SDGsって何?
最近になってSDGsという言葉をよく見たり聞いたりするようになりましたが、なんとなく大事なことらしいけれどよく分からない…という人も多いのではないでしょうか。ここではSDGsを理解するために、SDGsという言葉の意味や考え方を分かりやすく説明して、2030年までにめざす17の目標を紹介していきます。
SDGsは「よりよい世界をめざす私たちの目標」
さまざまな問題に向き合い、地球を未来へ持続させる
SDGs(エス・ディー・ジーズ)は「Sustainable Deveropment Goals」をあらわす言葉で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
私たちが暮らす世界は、貧困や格差、環境の悪化による気候変動や自然災害など、さまざまな問題に直面しており、このままだと将来にわたって幸せに住み続けることが難しくなってしまう状況にあります。そこで2015年の国連サミットで、これらの問題に向き合うために2030年まで各国が取り組む共通の目標としてSDGsが設定されました。
SDGsには「貧困をなくそう(目標1)」「飢餓をゼロに(目標2)」「すべての人に健康を福祉を(目標3)」といった17の目標(ゴール)と、それぞれのゴールに複数のより具体的な目標(ターゲット)が示されています。世界中の国と地域が協力してSDGsの目標に取り組むことで、今より世界をよい場所にして、ずっと住み続けられる(=持続可能な)状態にすることをめざしています。
経済・社会・環境が調和した「持続可能な」世界
今も未来も、豊かさが損なわれない状態をめざして
SDGsの説明では「持続可能な」という言葉がよく使われますが、この言葉には「今だけではなく、将来にわたって続けていける状態」という意味が込められています。世界をよりよい場所にするといっても、なにかを犠牲にしたり、誰かを取り残したりするような方法では決して長続きしません。経済も、暮らしも、自然環境も、どれも大切にしながら問題を解決していくことが、SDGsの基本的な考え方です。
例えば、世界中から飢餓をなくすには食料が不可欠ですが、畑で作物をつくるために大規模に森林を伐採すると、環境が破壊され、気候変動により干ばつや洪水といった自然災害が起こり、さらなる飢餓につながります。このような「持続可能ではない」状態から抜け出すには、資源や環境に配慮しつつ生産性を高める農業を行うといった取り組みが必要です。
ちょこっとメモ!
SDGsは途上国だけのものではない!日本に住む私たちにかかわる問題も
日本に住んでいると、貧困や飢餓などの問題を掲げるSDGsは、どこか遠い国のことのように思えるかも知れません。けれども、日本は相対的貧困率(その国の平均的な生活水準と比べて貧しい状態にある割合)が15.4%で、6人に1人は貧困状態とされています(※)。
今は貧困ではない人も、災害や病気などをきっかけに貧困に陥る可能性はゼロではありません。貧困の問題は、「満足な食事ができない」「病気になっても病院に行けない」「十分な教育が受けられない」といったさまざまな問題にかかわってきます。「自分には関係ない」と思うのではなく、身近な問題としてSDGsを意識してみましょう。
- ※厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」より
- https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html
SDGsの17の目標について
それぞれの目標のアイコンと意味を紹介
SDGsの17の目標には、それぞれ全世界共通のアイコンがあり、次のような意味をあらわしています。
- 目標1
貧困をなくそう - 世界中のあらゆる貧困を終わらる
- 目標2
飢餓をゼロに - 飢えをなくし、すべての人が安全で栄養のある食料を確保できるようにする
- 持続可能な農業を進める
- 目標3
すべての人に健康と福祉を - すべての人が健康な生活を送れるようにする
- 福祉サービスを充実させる
- 目標4
質の高い教育をみんなに - だれもが公平に質の高い教育を受けられるようにする
- 一生にわたって学習できる機会を広げる
- 目標5
ジェンダー平等を実現しよう - ジェンダーの平等を達成する
- すべての女性と女の子が能力を発揮できるようにする
- 目標6
安全な水とトイレを世界中に - だれもが安全な水とトイレを利用でき、持続可能な管理ができるようにする
- 目標7
エネルギーをみんなに そしてクリーンに - すべての人が、安くて信頼できる近代的エネルギーを将来にわたって利用できるようにする
- 目標8
働きがいも 経済成長も - みんなの暮らしをよくする持続可能な経済成長を進める
- すべての人が、働きがいのある人間らしい仕事につく
- 目標9
産業と技術革新の基盤をつくろう - 災害につよいインフラを構築する
- みんなの暮らしをよくする持続可能な産業の発展と、新しい技術を開発を進める
- 目標10
人や国の不平等をなくそう - 人と人との間の不平等や、国家間の不平等を減らす
- 目標11
住み続けられるまちづくりを - 災害に強く、みんながずっと安心して暮らせるまちをつくる
- 目標12
つくる責任 つかう責任 - 資源のムダづかいをやめて、持続可能な生産と消費を行う
- 目標13
気候変動に具体的な対策を - 気候変動やその影響を減らすために、急いで対策をする
- 目標14
海の豊かさを守ろう - 海や海の資源を守り、持続可能な方法で利用する
- 目標15
陸の豊かさも守ろう - 陸上の生態系を守り、持続可能な方法で利用する
- 森林を管理して砂漠化を防ぐ
- 土地の悪化を止めて、生き物の多様性を維持できるようにする
- 目標16
平和と公正をすべての人に - 持続可能な開発のために、だれもが幸せに暮らせる平和な社会をつくる
- すべての人が法律などの制度を公正に利用できるようにする
- 目標17
パートナーシップで目標を達成しよう - 世界中の人が協力しあい、持続可能な開発目標の達成に向けて行動する
まとめると…
SDGsのために私たちができることは?…実はもう行動しているケースも!
SDGsの目標は幅広い分野にわたり、それぞれ複雑で難しい問題を抱えています。これらの目標について、国や地域、企業などが解決にあたる問題もありますが、私たち1人ひとりにもできる行動や取り組みもあることをご存知でしょうか。
例えば、私たちが日常的に行っているごみの分別は、プラスチックや缶・瓶・紙類などをリサイクルして資源として再利用することで、限りある資源を守り、持続可能な生産と消費に貢献しています(目標12)。また、海の汚染や海洋生物に影響を及ぼす海洋プラスチックごみを減らすことにもつながります(目標14)。
SDGsは地球規模の大きな目標ですが、知らず知らずのうちにSDGsに取り組んでいることも少なくありません。次のページから、個人や家庭で手軽にできるSDGsの行動について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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最終更新日 2024年10月30日
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