【戸建て】ガーデニング材料や植物を選ぶ
庭づくりの決め手となるのが「地面の素材」と「植物」。どちらも庭を見渡したときに視線を集めるフォーカルポイントとして、全体の印象を左右します。地面の素材と植物の選び方によって、お手入れの手間も変わってくるので、じっくり検討して選びましょう。
地面の素材選びのポイントは?
DIYのしやすさやお手入れのしやすさ、コスト面で選ぶ
庭の地面が土のままだと、雑草が生えたり、雨が降ると地面がぬかるんだりして見栄えが悪くなる上、雑草取りや掃除の手間も増えてしまいます。砂利や芝生などの素材で地面を敷き詰めることが快適な庭をつくるカギとなります。
おすすめの地面の素材
ここでは地面に使う代表的な素材について、その特徴やDIYのしやすさ、お手入れのしやすさ、DIY初期コストなどを見ていきましょう。
砂利
- DIYのしやすさ…★★★★★
(DIY初心者にもおすすめ) - お手入れのしやすさ…★★★★☆
(隙間から雑草が生えることも) - DIY初期コスト目安…1㎡あたり6000円~
(80㎏前後)
砂利は、DIY初心者にも手軽に扱えて、価格も10㎏あたり数百円~とリーズナブル。粒のカラー、大きさ、丸みも多種多様で、洋風・和風どちらのテイストの庭にも使えます。また、踏むと音が鳴ることから、裏庭や通路などに敷くと侵入を防ぐ防犯対策にも役立ちます。
敷き詰めた砂利の隙間から雑草が生えることがあるため、下に防草シートを敷くとよいでしょう。落ち葉などを掃除するときは、竹ぼうきや熊手を使うのがおすすめ。
芝生(天然芝)
- DIYのしやすさ…★★★☆☆
(地面を整地して、その上に芝を張る) - お手入れのしやすさ…★★☆☆☆
(こまめなお手入れが必要) - DIY初期コスト目安…1㎡あたり約600~1200円
(張り芝)
庭一面に広がる芝生は、見た目の美しさはもちろん、太陽の照り返しを和らげる効果や、芝生の適度な柔らかさによって子どもやペットが駆け回っても安心。初期導入コストも安いので、手軽に導入しやすいのもポイントです。芝生は日照を好むため、日当たりの悪い場所では育たず、冬になると枯れてしまいます。また、水やりや除草、芝刈りなど定期的なお手入れやメンテナンスも欠かせません。
人工芝
- DIYのしやすさ…★★★☆☆
(地面を整地して、その上に芝生を固定する) - お手入れのしやすさ…★★★★★
(ほぼメンテナンスフリー) - DIY初期コスト目安…1㎡あたり約3000~6000円
(人工芝シート)
人工芝はポリエチレンなどの合成樹脂でつくられており、天然芝のような見た目と質感を備えた製品も数多く登場しています。天然芝に比べると初期導入コストは高いものの、一度敷いたらその後のお手入れはほとんど必要なく、維持コストも不要。天然芝は日陰や半日陰ではうまく生育しませんが、人工芝なら敷く場所を選ばず、一年中きれいな緑が楽しめます。さらに耐久性が高く、サッカーなどのスポーツをしても傷みにくい特徴もあります。
グランドカバープランツ
- DIYのしやすさ…★★★☆☆
(地面を整地して、その上に植物を張る) - お手入れのしやすさ…★★★★☆
(増えすぎたら刈る) - DIY初期コスト目安…1㎡あたり約6000~7000円
※タマリュウ植栽シート
グランドカバープランツとは、地面を覆うように育つ、丈の低い植物の総称です。日陰や半日陰でも育つ植物、踏まれても傷みが少ない植物が多く、花が咲くものや葉色や葉形が個性的なものなどバラエティ豊か。代表的な植物としてはタマリュウ、プラティア、シバザクラ、アイビーなどがあります。繁殖力が高いグランドカバープランツを張ると雑草が生えにくくなりますが、グランドカバープランツが増えすぎて他の植栽スペースに侵入することもあるので注意。
コンクリート
- DIYのしやすさ…★☆☆☆☆
(プロに任せたほうが無難) - お手入れのしやすさ…★★★★★
(ほぼメンテナンスフリー) - 初期コスト目安…1㎡あたり約10,000円+人件費や材料費など
※プロの施工業者に依頼
