地球環境のために、個人で取り組める工夫を紹介 暮らしの中でできる「環境対策」

地球温暖化

2021年5月17日 更新
地球温暖化

気象庁によると、日本の夏の平均気温は過去100年間で1.14℃も上昇しました。最高気温が35℃を超える日のことを「猛暑日」といいますが、近年は各地で猛暑日を記録する日が増えています。
日本のみならず、世界の各地で平均気温が上昇する「地球温暖化」の影響で、海水面の上昇や異常気象など、さまざまな問題が起こっています。

地球温暖化が起こる原因は?

増えすぎたCO2が熱を溜め込んで気温を上げる

増えすぎたCO2が熱を溜め込んで気温を上げる

私たちの住む地球は、太陽からのエネルギーで暖められ、その熱の一部は宇宙に放出されます。地球を取りまく大気の中にある二酸化炭素(CO2)などの「温室効果ガス」には熱を吸収する性質があり、まるで温室のビニールシートのように太陽からのエネルギーを蓄えて地球の平均気温を約14℃程度に保っています。
しかしながら、18世紀半ばの産業革命以降に石炭や石油の消費量が増えると、大気中に大量のCO2が排出されるようになり、現在では大気中に含まれるCO2の量が産業革命前と比べて約40%も増加しました。そのため、本来であれば宇宙に放出されるはずの熱まで温室効果ガスに溜め込まれ、気温がどんどん上昇して温暖化が進んでしまいます。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

温室効果ガスの種類について――日本で排出される9割はCO2

日本で排出される9割はCO2

「温室効果ガス」と呼ばれるガスには、CO2のほかにも、メタン、一酸化二窒素、フロンなどがあります。
いずれも大量に排出されると地球温暖化につながりますが、CO2は化石燃料(石炭や石油など)の燃焼、廃棄物の焼却などで排出され、日本で排出される温室効果ガスの9割以上を占めています。このような背景から、CO2をどれだけ削減できるかが地球温暖化問題の重要なポイントとなっているのです。

このまま温暖化が進むとどうなる?

平均気温が上昇し、異常気象、干ばつなども起こりやすくなる

平均気温が上昇し、異常気象、干ばつなども起こりやすくなる

地球温暖化についての研究をまとめる国際機関IPCCの「第5次評価報告書」によると、21世紀末までの世界の平均気温は産業革命前と比べて0.3~4.8℃上昇し、海水面は0.26~0.82m上昇する可能性が高いとしています。また地球温暖化は気温の上昇だけでなく、異常気象のリスクも増加させます。大雨や洪水、干ばつなどは農作物に影響して不作の原因となったり、猛暑が熱中症を引き起こしたりするなど、私たちの生活や健康に影響が及ぶおそれもあります。

※参考
・全国地球温暖化防止活動推進センター
https://www.jccca.org/ipcc/

気温が4℃上昇した日本のようす

猛暑や熱帯夜が増えて、巨大台風のリスクも!

猛暑や熱帯夜が増えて、巨大台風のリスクも!

上記のICPP「第5次評価報告書」を受けて、日本の気象庁も、世界の平均気温が産業革命前と比べて4℃上昇した場合の日本の21世紀末の予測を示しています。それによると、日本の年平均気温は20世紀末より約4.5℃上昇し、年間の猛暑日は約19.1日、熱帯夜は約40.6日増加。また1日あたり200mmを超える降雨日が約2.3倍に増え、猛烈な台風が発生する頻度も高まる可能性があります。

※参考
・気象庁「日本の気候変動2020」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/2020/pdf/cc2020_gaiyo.pdf

私たちができる温暖化対策とは

CO2の排出を抑える「省エネ」を心がけて!

CO2の排出を抑える「省エネ」を心がけて!

