【集合住宅】初めてのベランダガーデニング
ガーデニングは庭付き一戸建てだけの楽しみと思われがちですが、マンションやアパートのベランダでも、緑や花を眺めたり、野菜を育てたりすることができます。あなたもぜひ、プランター1つから手軽に楽しめるベランダガーデニングを体験してみませんか。
ベランダで植物を育てよう
初心者でも手軽に始められるベランダガーデニング
ベランダは洗濯物を干すときに利用するくらいで、あとは放ったらかし…という人も多いですが、きれいな緑や花があれば、コンクリートのベランダが癒しの空間に変わります。 土のないベランダでは、植物を植えるときにプランターやポット(鉢)が活躍します。土は、ホームセンターや園芸店で市販されている培養土を用意しましょう。培養土には草花用、野菜用、観葉植物用などの種類があり、用途に合わせて必要な成分が配合されているので、初心者におすすめです。
ベランダ特有の問題はこうして解決!
我が家のベランダの環境に合った植物や育て方を知る
植物を育てる前に、自宅のベランダの日当たりや風通しをしっかりチェックしておきましょう。ベランダは建物内にあるため、ベランダならではの環境に応じた配慮をする必要があります。
ベランダの日当たりは?
ベランダの日照条件は、ベランダの方位や周囲の建物の状況によって異なります。周囲に遮るもののない南向きのベランダは日当たりに恵まれている反面、夏になると強すぎる日差しと高温によって植物の葉から水分が失われやすいので、プランターごと少しでも涼しい日陰に移動させるか、暑さや乾燥に強い植物を選ぶようにしましょう。西日が差し込む西側のベランダも、暑さや乾燥に強い植物を選び、よしずやサンシェードで直射日光を避けるようにします。 また、北向きのベランダは日照が弱いため、半日陰や日陰でも育つ植物がおすすめです。
ベランダの風通しは?
コンクリートの手すりや壁に囲まれて風が通りにくいベランダでは、水やり後の土がなかなか乾かず、蒸れて根腐れや病気の原因となることがあります。プランターをレンガや鉢台に載せるか、ハンギングプランターを利用して高さを出し、少しでも風通しがよくなるようにしましょう。 反対に、強い風が吹きつける高層マンションのベランダなどでは、プランターの土が飛んだり、植物が乾燥したりしやすくなります。そのような場合は、マルチングシートで土を覆って風対策と乾燥対策を行います。ほかにも、風にあおられてプランターが倒れるのを防ぐために、針金などで固定すると安心です。
室外機の向きは?
ベランダにあるエアコン室外機の排気が植物に当たると、しおれたり枯れたりする原因となります。室外機の向きを確認して、周囲に植物を置かないようにしましょう。もしもベランダが狭くて排気を避けられない場合は、エアコンカバーを兼ねたラックを利用する方法も。室外機の存在感をうまく隠しつつ、ラックにプランターなどを設置できるので一石二鳥。
ベランダガーデニングの植物選び
初心者でも安心。丈夫で育てやすい植物を紹介
ベランダガーデニングでは、日照条件や風通しなど、ベランダの環境に合う性質の植物を選ぶことが大事。季節の花でいっぱいのベランダや、観葉植物が中心のベランダ、ナチュラルなハーブガーデン風のベランダなど、テーマを決めて植物を選ぶと全体にまとまりが出て、おしゃれな雰囲気に仕上がります。
ベランダガーデニングにおすすめの植物
