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いざという時のために知っておきたい災害支援・災害ボランティア活動の基礎知識

被災地に行かずにできる「寄付」

2021年5月27日 更新
いざという時のために知っておきたい災害支援・災害ボランティア活動の基礎知識

地震や台風、大雨などの自然災害が多発し、災害大国とも呼ばれる日本。そこに暮らす私たちは、いつ自分が被災者になるか分からない「被災者予備軍」であると同時に、被災した人や地域に手を差し伸べる「サポーター(支援者)」でもあります。支援の方法はさまざまですが、ここでは災害が起こったときに、比較的すぐに支援できる「寄付」について説明します。

「寄付」はすぐにできる支援の一つ

街なかの募金箱、インターネットや電話による募金サービスもある

街なかの募金箱、インターネットや電話による募金サービスもある

被災した人や地域を支援する方法の中でも、被災地に行かずにできる支援が、お金や物資の「寄付」です。大規模な災害があると街なかの店舗や役所のロビーなどに募金箱が置かれ、また近年はインターネットの募金サイトや電話を利用した募金サービスなどもあります。なお、災害支援のための募金は「義援金」と「支援金」の2種類があり、言葉は似ていますが、それぞれお金が届く相手や使われ方などが異なります。募金をするときは、そのお金を誰に届けたいのか、どのように使ってもらいたいのか考えてから「義援金」または「支援金」を選ぶようにしましょう。

「義援金」と「支援金」の違いは?

義援金

義援金

被災者の生活を支えるためのお金で、主に自治体や日本赤十字社、赤い羽根共同募金などが寄付を呼びかけています。集まったお金は、被災した自治体が設置する義援金分配委員会にまとめられ、被災者の元に配られます。被害状況などに応じて配布基準を協議するためお金の受け取りまで時間がかかるものの、寄付金の100%が被災者1人ひとりに公平に分配されます。

支援金

支援金

被災地で復旧や復興に向けた支援を行うNPOやボランティア団体の活動に役立ててもらうお金です。集まったお金は、各団体の判断によって使い道が決定されるため、被災地のニーズに合ったスピーディな支援活動が可能になります。寄付をする側は、自分が応援したいと思う団体に直接寄付するか、ジャパン・プラットフォームや日本財団といった中間支援団体を通して寄付します。

特定の自治体を応援するなら「ふるさと納税」

ふるさと納税を利用して復旧・復興のための寄付ができる

ふるさと納税を利用して復旧・復興のための寄付ができる

「義援金」は被災者へ贈るお金、「支援金」は支援団体へ寄付するお金ですが、ほかにも被災した「自治体(都道府県や市町村)」への支援として、その自治体へ直接「ふるさと納税」で寄付を行い、地域の復旧・復興に役立ててもらうこともできます。ふるさと納税での災害支援はインターネットのふるさと納税サイト(「ふるさとチョイス」や「さとふる」など)を中心に行われており、災害発生時に開設される特設ページから支援したい自治体を選んで申し込めばスムーズに寄付ができるようになっています。通常のふるさと納税では、寄付をすると返礼品として地域の特産物などが贈られますが、災害支援の寄付の場合、基本的に返礼品はありません。

ふるさと納税による災害支援については以下のページで詳しく紹介しています。
ふるさと納税を活用しよう「ふるさと納税で災害支援」

支援物資の寄付には注意が必要

被災地の負担を減らすためにも、原則として個人から物資は送らない

ふるさと納税を利用して復旧・復興のための寄付ができる

災害が発生すると、生活に必要な水や食糧、毛布などさまざまな物資が不足します。ニュースやSNSで「○○が足りません」という情報を見て、被災地に支援物資を送りたいと考える人も少なくないのですが、災害発生直後の被災地は、一度に大量の物資を受けきれない現実があります。「○○市宛」「○○避難所宛」で届いた大量の物資の仕分けに貴重な人手がとられたり、余った物資を抱えたりすることで、せっかくの善意が被災地の負担になってしまうかもしれません。そのため近年は、災害発生直後の個人からの支援物資を受け付けない自治体が増えてきています。

ちょこっとメモ!ちょこっとメモ!

手元の物資を支援に役立てるには?一番の方法は「お金に代えること」!

手元の物資を支援に役立てるには?一番の方法は「お金に代えること」!

いま手元にある物資を被災地のために使いたい場合は、インターネットオークションやフリーマーケットなどに出品して収益金を得るなど、お金に代えて寄付するとよいでしょう。お金なら、被災地のニーズに合わせて必要な物資に換えられるメリットがあります。

物資を送るなら「顔の見える」相手に!

知人や親類縁者など、ちゃんと受け取ってもらえる関係の人に送る

ふるさと納税を利用して復旧・復興のための寄付ができる

過去の災害では、全国から寄せられた支援物資が被災者の手元に届かず、大量に余ってしまったケースが多く見られました。その理由としては、交通規制などで配送に時間がかかり、届いた頃には物資不足が解消していたり、消費期限の近い食品、使いづらい古着などがあったりして、物資の受け取り手がいなかったことなどが挙げられます。被災地で必要とされる物資は刻一刻と変化するため、送る側が不特定多数の被災者をイメージして現地のニーズに合う物資を送付することは難しいもの。もしも支援物資を送るなら、知人や親類縁者など「顔の見える」関係の相手に、その人が必要とするものを届けましょう。

まとめると…まとめると…

自分なりの寄付の方法を考えてみる――善意をよりよい形で届けるために

自分なりの寄付の方法を考えてみる――善意をよりよい形で届けるために

被災地から遠く離れていても、お金などの「寄付」は比較的すぐにできます。だからこそ、単に募金箱にお金を入れるだけでなく、善意がよりよい形で被災した人や地域に届くように、義援金と支援金を区別して選ぶなど、自分なりの寄付の方法を考えてみましょう。

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最終更新日 2024年10月30日

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