キッチンのお手入れ
キッチン本体はもちろん、ガスコンロやIHクッキングヒーター、レンジフード、食洗器、浄水器などの設備が多く、使用する頻度も高いため汚れが目立ちやすい場所。油汚れでベトついたり、食品汚れが染みこんだりしないように、正しいお手入れ方法で清潔をキープしましょう。
※お手入れをするときは、ケガをしないように必ず手袋を着用しましょう。使用中や使用直後に機器に手を触れると火傷をするおそれがあるため、スイッチを切り、機器が十分に冷えてから作業を行いましょう。電源プラグを使用する機器は電源プラグを抜くか、ブレーカーを切ってください。ガス機器はガス元栓を閉じてください。
ふだんのお手入れ方法は…
油汚れもホコリも、ついてすぐなら取りやすい
キッチンの汚れは、調理中や食器洗い中に飛び散った油、水垢、野菜くず、汁のほかに、焦げ付きや手垢、ホコリなどさまざま。時間が経つと頑固にこびりついて厄介ですが、すぐに拭き取れば汚れも落ちやすいです。
注意したいのが、コンロなどに付着した油汚れ。放置すると酸化してヤニのように粘りつくので、弱アルカリ性やアルカリ性の洗剤で油汚れを落としてから、水拭きと乾拭きをしましょう。
コンロにはねた調理油や汁が焦げ付いた汚れが気になることもあります。焦げ付き汚れは、丸めたアルミ箔や期限切れのカードなどで削ぎ落とすのがおすすめです。
シンクまわりは、1日の終わりに台所用洗剤をつけたスポンジで軽くこすり、水洗いをしてから乾いた布で水気を拭き取れば、白っぽい水垢汚れの防止になります。
汚れの性質を知り、使う洗剤を見極める
酸性とアルカリ性の中和で汚れをサッと落とす
ひと口に「汚れ」といっても、その性質によって酸性・中性・アルカリ性の3種類に分けられます。そして、掃除に使用する洗剤は、汚れと反対の性質を持つものを選ぶと汚れが中和されて落ちやすくなります。
例えば、キッチンまわりの油汚れは酸性なので、反対の性質を持つ弱アルカリ性やアルカリ性の洗剤や重曹を使用すると効果的。アルカリ性の水垢汚れなどは、酸性の洗剤やクエン酸、お酢などが汚れ落としに役立ちます。
中性の洗剤は酸性とアルカリ性の中間的な性質を持ち、効き目が穏やかで材質を傷めにくい特徴があります。そのため、酸性やアルカリ性の軽い汚れなど、日常的なお手入れ全般に活躍します。
ちょこっとメモ!
塩素系と酸性の洗剤を混ぜるのは危険!掃除前に表示を確認して
掃除をするときは、汚れの性質に合わせて酸性・中性・アルカリ性の洗剤を選ぶことが大切ですが、塩素系(キッチンの塩素系漂白剤や水まわりの塩素系カビ取り剤など)と酸性の洗剤を混ぜると有毒なガスが発生するため、取り扱いには細心の注意を払いましょう。日常的なお手入れや、傷みやすい材質に使用するときは、幅広く汚れを落とす中性洗剤を選ぶと安心です。
排水口などの臭い、ヌメリとり
原因はたまった油汚れ。アルカリ性の漂白剤で対処を
料理に使う調理油やソース、青魚の脂などの油汚れがたまると、イヤな臭いやヌメリの原因となります。これらの油汚れは酸性のため、アルカリ性の塩素系漂白剤や重曹が効果的。
排水口から臭いが立ち上ってきたら、排水トラップを外し、排水管とトラップを古歯ブラシでこすり洗いをしましょう。臭いやヌメリがひどい場合は、アルカリ性の塩素系漂白剤(泡タイプやジェルタイプのもの)を排水口に密着させて、しばらく置いてから流水で洗い流します。
魚焼きグリルの受け皿の魚臭さ、四隅にこびりついたヌメリは、使用後の受け皿に重曹を振りかけ、熱湯を注いでからスポンジ洗いをすると解消します。網にこびりついた汚れも、同じように重曹とスポンジでキレイに落とせます。
レンジフード・フィルター掃除
アルカリ性洗剤の浸け置き洗いが効果あり!