ここでは、初心者でも育てやすい植物を紹介しています。同じ植物でも品種によって性質が異なる場合もあるため、購入したい植物についているタグに「初心者にもおすすめ」「暑さ(寒さ)に強い」などと書かれているものを選ぶとよいでしょう。
ペチュニア
- 高さ…10~30㎝
- 開花期…3月~11月
- 花色…赤、ピンク、青、紫、白、黄色
ペチュニアは日当たりと風通しのよい環境を好み、春から秋にかけて赤や青のかわいい花を長く咲かせます。病害虫に強い丈夫な植物ですが、寒さはやや苦手なので、冬はあたたかい日なたに移動させるとよいでしょう。
タイム
- 高さ…5~30㎝
- 開花期…4月~6月
- 花色…赤、ピンク、白、薄紫
生長が速く、丈夫なハーブ類はベランダガーデニングにぴったり。タイムは清涼感のある香りが特徴のハーブで、暑さや寒さの耐性があります。肉や魚料理の香りづけに用いられるほか、殺菌・防腐効果、虫よけ効果も期待されます。
インパチェンス
- 開花期…5月~11月上旬
- 花色…白、赤、ピンク、オレンジ
日なたでも日陰でも元気に育つインパチェンス。可憐な一重咲きや、ゴージャスな八重咲きなど品種も多く、特にカリフォルニアローズ・フィエスタシリーズというバラ咲き品種が人気。春から夏にかけての開花期には次々と花を咲かせ、長く楽しめます。
ゴーヤー
- 収穫期…7月中旬~10月上旬
- 花色…黄
夏の人気野菜、ゴーヤー。暑さや病気に強く、ツルを園芸用ネットやラティスに巻きつけると涼しげなグリーンカーテンになります。肥料切れしないように2週間に1回の頻度で追肥を施すと、長く収穫が楽しめます。
オリーブ
- 高さ…200㎝~
- 収穫期…10月下旬~11月中旬
- 花色…白
銀色の葉が美しいオリーブは、暑さや乾燥に強い特性があります。毎日の水やりは不要ですが、土の表面が白く乾いたら水をたっぷりと与えるのがポイント。オリーブは自家受粉しにくいため、実をつけるには異なる品種を2本以上植える必要があります。
パンジー・ビオラ
- 高さ…10~30㎝
- 開花期…10月下旬~5月中旬
- 花色…赤、ピンク、白、薄紫
パンジーもビオラも寒さや病気に強く、秋から春まで色とりどりの花を咲かせます。開花期も長いことから、花が少なくなる冬のプランターにはもってこいの植物です。日差しを好むため、なるべく日に当たりやすい場所にプランターを置きましょう。
アイビー
常緑のツル性植物で、数百もの品種があります。最もよく見かけるセイヨウキヅタは白や黄色の美しい斑を持っており、室内の観葉植物、寄せ植え、切り花などにも使われています。暑さや寒さに強く、半日陰や日陰で育つので、日照の弱い北向きのベランダなどに。
ちょこっとメモ!
ベランダ菜園で野菜づくり。害虫や鳥に狙われにくく、害虫対策の薬剤も抑えられる
庭などの屋外にある家庭菜園で野菜づくりをすると、葉や実を食べる害虫や鳥に狙われやすいのが難点。一方、ベランダなら人の目が届きやすいため、害虫や鳥の食害にあいにくいというメリットがあります。害虫対策で野菜に薬剤を散布するのに抵抗がある人や、キッチンの近くで手軽に野菜を育てたい人にもおすすめです。
ベランダ菜園に適している野菜は、成長が速いシソ、小松菜、リーフレタス、ミニトマトなど。培養土や肥料がセットになった便利な野菜づくりキットも市販されています。
ガーデニング材料やアイテムで快適に
自分好みのベランダになれば、さらに楽しくなる!