耐久性にすぐれたコンクリートの庭は、メンテナンスが不要で、雑草や虫の心配もありません。シンプルでモダンな庭、スタイリッシュな庭との相性がよいほか、一部に芝生やレンガを組み合わせることで温かみを演出したりすることも可能です。ただし、季節によっては太陽の照り返しで暑さを感じやすいので注意が必要です。コンクリート舗装はDIYも可能ですが、初心者には難易度が高い作業が多いため、プロにお任せしましょう。
アクセントに取り入れたい素材
上記の素材と一緒に、アクセントとして取り入れて庭の表情を引き出します。フロアタイルのように初心者でも扱いやすい素材もありますが、レンガや石などを敷いたり積んだりする作業はハードルが高めなので、ガーデニングDIYに慣れてきたらチャレンジしてみましょう。
レンガ
大きさや形が整った新品のレンガや、古い建物などに使われていたレンガをリサイクルした古レンガなど。DIYでは地面に敷いたり、積み上げて花壇や塀に使われます。サイズは100㎜×200㎜前後のものが多く、風合い、カラーのバリエーションも豊富です。DIY中級者~上級者向き。
石
庭やアプローチなどに敷き詰める敷石、歩幅の間隔に敷いて園路をつくる飛石、そのまま置いて庭の景観の一部にする置き石などがあります。園路やアプローチに敷石や飛石を敷く場合は雨に濡れてもすべりにくい石質のものか、すべり止め加工をした石を選びましょう。DIY中級者~上級者向き。
屋外用フロアタイル
庭に置くだけのタイプ、または複数のタイルをつなぎ合わせるジョイントタイプがあり、表面が石や陶器のもの、木調、テラコッタ調などバリエーションも豊富。初心者でもカンタンにDIYできます。
枕木
本来は鉄道のレールに使われる枕木は、木の質感を生かしたナチュラル系のガーデンを中心に人気の素材。天然木の枕木のほかに、天然木そっくりの見た目の擬木の枕木もあります。枕木を地面に敷いたり、花壇の縁取りにすることで雰囲気や見栄えがアップします。DIY初心者~中級者向き。
初心者も育てやすい植物選び
日照条件に加えて、お手入れが簡単な植物を選びたい
植物を選ぶときに、なによりも大切にしたいのが「庭の日照条件に合う植物」であること。
加えてガーデニング初心者なら「丈夫で暑さや寒さに強く、お手入れが簡単な植物」を選ぶことがポイントです。
植物の育ち方にはいくつかのタイプがあり、一年しか花を咲かせないものもあれば、毎年花を咲かせるものも。毎年花を咲かせる多年草(宿根草)は毎年植え替える手間がなく、お手入れも比較的カンタンなものが多いので、これらの多年草(宿根草)を中心として、プラスアルファで一年草を楽しむ花壇を構成すると、一年を通してきれいな見た目になります。
- ・一年草…種をまいてから1年未満で花を咲かせ、種をつけて枯れるもの。生長スピードが非常に速いのが特徴。
- ・二年草…種をまいてから1年以上2年未満で花を咲かせ、種をつけて枯れるもの。「越年草」とも呼ばれます。
- ・多年草…二年以上にわたって花を咲かせるもの。咲いた後に種をつけるので、年を経るごとに株が増えていきます。多年草には冬になっても葉が枯れないタイプと、冬なると葉が枯れて、春になったらまた育ち始めるタイプがあり、後者を「宿根草」と呼んで区別することもあります。
おすすめの多年草(宿根草)
多年草(宿根草)を植えるなら、開花時期の異なる複数種類の植物を植えて、春から秋にかけて次々と花が咲くようにするのがおすすめ。一年を通して花壇が華やぎます。
シバザクラ
- 高さ…20~100㎝
- 開花期…4月上旬~5月下旬
- 花色…紫、ピンク、白、青
地面を覆うように茎が広がることからグランドカバープランツとしても活躍します。常緑の多年草で、毎年春になるとサクラに似た花が一面に咲き誇り、まるで花の絨毯のような景観を演出します。暑さや寒さに強いのもポイント。
アガパンサス
- 高さ…30~150㎝
- 開花期…5月下旬~8月上旬
- 花色…青紫、白