私たちが日常的に使用する電気、ガス、灯油、ガソリンといったエネルギーは化石燃料由来であり、発電のために石油を燃焼させたり、ガスや灯油、ガソリンを燃焼させて使用したりすることで大量のCO2が排出されます。また飲み水や洗濯などに欠かせない水道水も、浄化処理をする電力を発電するには多くのCO2が必要です。地球温暖化を食い止めるためにも、これらのエネルギーをムダづかいしない「省エネ」を意識してみましょう。

・家庭での用途別エネルギー消費(2018年度)

※資源エネルギー庁「エネルギー白書2020」より作成

家庭での用途別エネルギー消費(2018年度)

暮らしの中の「省エネ」の工夫

※以下に掲載するエネルギー削減量(原油換算、CO2削減量含む)は、資源エネルギー庁WEBサイトより引用しています。
※参考
・資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/

照明

照明

白熱電球を使用しているなら、より消費電力が少ない電球型蛍光ランプや電球形LEDランプに交換するのがおすすめ。電球型蛍光ランプは白熱電球の約4分の1、電球形LEDランプは電球蛍光ランプの約4分の3の電力で済みます。


白熱電球から電球形LEDランプに交換すると…
※54Wの白熱電球から9WのLEDランプに交換した場合(使用時間:2,000時間/年)
→年間で電気90.00kWhの省エネに!(原油換算22.68L、CO2削減量43.9kg)

エアコン

エアコン

環境省が推奨する室温の目安は、夏は28℃、冬は20℃となっています。エアコンの効率を高めるために、エアコンを使用するときはカーテンやブラインドを閉めて、ドア・窓の開閉はなるべく少なくしましょう。扇風機などを使って室内の空気を循環させるのも効率的です。


夏の冷房時の室温を28℃にすると…
※外気温度31℃で、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合(使用時間:9時間/日)
→年間で電気30.24kWhの省エネに!(原油換算7.62L、CO2削減量14.8kg)


冬の暖房時の室温を20℃にすると…
※外気温度6℃で、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)
→年間で電気53.08kWhの省エネに!(原油換算13.38L、CO2削減量25.9kg)

テレビ

テレビ

リモコンの待機状態でも電力を消費するため、消すときは主電源をオフにしましょう。画面が明るくなりすぎないように調整すると、消費電力が少なくなり、目にも負担がかかりません。


画面が明るくなりすぎないように調整すると…
※テレビ(32V型)の画面の輝度を最大→中間に調整した場合
→年間で電気27.10kWhの省エネに!(原油換算6.83L、CO2削減量13.2kg)

冷蔵庫

冷蔵庫

冷蔵庫の中に食品を詰め込みすぎると、冷気の循環が妨げられて冷蔵効率が下がるだけでなく、取り出すときにも時間がかかって庫内の温度を上げてしまうことで電力消費が大きくなります。定期的に庫内を整理して、常温可能な食品は冷蔵庫から出して保存しましょう。


食べ物を詰め込み過ぎないようにすると…
※詰め込んだ場合と、半分にした場合の比較
→年間で電気43.84kWhの省エネに!(原油換算11.05L、CO2削減量21.4kg)

お風呂

お風呂

毎日の入浴やシャワーで使う水は、家庭で使用される水の約4割を占めています。シャワーを1分間流すだけで12L(500mlのペットボトルに換算すると24本分)のお湯が流れる上、お湯を沸かすガスのムダづかいにもなってしまうので、不必要に流しっぱなしにするのは避けましょう。


シャワーの流しっぱなしを控えると…
※45℃のお湯を流す時間を1分間短縮した場合
→年間で水道4.38m3の節水、ガス12.78m3の省エネに!(原油換算14.82L、CO2削減量28.7kg)

まとめると…まとめると…

省エネの第一歩はリビングから。家族が集まれば効率アップ!

家族が集まれば効率アップ!

家庭で省エネを心がけるなら、1日の中でも長い時間を過ごし、家族みんなが集まるリビングでの対策をしっかりと行いましょう。それぞれが個室に滞在するのではなく、家族で一緒にいることも省エネ効率アップにつながります。

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最終更新日 2024年10月30日