の建物の高さや距離を確かめることをおすすめします。特に南側の隣地は日当たりに影響するため、将来的に高い建物が建つ可能性がないかどうかも確認しましょう。

水害時の「浸水リスク」の少ない土地を

水害時の「浸水リスク」の少ない土地を イメージ

台風や大雨で堤防が決壊するなど水害のおそれがあるときに、なにより大切なのが、避難所など安全な場所への「早めの避難」。もしも間に合わなかったら、建物内の2階以上に避難する「垂直避難」が求められます。
平屋の場合、水害時に2階部分に垂直避難することができないため、浸水リスクのある低い土地を避けて土地探しを行いましょう。自治体が発行するハザードマップには、水害時に浸水が想定される地域や浸水深、避難場所などが記されているので、浸水しリスクの低い土地探しに役立ちます。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

理想の土地が見つからない!
そんなときは工務店や住宅会社に相談しても

理想の土地が見つからない!そんなときは工務店や住宅会社に相談しても イメージ

平屋にぴったりの土地が見つかりにくい場合は、建物を依頼する工務店や住宅会社に相談してみるのもおすすめ。特に地元の業者は土地探しに精通しているケースが多く、その土地の個性を活かした平屋の間取りやプランニングを提案するなど、土地と建物の両面から家づくりをサポートしてくれます。

【間取り・プランニング】平屋の魅力を高める工夫

平屋のメリットを活かし、デメリットをなるべく抑える

「こんな平屋に住みたい」という理想を現実にするための間取り・プランニング。平屋で暮らすイメージを膨らませながら、ご家族の要望を伝えてみましょう。

オーソドックスな間取りは「I字型」

オーソドックスな間取りは「I字型」 イメージ

平屋の家づくりをするにあたって、リビング・ダイニングの広さや配置など、理想の間取りを思い描いている方も多いのではないでしょうか。
一般的に間取りの自由度が高いとされる平屋ですが、最もオーソドックスな間取りは長方形の「I字型」です。I字型の間取りの特徴は、凹凸のない四角い形。土地の形状にもよりますが、家の中心の南側に広々としたリビング・ダイニングを設け、そのまわりにキッチンなどの水まわりや個室を配置するパターンが多いです。シンプルな形状のため、この後に紹介する「L字型」「コの字型」などの間取りよりも構造的に安定しやすく、建築費用も比較的安く済むメリットがあります。

「L字型」「コの字型」の間取りで室内を明るく

「L字型」「コの字型」の間取りで室内を明るく イメージ

平屋は家の中心に自然光が入りにくいため、間取りのプランニングでは採光の確保がポイントとなります。そこで検討したいのが、2つの長方形を組み合わせてアルファベットの“L”のようにした「L字型」と呼ばれる間取り。L字の壁に囲まれたスペースに中庭やつくることができるので、リビングなどから屋外の景色を楽しみつつ、窓から明るい自然光を取り込めるのが特徴です。
また、カタカナの“コ”のような形の「コの字型」の間取りも、三方を壁に囲まれた中庭や、明るい日当たりを実現できます。外からは見えない中庭を家族のプライベート空間にして、バーベキューや子どもの水遊びを楽しむのもいいですね。

「天窓・高窓」も採光の確保に有効

「天窓・高窓」も採光の確保に有効 イメージ

天井につくった天窓(トップライト)や、壁の高い位置に設置する高窓(ハイサイドライト)も、室内に自然光を取り込む工夫の一つ。特に、日中に日が当たらない北側の部屋も、天窓や高窓を取り付けるとやわらかな光がふりそそぎ、室内の居心地が快適になります。
窓がたくさんある住まいは明るく気持ちよいものですが、窓の大きさや取り付ける位置、方角によっては冷暖房効率が落ちてしまうことも。空間のバランスを考慮して、窓の採用を検討しましょう。

「半屋外空間」で自然との一体感アップ

「半屋外空間」で自然との一体感アップ イメージ

平屋は、マンションと同じくワンフロアでありながら、庭などの屋外にすぐ出られるという特徴があります。そこで、リビングの大開口窓から続くテラスや、ウッドデッキのある中庭など、家の中と外をつなぐ「半屋外空間」を設けると、屋外との距離が近くなり、緑の庭や自然との一体感が出る効果も。リビングやテラスでのんびりくつろいだり、庭で遊ぶ子どもやペットを見守ったりして、開放的なアウトドア気分が楽しめます。

開放感を高める「高い天井」+「勾配」

開放感を高める「高い天井」+「勾配」 イメージ

平屋は2階部分がないため、天井の高さを比較的自由に決めることができます。天井の高い部屋はのびのびとした開放感があり、空間が広く見えるのが魅力。天井に勾配をつけたり、化粧梁や高窓を設けたりすればスタイリッシュな雰囲気に仕上がります。また、ロフトを設置すれば収納スペースや子どもの遊び場にもなります。

「深い軒」でプライベート空間を楽しむ

「深い軒」でプライベート空間を楽しむ イメージ

I字型の間取りの平屋では、シンプルな外観にメリハリを出すために、軒を深くとるデザインのものが多く見られます。深い軒は夏の日射を防いで室温の上昇を防ぐほかに、風雨から建物を守り、経年劣化を抑えるメリットがあります。また、軒下にガーデンチェアを置けばアウトドア感たっぷりの第二のリビングに。屋外の開放感とともにプライベート感も味わえるのは、軒の深い平屋ならではの楽しみといえるでしょう。

まとめると…まとめると…

家族の要望を叶える平屋ライフを!
多様な選択肢の中からベストな住まいをつくる

家族の要望を叶える平屋ライフを!多様な選択肢の中からベストな住まいをつくる イメージ

家づくりは“100人いれば100通りの家ができる”と言われるように、ご家族の好みやライフスタイルに合わせて理想の家を実現することができます。もしも土地などの都合で平屋が難しいという場合も、将来的に1階だけで生活できる「平屋ライクな間取りの家」を建てるなど、選択肢はさまざま。家づくりの依頼先に、家族の要望を伝えてみてください。

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最終更新日 2024年10月30日