揚げ物や炒め物の頻度が高いほど、レンジフードやフィルターに油汚れが付着します。ギトギトの油がこびりついてしまう前に、浸け置き洗いでスッキリと汚れを落としましょう。
浸け置き洗いの方法
- 1.シンクにポリ袋(45リットル以上)を広げ、50℃程度のお湯を注ぎます。そこに弱アルカリ性またはアルカリ性の洗剤を入れて溶かします。
- 2.レンジフードのフィルターやファンなどの部品を取り外してポリ袋の中に入れ、30分くらい浸け置きをします。
- 3.汚れがひどい場合は、ブラシなどを使ってこすり洗いをします。
- 4.ポリ袋の表面をつまようじなどで突き刺して穴をあけ、汚れた水をシンクに捨てます。レンジフードの部品を取り出したら流水でよく洗い、しっかりと乾かしてから元に戻します。
食洗器庫内の掃除
カビや菌の増殖を防いで清潔をキープ!
食器洗いの手間が省ける上に、節水効果も高い食洗器。ただし、生乾きのまま放置するとカビや菌が増殖しやすいため、清潔と洗浄力を保つには定期的な庫内掃除が欠かせません。
庫内掃除の方法
- 1.食洗器に搭載された「お手入れコース機能(※メーカーや機種によりコース名が異なります)」のガイドに従って操作します。
- 2.コースが終了したら、拭き掃除を行います。お酢とお湯を1:3の割合で混ぜた洗浄液を布につけ、固くしぼってから庫内全体を拭き取りましょう。扉のふちのパッキン部分はカビがつきやすいので特に念入りに。
浄水器のカートリッジ交換
キレイな水を使うために、定期的な交換を心がけたい
浄水器の内部にあるカートリッジは、使い続けるうちにフィルターが目詰まりして浄水機能が低下します。コンパクトな内蔵型の浄水器なら約2~3カ月、ビルトイン型やアンダーシンク型の浄水器なら約1年を目安に交換しましょう(※浄水器のタイプや機種によって交換方法の詳細が異なりますので、事前に取扱説明書を確認してください)。
カートリッジを交換せずに浄水器を使い続けると、水の出が悪くなり、最悪の場合、漏水や機器の故障につながるおそれもあります。定期的に交換して、キレイでおいしい水を使用しましょう。
キッチン設備のお手入れスケジュール
掃除スケジュールの目安
毎日 | 拭き掃除(キッチン本体、各機器) |
---|---|
週1~2回 | 掃除機がけ |
冷蔵庫やレンジなど家電製品の拭き掃除 | |
排水口などの臭い、ヌメリとり | |
月1回 | レンジフード・フィルター掃除 |
食洗器庫内の掃除 | |
半年に1回 | キッチン全体の大掃除 |
点検・交換スケジュールの目安
ふだんのチェック | 使用時にキッチン本体や各機器の水漏れ、異臭、異音、扉の傾きやガタつきなどがないか確認 |
---|---|
2カ月~1年ごとに | 浄水器のカートリッジ交換 |
築5~10年 | キッチンまわりの各機器を点検し、不具合や部品の劣化があれば部品交換・機器交換 |
築10~15年 | ガスコンロ・IHクッキングヒーターが耐用年数を迎えるため、点検・交換を検討 |
レンジフードが耐用年数を迎えるため、点検・交換を検討 | |
キッチンまわりの各機器を点検し、不具合や部品の劣化があれば部品交換・機器交換 | |
築15~20年 | キッチン本体が耐用年数を迎えるため、点検・交換を検討 |
まとめると…
使い終わりにサッと拭く習慣を。気持ちよいキッチンで炊事を楽しく!
キッチンまわりの設備は毎日使うため、不具合や故障などに気付きやすいもの。安心して食事や家事ができるように、キッチンを使いながら状態を確認し、使い終わったらサッと汚れを拭き取る習慣をつけましょう。日常的にお手入れをしておけば、いつでも気持ちよくキッチンに立つことができます。
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最終更新日 2024年10月30日
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