ガーデニングでおしゃれな庭づくりを楽しむように、ベランダにお気に入りの材料やアイテムを配してはいかがでしょうか。床に敷いたり、手すりに取り付けたりするだけの簡単な作業で、ベランダの景観や使い心地がよくなります。
床の素材
ベランダの床面がコンクリートのままだと殺風景な印象ですが、床材を変えることでナチュラル、和モダン、アンティーク風など、お気に入りのスタイルを楽しむことができます。
床材を変えるといっても大がかりなリフォームは必要なく、置くだけ、またはパーツを組み合わせるだけの屋外用フロアタイプや人工芝を敷き詰めるのがおすすめ。これなら元の状態にすぐ戻せるので賃貸でも安心ですし、夏場のコンクリートの照り返しを抑える効果も期待できます。
ラティス
ラティスとは、間仕切りや目隠しに使われる格子状のフェンスで、プランターをハンギングしたり、ツル性植物を絡ませたりすることができます。薄いのでベランダの手すりや壁面に設置しやすく、フックでハンギングすれば狭いスペースを有効活用できるのも嬉しい限り。ナチュラルな雰囲気の木製ラティスや、お手入れが簡単な樹脂製ラティスなどがあります。取り付けるときは、風などで倒れることのないようにしっかりと固定しましょう。
テーブルやチェア
ベランダのスペースに余裕があれば、テーブルやチェアを置くだけで自分の部屋のようなリラックス空間になります。風雨にさらされたくない場合や、狭いベランダの場合は、折り畳み式の軽量なアウトドアテーブルとチェアを選ぶと、室内への持ち運びがしやすくて便利。
ベランダガーデニングの注意点とマナー
集合住宅だからこそ、まわりの迷惑にならないように注意
マンションやアパートでのベランダガーデニングは、集合住宅ならではの注意点やマナーが存在します。いつも気持ちよくベランダで過ごせるように、まわりの人たちにも配慮しながらベランダガーデニングを楽しみましょう。
管理規約をチェックする
マンションやアパートの多くは、ベランダでの大規模な改造や多量の土砂の持ち込み、多量の散水などの禁止行為を管理規約で定めています。ベランダでの禁止行為は物件ごとに異なるため、事前に目を通しておきましょう。
避難経路をふさがない
ベランダは通常、その部屋の住人だけが使用する場所ですが、緊急時には避難経路として他の住人も通行できる「共用部分」です。通行を妨げることのないよう、隣家のベランダとの仕切りパネルの前に植物や物などを置かないようにしましょう。仕切りパネルと同様に、階下に避難するときの避難ハッチの上もふさぐのはNGです。
てすりの外側にプランターを設置しない
2階以上のベランダで気を付けたいのが、アイテムなどの落下事故です。特に、ベランダの手すりの外側にハンギングのプランターを設置していると、なにかの拍子にフックが外れてプランターごと落下するおそれがあります。ハンギングを行う場合は必ずベランダの内側に取り付けてください。
水や薬剤が階下に飛散しないように
植物に水をやるとき、または薬剤を散布するときに、階下に飛散しないようにジョウロやスプレーの向きに注意してください。強風の日の水やりや薬剤散布は、思わぬ方向に飛んでいくこともあります。十分に気を付けて作業を行いましょう。
こまめにベランダ掃除をする
プランターの土、枯れ葉や花がらなどが風にのって、隣家や階下の迷惑になることもあります。日頃からベランダの掃き掃除を行い、ゴミが出たときはサッと取り除きましょう。また、排水口に土や落ち葉がたまって詰まることもあるため、古歯ブラシなどを使って定期的にゴミをかきだすのを忘れずに。
台風への備えも万全に
台風が近づいてきたら、持ち運び可能なプランターやポットは室内に取り込み、持ち運べないものは針金などで縛るか、周囲にブロックなどを置いて倒れないように固定しましょう。排水口が詰まっているとベランダに降った雨水がうまく排水されず、プールのようにあふれてしまうこともあります。排水口も忘れずにチェックしておきましょう。
まとめると…
自然に親しむガーデニング。無理なくマイペースに楽しんで
自宅の庭やベランダで、土に触れ、太陽の光や風を感じながら庭づくりやベランダづくりを行うガーデニング。使用する材料や植物を選べばお手入れの手間を減らせるなど、誰でも自分のペースで無理なく楽しむことができます。あなたもガーデニングを通して、自然と身近に触れ合ってみませんか。
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最終更新日 2024年10月30日
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