初夏から夏にかけて、上品な青紫色や白色の花と、肉厚の葉が茂る立ち姿を見せるアガパンサス。丈夫で暑さに強く、お手入れの手間がほとんどかからないため初心者でも育てやすい植物です。300以上の品種があり、常緑の品種もあれば、冬に葉が枯れる品種もあります。
チョコレートコスモス
- 高さ…30~70㎝
- 開花期…5月~11月
- 花色…黒、茶褐色、赤、ピンク
チョコレートを思わせる甘い香りと、黒や茶色のシックな色合いが特徴。同じキク科コスモス属の仲間であるコスモスは一年草ですが、このチョコレートコスモスは冬に枯れても暖かくなると新芽が出てくる宿根草です。開花期は、春から秋まで咲くタイプと、秋咲きのタイプの2通りがあります。
グラジオラス(夏咲き)
- 高さ…60~150㎝
- 開花期…6月~10月
- 花色…赤、ピンク、オレンジ、白、青、紫
すらりと伸びた茎に整然と咲く花と、剣のような形の硬い葉が目をひくグラジオラスは、夏を代表する花の一つ。品種が多く、特に花色のバラエティに富んでいます。日照を好むため、日当たりのよい場所で育てましょう。
ダリア
- 高さ…20~200㎝
- 開花期…6月中旬~11月
- 花色…赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫
ダリアの開花期は夏から秋ですが、真夏は咲きにくく、暑さが一段落する10月頃から開花するケースが多いでしょう。品種のバリエーションが豊富で、こんもりとした八重咲きやシンプルな一重咲きをはじめ、花形や大きさもさまざま。咲いている期間が長いのも魅力です。
ローズマリー
- 高さ…30~200㎝
- 開花期…11月~5月
- 花色…青、白、ピンク、薄紫
料理の香りづけやアロマテラピーでもおなじみのローズマリーは、細い茎と葉が密生する常緑の低木。秋から春にかけて可愛らしい小さな花がたくさん咲き、冬の庭を彩ります。基本的に丈夫で育てやすく、海岸に自生するほど塩害にも強い植物です。
ちょこっとメモ!
寄せ植えをするときのコツ! 色合いと高さ、お手入れの頻度を考慮しよう
一つの花壇に複数の植物を寄せ植えするなら、花色や葉色を同色系でまとめるか、同色系の中に反対色をアクセントとして取り入れるとおしゃれな印象に。また、背の高い植物を後ろに、背の低い植物を手前にすると立体感が出て見栄えがよくなります。一年草・二年草・多年草(宿根草)を組み合わせる場合は、一年草や二年草を花壇の手前のほうに植えるのもポイント。花が咲いた後の植え替え作業が楽になります。
初心者におすすめの「花壇材」
組み合わせるだけで手軽に作れる花壇づくりキット
庭で植物を育てたいときに欠かせない花壇。DIYの花壇づくりは、花壇スペースの地面を掘ってならしたり、レンガや石を積んでモルタルで固定したりする作業が大変なのですが、近年は「花壇材」と呼ばれる手軽な花壇づくりキットも登場しています。
花壇材は、直線・コーナー(角)・アール(曲線)などの複数のパーツを組み合わせるだけで花壇がつくれるのが特徴。レンガ、石、コンクリート、樹脂など素材の種類も豊富です。
上下に組み合わせ可能な花壇材であれば、地面より一段高くしたレイズドベッド(かさ上げ花壇)も簡単につくることができます。高さのあるレイズドベッドは水やりなどのお手入れがラクで、さらに通気性や水はけもよくなるので植物が育ちやすくなります。
まとめると…
材料選びや植栽プランはじっくりと。迷ったらプロに相談しても
庭づくりの材料や植物はさまざまな種類があって、どれにしようかとあれこれ考えるのもガーデニングの楽しみの一つ。後々の後悔につながらないように、材料選びや植栽プランをじっくり検討した上で判断するようにしたいものですね。材料選びや植栽プランで迷ったときは、ホームセンターや園芸店のスタッフに相談するのもおすすめです。
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最終更新日 2024年10月30日
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